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DB Baureihe 65.0 (Märklin 39650) [鉄道模型 Maerklin]

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 65形は第二次大戦後、ドイツ連邦鉄道Deutsche Bundesbahn (DB)が製作した新型蒸気機関車の一つで、78形や93.5形を置き換える目的で開発されたタンク式蒸気機関車である。
 軸配置1’D2’ h2で、 Krauss-Maffeiにより1951年に65 001-013の13両、1955年から56年にかけて65 014-018の5両が製作された。バッファー間長15,475mm、全重107.6t、軸重16.9tであった。ボイラー圧は14 barで、出力1,089Wで、前後進とも最高85km/h走行が可能な性能を有していた。炭庫の石炭積載容量は4.8t、水14,0m3であった。なお、65 001-013は表面式エコノマイザーを搭載していたのに対し、65 014-018はHenschel製混合加熱器を搭載していた。1968年にはコンピューターナンバーの導入で、065形となった。

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 65 001-007はBw Darmstadtに配属され、78形や93.5形と共に旅客列車だけでなく、貨物列車にも運用された。65 008-010はBw Düsseldorf-Abstellbahnhofに配属され、38形や78形ともに旅客運用に用いられたが、1954年初頭にBw Darmstadtに移った。65 011-013はBw Letmatheに配属され5710-35形に運用に就いたが、1953年7月にはBw Fröndenbergに移り、82形を置き換えた。しかし、1954年5月には65 011がBw Darmstadtへ、65 012-013がBw Essen Hbfへ移った。
 Bw Essen Hbfには65 012-013に加えて65 014-018も新製配置され、1956年までに全車がWendezug (プッシュプル列車)対応に改造された上で、Essen - Bottrop、Essen - Wuppertal - Remscheid、Essen - Kettwig - Ratingen - Düsseldorfで78形と共にWendzugに運用された。特に Essen - Kettwig - Ratingen - Düsseldorfの運用では、Essen南部Stadtwaldに勾配区間が存在したため、78形に比べて強力な65形が好まれた。ただし、Wendezugでは基本的に炭庫側が先頭に立ったため、鉄道ファンには不人気であったという。Essenでは1日の運用距離は350-400kmに達し、1カ月の運用距離が14,000kmを超えたこともあった。これはDBのタンク機としては唯一の例であった。1966年5月、Essen Hbfにおける65形の運用は終了し、全車がBw Limburgに転出した。

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 Bw Essenと共に、65形が最も活躍したのはBw Darmstadtであった。65 001-007に加え、1954年に65 008-011が加わり、Frankfurt (M)・Aschaffenburg・Eberbach・Heidelberg・Worms・Mannheimへの列車に運用された。1966年はじめに65 008-011がBw Limburgに移ったが、1969年には065 012-014, 016-018が加わった。しかし、電化の進展で65形の運用は縮小しており、既に1965年には65 007を皮切りに廃車も始まっていた。1970年12月残っていた65形は全てBw Ascheffenburgに移籍した。
 Bw Limburgには1966年初頭に65 008-018が配属され、Gießen・Marburg・Koblenzへの旅客列車やLollar – Londorf間の旅客列車に運用された。しかし、運用にさして機関者数は過剰で、しばしば入換用に用いられた。1968年に65 012と015が廃車となり、1966年から1969年にかけて全車が転出した。転出先は65 008-011がBw Dillenburg、65 013-014, 016-018がBw Darmstadtであった。
Bw Dillenburgでは65 008-011は入換用に用いられ、1年程で65 008はBw Darmstadtに移り、残りの3両は廃車となった。
 65形が最後に配属されたのはBw Ascheffenburgであった。1970年12月にDarmstadtから065 001, 004, 008, 013, 014, 01, 018が転入し、64形と共にMiltenbergへの旅客運用に就いたが、この運用は走行速度が高く、65形には不向きでしばしばトラブルが発生し、1972年4月までに065形は運用から外されたが、暖房用として残った。1972年12月27日最後まで残っていた065 018が廃車となり、置き換えるはずだった78形より一足早く、登場からわずか20年で65形は引退したのであった。
 1975年初頭に065 018がDeutsches Dampflok-Museum ドイツ蒸気機関車博物館に歩残されることが決定した。1981年にオランダのRotterdamに移り、現在も動態保存されている。

