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ドバイ・デュッセルドルフ・クアラルンプールを巡った11月 [世界鉄道旅行記]

 9月のある日のこと、ドバイで開かれるミーティングに参加しませんか、という話が来た。中東はまだ一度も行ったことがないので興味はある。仕事も調整できそうなので、上司に相談したら面白そうだし是非行ってみたら、とのこと。
 11月15日、一日の仕事を終え、ミーエィングに参加した後、22時前に羽田空港へ。遅い時間だが、深夜便の利用客でターミナル内はにぎわっている、うどんとビールで遅めの夕食を済ませ、エミレーツ EK313便のB777-300に乗り込む。機内は見渡した限りではほぼ満席の様子、後で聞いたところでは比較的気温が低く過ごしやすいドバイへの観光はこの時期が人気があるとのことであった。

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 定刻の0時30分に出発した便は0時49分には離陸する。水平飛行に入り、ミールサービスが始まったのは午前2時過ぎ。この時間の食事が身体に良いとは思えないが、チキンをメインとする機内食を赤ワインとともに楽しむ。食事が終われば、あとは眠るだけである。狭いエコノミークラスの座席、いつも寝苦しいが、断続的に3~4時間程度は眠ることができた。搭乗した機材は比較的新しかったようで、機内エンターテインメント・システムも最新式、画面は大きいし、タッチパネルの感度も良好、プログラムも驚くほど充実している。郷に入らば・・・・ということで試しにBGMにアラブ音楽をかけたが、こちらは馴染めず、結局バッハとシューマンを聴く。

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 到着2時間ほど前に朝食のサービス、こちらもホットミールである。エコノミークラスでも上質のサービスを提供するとPRするエミレーツの真骨頂かもしれない。アフガニスタン上空を抜け、オマーン湾を超えるとドバイは近い。今まで縁のなかった地域だけに、マップに登場する都市名が新鮮である。山岳地帯から砂漠へと印象的な光景を眺めるうちに飛行機は着陸態勢に入る。一旦、ペルシャ湾に出て海側から進入、右にブルジュ・ハリファをはじめとする摩天楼を見ながら、現地時間午前7時12分にドバイ国際空港に着陸した。

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 A380をはじめ、エミレーツ自慢の大型機が並ぶターミナルには圧倒される。11時間のフライトを終え、機外に出ると、ターミナル内のスケールも大きい。そこを色々な民族の人が行き交い、広告にはアラブ文字が踊り、異国にきた気分を盛り上げてくれる。この雰囲気は私は好きである。

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 入国審査は比較的スムーズ、スーツケースもすぐに受け取ることができ、出口で迎えのタクシーに乗り込む。外は30度以上の暑さである。空港からホテルまでは10分程と近い。まだ朝早いが、部屋は抑えてもらってあり、少々待ったがチェックインできた。待たせたから、ということでアップグレードしてくれたようで、一人で使うのが躊躇われるような大きな部屋である。シャワーを浴びて一休みした後は、ミーティングが始まるまでの時間を利用し、ドバイメトロを乗りに行くことにする。
 ドバイメトロは2009年に開業し、現在は2路線、全長74.6kmの規模を誇る。三菱重工など日本のメーカーが開発・製造に大きな役割を果たし、車両も近畿車輌製である。ホテルからメトロ・グリーンラインのHealthCare Center駅までは暑い中を歩いて5分程、名前の通り、辺りには巨大な病院が立ち並ぶが、金曜日ということもあってか、不気味なほど人気がない。駅には小さな売店や、生絞りオレンジジュースの自動販売機が設けられている。自動改札の中央に友人ゲートがあり、一人の駅員が案内にあたっている。ドバイメトロは一般車両の他、女性子供専用区間、およびゴールドクラスと呼ばれる上級クラスがある。メトロはかなり混雑するということなので、不慣れな私は念のためゴールドクラスを買っておく。近代的なプラットホームにはホームドアが設けられている。5分程で列車が到着、ゴールドクラスに乗り込むと乗客は皆無である。

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 空いているし、せっかくだから他の車両を見ておこうと、隣の車両に移動するが、これが間違いのもと。気が付かなかったのだが、実はそこは女性子供専用区画だったのである、といってもここも乗客はいなかったのだが、一般車両との境界で係員が一人の乗客と話していて、その係員に、罰金を支払ってもらうから、ここで待っていなさい、とのこと。係員と話していた乗客も観光客でそれと知らずにこの区画に入り、罰金を支払っているようだ。次の駅で一気に乗客が乗り込んできたが、家族連れや観光客に関係なく、この区画に少しでも立ち入った男性に対して、係員は問答無用で罰金と告げられていた。何でも、キャンペーンを兼ねているらしい。結局、10人近くなった違反者はレッドラインとの接続駅である、次にブルジュマーン駅で全員下され、改札口まで連れていかれて、順番に罰金徴収。結局、120AED (約3700円)をクレジットカードで支払い、最後に女性専用区画に入ってはいけないことは理解したでしょう?と言われたところで、ようやく解放。20分以上のロスタイムとなった。
 気を取り直して、レッドラインに乗車し、ドバイモール駅へ向かう。レッドラインは列車本数が多いものの混んでおり、ゴールドクラスも満席であった。摩天楼の立ち並ぶ光景は壮観そのもの、ブルジュ・ハリファも次第に間近に迫ってくる。一方で外を歩いている人の姿は驚くほど少ない。最高50℃近くまで上がる土地柄ゆえ、街自体が外を歩くような設計になっていないのかもしれない。その代り、車内も建物の室内も冷房はよく効いていて、暑がりの私でも寒く感じるくらいであった。ドバイモール駅へは15分程で到着する。

