SSブログ

岡山を巡る [国内の鉄道]

 岡山で年に1度の仕事上のイベントがあり、26日から岡山に滞在した。
 26日は14時50分発、のぞみ113号広島行で東京を発つ。山陽新幹線直通ののぞみは基本的にN700系になっているそうで、この列車もN700系である。

1.jpg

 本当はビールでも飲みながら旅気分を味わいたいところだが、翌日の発表に備えてに備をする。しかし、こういう時には眠気に襲われてしまい、新横浜を過ぎて、次に気が付いた時には静岡であった。N700系は窓は狭いし、車内の造作も良いとは思えないが、足元が広いこと、電源コンセントがあること、そして静かで揺れが少ないのが良い。名古屋では米野車庫に集う近鉄の特急車両を眺め、京都では美しい東寺を楽しみ、新大阪には定刻の17時26分に到着する。
 岡山が目的地、のぞみ113号も広島行なので、このまま乗っていけば良いところなのであるが、私はあえてここで下車。乗車するのは、こだまである。いよいよ2年後の引退が発表された100系に乗ろうというわけである。
17時38分発こだま761号博多行は100系K60編成、新大阪駅の隅にある20番線から発車する。

2.jpg

 指定券を取っていたが、ガラガラの2号車自由席(126-3044)に座る。N700系の270km/h運転から220km/h運転に変わるが、それでも案外スピード感はある。新神戸でも乗降は少なく、空いたまま。西明石からは降りる乗客の方が多い。一部のぞみも停車する姫路は比較的多くの乗客が降りていく。姫路城天守閣は修繕工事中とのことで、近くにクレーンが立っていた。姫路では10分停車である。程なくして、停車しているホームの反対側に、試運転列車が入線してきた。N700系であるが、どこか見慣れないと思ったら、何と九州新幹線直通用車両である。九州新幹線の全面開業に備えて、試運転中なのであろう。せっかくなので写真を撮っておくことにした。

3.jpg

a1.jpg

 こだま761号は次の相生でも5分間の停車、のぞみやひかりレールスターに次々に抜かれるのは、こだまの旅の醍醐味である。すっかり暗くなってきた頃、19時01分定刻に岡山に到着した。初日の夜は、岡山に単身赴任中の父と居酒屋に入り、タコなど瀬戸内の魚介を楽しんだ。

 27日は朝一番で発表を済ませ、メインの仕事は終了、あとは勉強の時間である。とはいえ、話を聞き続けるのも疲れる、と言い訳して、15時30分頃に会場を抜け出し、岡山駅へ。15時40分発三原行の普通列車に乗る。車両は115系の3両編成、座席はほぼ埋まっている。

4.jpg

 コンテナが集結するJR貨物西岡山駅を眺め、北長瀬、庭瀬、中庄と止まる。それほど標高の高くない山や丘に囲まれた山陽地方らしい車窓風景の中を、90km/h程で進み、倉敷には15時56分に到着する。
 倉敷駅の橋上駅舎を出て、水島臨海鉄道の倉敷市駅に行く。距離はわずかだが、線路沿いの路地にあり、場所は少し分かりにくい。水島臨海鉄道は倉敷市街とコンビナートなど重工業で発達した水島を結ぶ鉄道である。貨物収入の方が多い鉄道であるが、旅客列車も日中でも1時間に2~3本程度は確保され、利便性はなかなかのものである。実際、片面1線の倉敷市駅ホームは、帰宅の高校生で溢れかえっていた。
 間もなく到着した列車はMRT300形2両編成である。MRT300形は水島臨海鉄道が独自に導入した新潟鐵工所製NDCシリーズの気動車、塗装は2種類あるが、乗車した車両は2両ともひまわりが大きく描かれている.

5.jpg

 座席が全て埋まっているので、最前部でかぶり付きを楽しむことにする。列車は16時05分定刻に発車、倉敷駅構内を抜け、山陽本線とも分かれる。水島臨海鉄道は駅間距離が短く、スピードも最高60km/h、実際にはせいぜい50km/hしか出さず、ゆっくりゆっくりと走っていく。

6.jpg

 2両編成の列車のため、車掌が乗務しており、各駅で集札も行うが、それものんびりとしたものである。しかし、設備はローカル鉄道と侮るなかれ、単線ながら行き違い駅は多く、ロングレール区間まである。貨物列車との行き違えのため、駅構内の交換設備が非常に長いのが独特で面白い。弥生からは高架区間となり、栄、常盤と止まって水島に到着する。

7.jpg

8.jpg

a2.jpg

 水島からは港頭線という貨物専用線が分岐している、こちらは右に大きくカーブしながら地上に降り、終点三菱自工前に16時32分に到着する。ここまで10.4kmの旅である。

a3.jpg

a4.jpg

 私を含め、わずかに残った乗客を降ろした列車は800m先の倉敷貨物ターミナルに引き上げていく。まだ4両が現役の元国鉄キハ20が止まっているのも見える。

9.jpg

 三菱自工前は片側1線の、細いホームがあるだけの駅、周囲は工場に囲まれている。以前は大半の列車は水島発着で、朝夕のみ三菱自工前まで旅客列車が乗り入れていたが、今は大半の列車が三菱自工前発着とされている。しかし、それでも利用客は少ないようだ。

a5.jpg

a6.jpg

 折り返しの列車は先程と同じ車両だった、私の他に1人、計2人を乗せた列車は16時44分に発車する。MRT300形の車内はロングシートとクロスシートが千鳥式に配置されている、混雑に対応しつつ、座席定員も確保するということであろうか。