 65形のHOモデルとしては、フライシュマンが長らく製品化していたが、2019年にメルクリンがインサイダーモデルとして1965年仕様の65 012 (39650) を発売した。さらに、2022年新製品として1970年仕様の065 001 (39651) をアナウンスしている (おそらくBw Darmstadt仕様)。

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 製品番号39650の1965年仕様の65 012といえば、まさにBw Essen Hbfに配属されていた時代の姿である。Essenの65形が運用されたEssen - Kettwig - Ratingen - Düsseldorfは現在はS-Bahn S6系統となっているが、私は幼少時にこの沿線に住んだ時期があり、Düsseldorfへ買い物に行く際に何度か利用した。また、沿線には旅行に来た祖母が気に入った古城ホテルがあり、5年前のDüsseldorf留学中には妻とここで小さな結婚式を行ったのであった。したがって、この製品は私には見逃せないものであった。

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 高い位置に据え付けられた細めのボイラー、ランボードに吊り下げられた前照灯など、DBの新型蒸気機関車らしいスタイルアは格好良いとは言えないのかもしれないが、何とも愛嬌が感じられる。最近の製品らしくてディテールも繊細、サウンドも豊富で、特に汽笛やブレーキ音は素晴らしい。Wendezugを組んで、78形とともに走らせている。

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DB Baureihe 01.10 (Märklin 37105) [鉄道模型 Maerklin]

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 私は元々蒸気機関車にはそれほど興味がなく、ナローゲージで乗車したことがあった程度であったが、Düsseldorfに住んだ直後にイベントで50形の姿を目にして以来、本線蒸機にも魅力を感じ、滞在中に何度か蒸気機関車牽引の特別列車に乗車した。その中でも、最も印象に残っている機関車が01.10形である。2016年9月3日、愛好者団体Ulmer Eisenbahnfreunden (UEF)によって動態保存されていた01 1066が牽引する列車でMannheimからTrierまで乗車したが、120km/h以上で疾走する姿に圧倒され、この大型急行用機関車に魅了されたのであった。

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 2016年12月には01 1066のさよなら運転にも駆け付けた。

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 その後、EK-Verlagから発売されている„Eisenbahnknoten Düsseldorf“という書籍を眺めていた際に、Düsseldorf Hbfに停車中の01 1066の写真を目にして、益々01.10形に親しみが湧いた。2017年ゲッピンゲンで開催されたIMAを訪れた際に、メルクリン博物館の売店で01.10形のモデル37105がバーゲン価格で販売されており、早速購入したのであった。いつもお世話になっているmasato-marklinさんが01.10形のモデルを紹介されているので、私も便乗して、この37105を実車の詳細と共に紹介したい。

【01.10形について】
 Deutsche Reichsbahn ドイツ国有鉄道は1920年代から急行旅客用蒸気機関車として01形や03形を開発・量産していたが、1930年代になると蒸気機関車の一層の高速化が図られるようになり、最高速度150km/h、さらに500tの列車を120km/hで牽引可能な機関車として開発されたのが01.10形である。最大の特徴は、01形が2シリンダーであったのに対し、3シリンダーとなった点である。外観も空気抵抗を軽減するため、流線型カバーに覆われたものとなった。
 01.10形は400両の導入が計画され、まず1939年から43年にかけてSchwartzkopf・Krupp・Borsig・Henschel・Krauss-Maffeiの各メーカーによって205両が製作される予定であったが、第二次世界大戦の影響で、実際に製作されたのはSchwarzkopfによる55両 (01 1001 / 1052-1105)のみであった。01 1001は1939年8月29日にWildauでドイツ国有鉄道に納入され、1940年9月までに55両が完成した。これらの機関車はドイツ各地、さらに現在はポーランドに属するKattowitzやBreslauにも配属された。しかし、戦況の悪化で物資輸送が優先され、01.10形は活躍の場を奪われていく。1941年には最高速度が150km/hから140km/hに落とされたが、既にこの頃には大半の路線で100km/h程度しか出せない状態となっていた。01.10形は西側に集約され、1945年のドイツ敗戦時にはBranuschweig・Hannover・Göttingen・Kasselに集約されていた。しかし、大半の機関車は運用から外され留置されていた状態であった。結果的に01.10形はドイツ分断時には全車が西ドイツに残り、1949年のドイツ連邦鉄道 Deutsche Bundesbahnに引き継がれることとなった。
 1945年から1947年にかけては10両に満たないKasselおよびGöttingen所属の01.10形が運用されるのみであったが、車両不足のため、その他の蒸気機関車も順次再整備を受け運用に復帰した。さらに、1948年から1951年にかけて車体を覆う流線型カバーが順次外された。これにより、01.10形は正面に給水加熱装置が張り出し、煙室扉の上部が欠き取られた独特なスタイルとなったなり、Witte式除煙板も設けられた。1949年7月の段階ではPaderborn・Bebra・Kassel・Hagen-Eckeseyに45両の01.10形が所属しており、1951年夏までには既に廃車となった01 1067を除く54両がOffenburg・Bebra・Kassel・Hagen-Eckeseyに出揃った。
 しかし、St 47 K鉄鋼で製作された罐の老朽化が想定よりも早く進行し、車齢がまだ若かった01.10形全車について罐の交換が行われることになった。新しい罐はHenschelによって製作され、1953年12月に01 1060の初めて装備され、1956年11月までに全車の交換が終了した。

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 さらに1956年には01 1100が石炭燃焼式から重油燃焼式に改造された。重油燃焼式は経済的で操縦性も良く、機関士の作業軽減にもつながったため、01 1110に加えて、1958年までに01 1001 / 1052 / 1054-1055 / 1057-1061 / 1063-1064 / 1066 / 1068 / 1071 / 1073-1077 / 1079-1082 / 1084-1085 / 1088-1089 / 1092 / 1101-1105の33両が重油燃焼式に改造された。

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 1957年時点では01.10形はOffenburg・Bebra・Kassel・Osnabrück・Hagen-Eckeseyに配属され、重油燃焼式となった機関車の運用も開始され、主要幹線で華々しい活躍をみせた。が、1950年後半から幹線の電化が進行し、さらにE10形電機やV200.1形ディーゼル機関車の増備で、01.10形の運用範囲は徐々に縮小していく。1961年には01.10形の配属はBebra・Kassel・Osnabrückに集約されたが、1963年にはBebraの運用も消失し、Bebra所属機はKassel・Osnabrückに転属した。
 1968年にはナンバリングシステムの改訂で、石炭燃焼式は011形、重油燃焼式は012形となった。1968年3月12日付で012 079が廃車になり、以後01.10形の廃車が本格化する。1970年には01.10形はHamburg-AltonaとRheineの2つの機関区に配属され、Hamburg-Westerland、Rheine-Emden-Norddeichが残された活躍の場となった。1972年夏にはHamburg-Altonaの運用が終了し、Rheineの運用も徐々に縮小した。1975年5月31日01 1100が牽引したNorddeich Mole-Rheine間のEilzug 3260を最後に01.10形は引退し、最後まで残った012 055/061/063/066/075/081/100は6月26日に廃車となった。
 01.10形は55両と生産数が少ない割には引退が遅かったこともあって保存機は比較的多い。しかし、稼働状態にあるのはオランダの団体Stoom Stichting Nederlandによって保存されている01 1075 (重油燃焼式であったが、保存にあたって石炭燃焼式に改造された)のみである。前述した01 1066は2016年12月に検査期限切れで運転を終了し再整備を待つ状態である。01 1104も復活に向けて整備されており、当初は2018年から特別列車を牽引する予定であったが、その後延期され、具体的な復活運転の計画は明らかとなっていない。01 1100も再整備が行われれば、復活する可能性があるが、現在はDB Museum Koblenzで留置されている。01 1102は1996年にオリジナルの流線型スタイルに復元されたが、2004年に重大な損傷を負い、現在はチェコで留置されている。この他、01 1056/1061/1063/1081/1082が博物館などで静態保存されている。
 なお、所属機関区毎の01.10形の主な運用区間は以下の通りである。