10.jpg

 水島でそれなりに乗車があり、車内は少し華やかになった。私は16時51分着、栄で下車する。このような無人駅で降りたのは、消防署の隣という防災上はこれ以上ないくらいの好立地でラーメン屋を開いている伯父・伯母に会うためである。父の出身地でもあるのだが、岡山はやはり遠く、本当に久しぶりの訪問である。昔ながらの古めかしい店構えのお店で、ビール2本と、とんかつ入りチャーシューメン大盛り、餃子2枚をご馳走になる。私はこういうシンプルな味のラーメンがやはり好きである。伯母に倉敷駅まで車で送ってもらい、山陽本線で岡山に戻る。115系に乗り、夕暮れの風景を眺め、岡山に到着したのは19時30分になろうとしていた頃であった。この後は職場の仲間で宴会である。

a7.jpg

 28日は朝から真面目に勉強、しかし、13時にセミナーが終わると、しばらく暇な時間がある。そこで今度は岡山電気軌道に乗ることにする。岡山駅前の電亭に行く。岡電自慢の新型トラムMOMOは今日は運転日でない模様、それでも東山線に乗り、終点まで行くことにした。車両は7901、何となく都電に似ている。私と同じイベントに参加する人も多く乗っており、城下で降りて後楽園や岡山城に向かうようであったが、私は終点の東山まで乗り通す。途中ですれ違った3000形は元東武日光軌道線の1000形、どうせなら、そちらに乗りたいが、そこまで待つ程の時間はなく、今回は断念せざるを得ない。最初は座席が埋まっていたが、岡山最大のデパート、天満屋などがある県庁通りを過ぎるとかなり空く。市内をゆっくりと走り、20分ほどで東山に到着する。

11.jpg

 東山は車庫を隣接している。中を眺めると、日光軌道線時代の塗装に復元された3000形が停車していた。独特の岡電のパンタグラフをみて、岡山駅に戻ることにする。折り返しも同じ7901、吊り掛けモーターをバックに、市内の風景を眺めながら岡山駅への旅をゆっくりと楽しんだ。

12.jpg

13.jpg

 午後の予定を終え、まだ時間があったので岡山駅に戻る。急いで自由席特急券を購入し、しおかぜ21号に乗る。車両は2000系気動車、アンパンマン列車である。指定席はいっぱい、自由席も空席がわずかに残るのみで、何とか通路側の席を確保する。ディーゼルエンジンの音を響かせながら発車、児島を過ぎ、トンネルを抜け出るといよいよ瀬戸大橋である。瀬戸大橋はさすがに各所に経年を感じさせるが、車窓から瀬戸内海を見る迫力はやはり格別である。惜しむらくは、鉄柱に視界を邪魔されてしまう点か。

14.jpg

15.jpg

 宇多津でしばらく停車し、高松発いしづち25号の接続を取り

16.jpg

a9.jpg

 次の丸亀には18時17分に到着、私もここで下車する。

17.jpg

 JR四国の車両を眺めながら待っていると、程なくして、しおかぜ26号が到着した。こちらはJR四国のフラッグシップ、8000系である。

18.jpg

 定刻の18時30分よりもやや遅れ気味に発車したが、宇多津で高松行いしづちを切り離す間に遅れを取り戻したようだ。自由席はほぼ満席、最後部のデッキで、再び瀬戸大橋からの眺めを楽しむ。

19.jpg

 児島で若干の下車があり、通路側ながら座ることができた。8000系はあまり面白みはないが、なかなか乗り心地の良い。岡山には19時11分定刻に到着した。再び岡電に揺られ、県庁前に行く。ここで父と待ち合わせ、ホルモン焼きでお酒を飲み、1日を終えたのであった。

 29日は、仕事は午後からにして、祖父母のお墓参りに行くこととした。岡山発9時13分の三原行普通は115系で、倉敷まで20分ほどの旅である。倉敷からは水島へと向かう両備バスに乗り、竜の口で下車、こから徒歩20分ほどのところにある霊苑で墓参を済ませる。バスは概ね30分間隔だが、帰りは適当なバスがなく、さらに10分ほど歩いて福井駅から水島臨海鉄道に乗る。車両はMRT300形の単行、こちらはワンマン運転である。

21.jpg

 座席がかなり埋まっており、やはり最前部でかぶり付く。10分ほどで倉敷市に到着する。

a10.jpg

a11.jpg

22.jpg

 倉敷から岡山へ、もっとも早く出発する列車は11時27分発やくも10号である。特急に乗るような距離ではないが、やはり、貴重な機会ということで、特急券を購入する。やってきた列車は381系の中でもリニューアルされた、ゆったりやくも編成である。

23.jpg

 座席と窓割があっていないのが気になる点ではあるが、座席そのものはかなり快適である。岡山まではわずか11分の旅、11時38分に岡山に到着した。午後からは真面目に勉強、16時前に切り上げ、16時14分発のぞみ40号N700系に乗車、岡山滞在を終えたのであった。
nice!(3)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 3

コメント 2

abe

ご発表お疲れさまでした。
いろいろなものに乗ってご堪能されたようですね。私の愛車の生地もご紹介下さり感激の至りです。
ご研究より鉄分の方が比重が高いようですが、それは気のせいでしょうね。w
親子水入らずも羨ましい限りです。私も早く息子と呑みたいですね。(早いって!)
今回はご同行できず誠に残念です。w
by abe (2010-05-30 11:00) 

HUH

abeさん、こんにちは。
鉄分の比重が多いように見えるのは、滞在期間が長かったのと、ここでは鉄関連しか触れていないからです。間違いない(きっぱり)
ところで、abeさんの愛車の生地って?N700系でしょうか??

ラーメンがてら、山陽ツアーも良いですね。姫新線とか、津山線とかに乗ってみたいです。
by HUH (2010-05-31 23:59) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

「Hbf」運転会DB Bauriehe 103 (Roc.. ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。