BW Paderborn:
Hagen/Hamm/Köln - Kassel/Hannover/Braunschweig/Northeim

BW Hagen-Eckesey
Hagen - Kassel/Köln, Hannover - Braunschweig/Möchengladbach

BW Offenburg
Basel Bad Bf. - Frankfurt(M)/Ludwigshafen/Mannheim/Heidelberg

BW Bebra
Hannover - Frankfurt(M)/Würzburg
Treuchtlingen - Hamburg-Altona
Hannover - Ingolstadt

BW Kassel
Kassel - Hamm/Frankfurt(M)/Bebra

BW Osnabrück
Rollbahn Köln - Münster - Osnabrück - Bremen - Hamburg

BW Hamburg-Altona
Hamburg-Altona - Westerland

BW Rheine
Münster - Emden

諸元: 軸配置 2'C1' h3, バッファー間長 24.130 mm, 全高 4.550 mm, 先輪径 1.000mm, 動輪径 2.000 mm, ボイラー圧力 16 bar, 出力 2350 PS (石炭燃焼式) / 2.470 PS (重油燃焼式), 最高速度 140km/h (後進時 50 km/h), テンダー 2'3 T38

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【模型】

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 メルクリンの37105は1966/67年の01 1054 (新しい罐を装備し、重油燃焼式となった姿)をプロトタイプとしている。メルクリンは1984年に初めて01.10形を発売し、バージョンを変えつつ、これまで何度か製品化されており、この製品は2014年の新製品として発売された。最新の製品ではあるが、基本的な設計はこれまでの製品と変わっておらず、ハイピングなどディテールでは最近の製品に比べて劣ることは否めないが、全体の印象把握は非常に良い。別パーツは殆どないので、私のようなずぼらな人間には扱いやすい。

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 mfxデコーダーを装備し、フルサウンド仕様となっているが、サウンドの種類は長短の汽笛、ブレーキ音、エアポンプ音など現在の水準に比べると物足りなく感じるかもしれない。DCMモーターを使用しているため、牽引力は十分で走行性能も安定しているが、モーター音はやや大きい。ただ、スピーカーが大きいため走行音がモーター音にかき消されることはない。



 ファンクションで特徴的なのは動輪付近の作業灯で、特に機関区を再現したレイアウトでは印象的な光景となるであろう。

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 なお、メルクリンの01.10形についてはmasato-marklinさんが29740を、Akiraさんが3つのバージョン (3310, 3790, 29010)を紹介されている。
 スタイルが良く、頑丈でよく走るということで、私にとって最もお気に入りのモデルの一つである。

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【01 1054について】
 01 1054は1940年2月27日に登場し、Bw Leipzig Hbf Westに配属された。1943年にはBw Breslauに移されたが、1945年5月第二次大戦時には運用から外れ、Bw Hannoverに留置されていた。1949年に流線型カバーを外され再整備を受け、Bw Paderbornに配属された。1952年4月には03.10形と交換する形でBw Offenburgに移った。1954年4月に罐の交換が行われ、さらに1957年11月には重油燃焼式に改造されると共にBw Osnabrückに移籍した。
 Bw Osnabrückでは重油燃焼式の01.10形の運用が1957年秋より開始されており、HamburgやKöln・Würzburgには重油補給設備も設けられた。この頃のBw Osnabrück所属の01.10形はBonn・Bremen・Dortmund・Düsseldorf・Essen・Hamburg-Altona・Hamm・Hannover・ Köln・Münster・Hengrlo (オランダ)への列車に運用されていた。1961年時点ではBw Osnabrückには重油燃焼式20両、石炭燃焼式5両の01.10形が所属し、01.10形の配属が最も多い機関区であった。しかし、1962年以降は電化の進展で運用範囲は縮小していく。1964年にはKölnへの乗り入れが終了した一方で、Rollbahnの旅客列車の運用が増加した。
 1965年時点ではBw Osnabrückには重油燃焼式24両、石炭燃焼式13両の01.10形が所属していた。1966年9月にはOsnabrückより南の区間の電化が完成したが、1968年5月まではDortmundまで乗り入れていた。

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 1968年1月1日、01 1054は012 054に改番された。電化の進展で、1968年にはBw Osnabrückは21両の012形のみが所属していたが、1968年夏を以て全ての運用が終了し、1968年9月012 054を含む11両の012形はBw Rheineに移籍した。1972年3月15日012 054は運用から外れ、1972年7月20日付けで廃車となり、解体された。

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[参考文献]
- Eisenbahn Journal "Baureihe 01.10" 2008年
- Eisenbahn Journal "Die Baureihe 01.10" 1992年
- Jürgen-Ulrich Ebel. "Die Baureihe 01.10. Band 1: Lokomotivlegende zwischen Stromlinieära und Computerzeitalter" EK-Verlag 2010年
- BahnExtra "Von der 01 bis zur 61 Schnellzug-Dampfloks bei Bundesbahn und Reichsbahn" 2018年
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ICE 3 (Märklin 37788)にESUサウンドデコーダーを搭載 [鉄道模型 Maerklin]

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 私が自宅でいつも走らせている模型は何といってもメルクリンのICE 3 (37788)である。サウンド付モデルで走行も安定しており、2編成揃えて楽しんでいるが、先日youtubeの動画で見つけたESUサウンドデコーダーの音が何とも素晴らしくて、1編成はデコーダーを交換することにした。といっても、私にはそんな技術はないので、いつも何かとお世話になっているmasoto-maerklinさんに相談。早速LokProgrammerを使って作業して頂き、本日届いた。

 まずは実物の音。


 そしてESUデコーダーに交換したICE 3


 使いやすいようにファンクションの順番まで入れ替えてもらい、このように素晴らしいサウンドを楽しめるようになった。masato-maerklinさんには感謝。この音を堪能したところで、この週末は実車に会いに行くことにしよう。

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TEE Rheingold-Flügelzug mit BR 112 (Märklin 26983) [鉄道模型 Maerklin]

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 1980年代の西ドイツを代表する列車といえばTEE „Rheingold“ (Amsterdam CS – Basel SBB)であろう。2等車連結によりTEEが次々と格下げされる中、1983年5月より“Rheingold“にはTEE塗装にオレンジ色帯が追加された専用客車が用いられるようになり、さらに夏ダイヤでは一部客車はMannheim Hbfで分割され、Heidelberg・Stuttgart経由でMünchen Hbfまで運転された。1985年夏ダイヤからは分割駅がMainz Hbfに変更され、Stuttgart Hbf・Ulm Hbf経由に変更になると共に、夏ダイヤのみMünchen HbfからSalzburg Hbfへ延長運転されるようになった。
 分割編成には供食設備としてApmh 121を改造したクラブカー (WGmh 854)が"Club Rhiengold"が連結された。分割編成の牽引は1983年当初は110形・111形・112形が担当したが、1985年夏ダイヤより103形の牽引となった。ただし、1985年と1986年に延長運転されたMünchen Hbf – Salzburg Hbfについては112形が用いられた。しかし、1987年5月30日にはTEE “Rheingold“は運行を終了した。それはドイツにおけるTEEの終焉でもあった。

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現在も保存されている112 488

 Märklinの新製品26983は1986年夏ダイヤでSalzburg Hbf発の“Rheingold“分割編成TEE 16を再現したセットである。当時の“Rheingold“の編成についてはAkiraさんが詳しく紹介しているので、そちらをご参照頂きたい。
https://maerklin-kiste.blog.so-net.ne.jp/2018-06-22

 牽引機は112 488、1等コンパートメント客車Avmz 111.1が2両、クラブカーWGmh 854と1等オープン客車Apmz 122が1両ずつの構成である。112 488は1968年に登場し、最高160km/hに対応した高速機であったが、老朽化に伴い、1985年より最高1985年に140km/hに制限され、1988年に114形に、さらに1993年に110形となった。2011年に廃車となったが、その後往年のTEE塗装に戻され、現在も保存されている。一方、WGmh 854 “Club Rheingold“は“Rheingold“廃止後改造を受け夜行列車に用いられた。現在も動態保存された車両がDB Museum Koblenzのイベント列車などで用いられている。

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WGmh 854 "Club Rhiengold"

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現在の"Club Rhiengold"の車内

 112形はバージョンを変えながら、これまで何度も製品化されており、独特の形状がよく再現されている。もちろん、mfxデコーダー・フルサウンド仕様である。サウンドも進化してきており、今回は“Rheingold“の案内放送も収録されている。屋根機器も精密に再現されている。

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 客車は室内灯が付いている。Avmz 111.1とApmz 122は1/93サイズの従来品と同様である。すでに購入している80年代ICと並べるとちょうど良い。

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Avmz 111.1

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Avmz 111.1

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Apmz 122

 一方、WGmh 854はこれまで古いAde製品しかなかったが、ようやくメルクリンから発売
された。こちらもmfxデコーダーとサウンドが搭載されており、車内放送や名所案内、さらに民謡「ローレライ」まで収録されていて、非常に楽しい。"Club Rheingold"のロゴも美しく再現され、サボもSalzburg - Emmerich / Amsterdam CS行TEE 16となっている。

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 走行は極めてスムーズで、室内灯のちらつきも少ない。

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 103形の牽引するICと一緒にこのTEE „Rheingold“を走らせると、幼少時を過ごした西ドイツの80年代の光景が蘇ってくる。こうなると、“Rheingold“の本編成、TEE 15 Basel SBB行の発売も期待したいものである。

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DB Baureihe 403 / ICE 3 (Märklin 37788) - 3 [鉄道模型 Maerklin]

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 今年の新製品であるICE 3の増結中間車3両セット43735が届き、ICE 3が8両フル編成になった。やはり、ICE 3は8両編成でないと様にならない。早速動画を撮った。



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 さすがはドイツ鉄道のフラッグシップである。また実車に乗りたいものである。

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DB Baureihe 403 / ICE 3 (Märklin 37788) - 2 [鉄道模型 Maerklin]

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 ICE 3がメルクリンから最初に発売されたのは実車のデビュー前の1999年である。最初に多電源式の406形が製品化され、2003年に単電源式の403形が発売された。さらに、2008年にはフランス直通用の406形が発売されており、今年の新製品である37788は4番目のICE 3の製品ということになる (他国の仕様や架空モデルを除く)。2003年に発売された403形製品(37783)や、2008年発売の406形製品(37786)に比べると、実車に変化に合わせ細かい変更が加えられている。
 37788はICE 3 (403形)の2011年、つまり現在の最新の姿をモデル化した製品である。編成は403形の1次車Tz 334、編成名は”Offenburg”である。この編成には昨年12月30日にBasel SBBからKöln Hbfまで乗車しており、愛着が涌く。

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新しい字体のICEロゴ。

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無線LANサービス”HotSpot”に対応することを示すステッカーと側扉に入れられたDBロゴ。編成名は”Offenburg”。

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UICナンバー

 それにしても、標記類の精密さには息を呑むばかりである。編成番号を示す”Tz 334”や編成長を示す”200.84m”、”DB Fernverkehr AG”、所属基地である”München”、さらに誇らしげな最高速度”330”まで、カメラでの拡大画像でも実車通りにはっきりと読む取ることができる。

ファンクションはそれ程多くないが、必要十分といったところである。
F0 前照灯・尾灯・室内灯
F1 ハイビーム
F2 走行音
F3 警笛
F4 ABV (漸次加速)オフ
F5 ブレーキ軋み音オフ
F6 車掌笛
F7 駅アナウンス (ドイツ語)
F8 駅アナウンス (英語)
F9 閉扉音


 特徴的なのは走行音である。ESUとの大きな違いは、発車時にキーッというブレーキ緩解音が収録されていることである。この音は実車ではかなり目立つ。メルクリンのフルサウンドモデルはしばしば音量が小さいが、このICE 3については運転会で「うるさい」と言われたくらいなので、その心配はない。

 実車の動画で確認していただこう。ちなみに前8両は今回のモデルになったTz 334編成である。)


 製品状態で十分に満足できるが、少しタッチアップを加えた。
- 3つの前照灯のうちの真中の前照灯の周囲を銀色に塗装。
- 運転室ガラス上部への日除けの設置、運転手。
- 連結器カバー周囲・前照灯周囲・側面・補助空調装置のフィルターへのスミ入れ。
 ただし、製品の魅力を活かすため、特にスミ入れは薄く行う程度に済ませた。

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 下の写真の右が製品状態、左がタッチアップ後の姿である。

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 最後にICE 3の離合を。まだ増結中間車が届いていないのが残念だが、格好いいの一言だ。



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Hbf運転会 [鉄道模型 Maerklin]

 4月21・22日は、毎年恒例となった、よしゆきさん主催”Hbf”の運転会。 今回は3線式HOのオーバル3線を中心に、Nゲージ、Zゲージまで揃い、ゆっくりと運転を楽しむことができた。

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 hikariさんはマイワールドのICEに増結車を連結。何とメルクリンのICEの食堂車から改造したというから恐れ入る。動力も電池ではなく、線路から給電可能としてある。この他にも、写真は撮り損ねてしまったが、モーターをチェーンアップしてスピードアップしたマイワールドも用意されていた。問題は発熱のため1週しか走行できず、カーブでは必ず脱線してしまうこと。それでも、hikariさんの遊び心と技術力には脱帽。

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 今回はアナログのメルクリンにも魅了された。

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無骨なスイスの電車。今の車両にない重厚感がある。

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もうアンティークと言えそうなE18牽引のセット。本当に良い雰囲気。

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Ep.Iの電車。このような重厚感は現代の車両にはない魅力である。

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E44

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登場したばかりの今年の新製品、ラインゴルトを牽引したE10.12。早く客車を牽引するところを見たい。

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SCHIMMEL塗装の客車。実際にピアノの演奏を楽しめる。

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フランツ・リスト塗装のTaurus

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189形のdispolokバージョン。

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Nゲージではフライシュマンの103形

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VVOバージョンのDesiro。

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垢抜けないTalent 2も模型で見るとなかなか良い。

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Thalys PBKA

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HARIBO編成。ここまで揃うと見事。

私はこんなPP編成を組んでみた。
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110形。ローカルで余生を過ごすちょっと寂しげな雰囲気が魅力。

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ドイツで最も見る電機といえば143形。一台は欲しい存在。


そして、もちろん届いたばかりのICE 3。
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こちらは製品そのままの状態。

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こちらは運転手をのせ、スミ入れしたバージョン。スミ入れはちょっと濃すぎるか。もう少し研究せねば。

 いろいろと遊んでいるうちに、時間はあっという間に過ぎてしまった。お世話になった方々に心から御礼を申し上げたい。

DB Baureihe 403 / ICE 3 (Märklin 37788) - 1 [鉄道模型 Maerklin]

 ICE 3は単電源式の403形が50編成、4電源式の406形が17編成 (13編成はDB、4編成はNS所属)が製造された。それぞれ魅力があるが、私はドイツ国内で乗車する機会が多い403形により親しみを感じている。パンタグラフが少なく、屋根上もすっきりして、より流麗な印象を与える点も良い。ICE 3も細か仕様はかなり変わっていることだし、そろそろ403形で現行仕様のICE 3を出して欲しいと思っていたが、嬉しいことに今年の新製品で発売となったので、早速入手した。

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 ICE 3MF (37786)と同様の手堅い造りであるが。嬉しいのはフルサウンド仕様となった点である。詳細は今後紹介していくとして、まずは動画を掲載する。



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新居でミニ運転会 [鉄道模型 Maerklin]

 職場が変わったのに伴い、文京区湯島から市川市に引っ越した。新居はメゾネットタイプで以前よりかなり広くなったが、特に嬉しいのは6畳のロフトもあることだ。ある程度荷物をおくにせよ、普段使うスペースではない、そうなると・・・・線路を敷くしかない。
 31日午後、悪天候の中をHbfのメンバー数名にお集まり頂き、ミニ運転会と相成った。

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 複線オーバルを楽しむには十分なスペースだが、ICE 3のフル編成を走らせることを考えると、直線がもう少し長く取りたいところかもしれない。

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 よしゆきさんのE44。こういう重厚な機関車も集めたくなってしまう。

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 タブレットさんの294形。私も最近貨物列車にひかれているので、この機関車はとても魅力的。

 夜はもちろん飲み会。ビールにワインを堪能しながら鉄道話も楽しいもの。
 勢いに乗って、今日はポイントを買い足し、デジタル化も済ませ、線路も拡張して運転を楽しんだ。

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 非電化区間の光景。架線がないときは、こういう楽しみ方も良いですね。

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 新たに購入した143形とICE 3の並び。

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 ヤードの光景。

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 ICE 1・ICE 3と待避中の143形牽引のローカル。

 日常的に運転できるスペースがあるのはとても楽しい。今後、直線区間だけでも架線を用意するなど、少しづつ進化させたいものである。

MaK Typ DE 1002 HGK (Märklin 37630) [鉄道模型 Maerklin]

 私は元々鉄道模型を2線式DCで集めていた。3線式ACを始めたのはデジタルを手軽に楽しみたかったからであるが、集める対象はICEのみ、というごく狭い範囲に抑えるつもりであった。しかし、今や収集対象はEp IV~VIまで広がり、ICEのみならず、旅客列車全体に広がってしまい、唯一貨物列車だけは手を出したらキリがないと我慢していた。
 ところが、ドイツに行くと次々と行き交う貨物列車の数々にも魅力を感じるようになった。以前ここで紹介した”RailCologne”という本のヤード写真を見て、もはや我慢が出来なくなり、今回初めて貨物専用機を導入した。

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 購入したのはDBではなく、プライベート・オペレーターであるHGKのディーゼル機関車DE 1002である。HGKは正式名称をHäfen und Güterverkehr Kölnといい、Stadtwerke Köln GmbHの子会社であるが、4割の株はケルン市が持っている。名前の通りケルンを本拠に、貨物輸送および港湾での貨物取扱を担っている。最近はBombardier製TRAXXも導入し、長距離貨物輸送にも意欲的に進出している。
 KielのMaK社製のMaK DE 1002は24両が製作され、うち16両がHGKで使用されている。非対称の凸型の車体が特徴である。軸配置はBo'Bo'で、MWV製の出力1,320kWのエンジンを搭載し、引張力90t、最高90km/hの性能を有する。HGK用の16両は1986年から1987年、および1993年に製作され、DE 71-76 / DE 81-86 / DE 91-94を名乗る。

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 モデルは発売になったばかりの2011年限定品で、2両重連のセットである。このモデルが発表になった時、私の好きなKölnを本拠とするHGKの機関車ということで、思わず注文してしまったのである。

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 ナンバーはDE 71とDE 84が選択されている。2両の機関車は4極導電カプラーで結ばれるが、これは連結も解結も大変である。

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 ディテールは比較的あっさりとしているが、この機関車の特徴である、車体を取り囲む手摺はきちんと再現されている。ただし手摺はプラスチック製で、収納時などの取り扱いには注意が必要であろう。表記類はいつもの通り細かく再現されている。2両の両端の前照灯・尾灯が点灯し、それぞれを消灯するファンクションも設けられている。

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 動力はDE 84、サウンドスピーカーはDE 71に搭載されている。走行は低速からなめらかで、比較的静かである。サウンドは走行音と警笛のみである。走行音はV200と同じではないか、という意見もあるようだが、なかなか迫力のあるディーゼル・サウンドで、余程こだわりが強い人を除けば、十分に満足できるレベルであろう。ただ、サウンドがやや小さいのが残念なところである。

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 短距離の貨物列車として、あるいはヤードでの入換用として、様々な貨物シーンに似合うモデルで、今後運転会で走らせるのも楽しみである。
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