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 ブルジュ・ハリファに昇るのは無理だとしても、ドバイモールくらいは見たかったが、先程の一件で時間の余裕はなくなった。すぐにモノレールで折り返し、ホテルへ戻る。

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 昼食の後はミーティングで缶詰、19時からの夕食の会場はテラスであった。この時間になると30度を切って涼しくなっており、乾いた心地良い風が吹いていた。ミーティング会場で偶然に再開した友人とホテルのバーでワイン、イスラム圏でアルコール類は高いというのに、二人でついワインを2本開けてしまった。
 翌11月17日も朝食の後はミーティングが続く。昼前に予定を終え、タクシーでドバイ国際空港へ。ここから帰国便・・・・ではなく、フランクフルト行EK047便に乗る。
 ドバイ行きが決まり予定を調整していた時のこと、よく考えたらドイツはドバイに近いではないか (日本よりは・・・・)、ということに気が付いた。上司に許可をもらって休暇を取り、ドバイの帰りにドイツに立ち寄ることにしたのである。しあもチェックイン直前にメールが届き、比較的リーズナブルな追加料金でアップデート可能とのことで、友人の勧めに従いビジネスクラスに変更してあるのだ。A380のビジネスクラスに登場する機会などそうそうないので、楽しみにしていた。

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 ターミナル内で時間をつぶした後、憧れの2階席に乗り込む。エコノミークラスとはっ別世界、フルフラットになる大きな座席にはミニバーやいくつもの収納が備えられている。席に着いたら、すかさずウエルカムドリンクのシャンパン。サービスに余念がない。

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 定刻に出発、もやのかかったドバイ市街を見ながら離陸し、飛行機は北西へと向かう。

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 しばらくして食事サービス。ドイツのリースリングワインにサーモンの前菜、そして2種の赤ワインと共にビーフステーキ。確かに美味しいが、特にステーキは町のレストランの方が美味しいだろうし、快適そのものだが、そもそもこういう世界に慣れすぎるのもなあ、というのが正直な感想。どこか貧乏性なのか。デザートに果物をもらって食事を終え、しばらくフルフラットで休んでみるが、エコノミークラスに乗り慣れた身にはあまり落ち着かない。ビジネスクラス後部にはミニバーもあり、ここのソファーから景色を眺めつつビールをさらに一杯。

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 飛行機はイラク上空からトルコへ抜け、もうヨーロッパに入っている。火は完全に沈み、夜になった。ドイツに入ると、フランクフルトは近い。現地時間18時09分、フランクフルト空港に着陸した。

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 約9か月ぶりのフランクフルト空港である。入国審査も荷物の受け取りもスムーズに済み、まずはSkyLineに乗って第1ターミナルに移動、ここでハンブルク在住の友人Mさんと合流する。30度以上のドバイから来ると、最高10度にもならないドイツは寒い。
 まだ、乗車予定のICEには時間があるが、空港長距離駅Frankfurt (M) Flughafen Fernbahnhofへ向かい、停車中のICE 4を撮影する。コンコースに戻って、スーパーで買い物を済ませた後は再びホームで発着するICEを撮影する。

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 20時25分発ICE は5分程遅れて到着、ICE 3、403形の2次車Tz 355編成” Tuttlingen”である。ICE 3は以前紹介した通り、順次更新工事が行われており、食堂車がBordBistroからBordRestaurantへ変更され、レストラン部が拡張されているが、この編成は更新前でレストラン部の席は少ない。それでも4人席に一人で座っている年配の男性に断って、相席ながら無事に席を確保できた。

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 空港駅を出発して、高速新線SFS Köln-Rhein/Mainを加速していくと、しばらくしてオーダーを取りに来たので、まずは生ビールを注文する。グラスで飲む生ビールはドイツ鉄度の旅の楽しみの一つ。夕食には、素朴な味だが、こういうドイツ料理はとても美味しい。さらにドイツワインを楽しんでいるうちに列車はLimburg Südを通過する。勾配やカーブが連続する高速新線を300km/hで走っても安定した乗り心地はいつもの通りである。

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 Montabauerを通過すると複線の反対側に転線し、スピードを落としていく。この辺りは10月○○日に発生した火災現場である。ICE 3のTz 326のうち、中間車403 126から火災が発生した。被害は避難時に2人が軽傷を負っただけで済んだが、当該車両は全焼し、軌道も大きく損傷した。原因は今のところ調査中だが、変圧器が主因と疑われているようだ。暗くて現場の様子はよく分からなかったが、しばらくして再び転線し、再び加速していく。Siegburg/Bonnを通過すると最高200km/hの改良新線区間である。DBは停車駅を絞り速達化した列車をICE-Sprinterと呼称しているが、この列車もその一つ。高速新線上の駅をすべて通過し、折り返しが必要なKöln Hbfの代わりにKöln Messe/Deutzに停車する。ドイツ第4の都市Kölnだけに、中央駅でなくとも降りる客は多く、車内は大分空いた。ちょうど、鉄道模型のイベントIMAが開催中のメッセ会場の横を抜け、最高200m/hで在来線区間を駆ける。ドイツに住んでいた2年弱の間、Köln-Düsseldorf-Duisburg-Essen-Dortmundを結ぶ幹線は最も行き来しただけにてもどこを走っているのが分かる。Langenfeldを過ぎると、もうDüsseldorf市内である。減速し、大きく右にカーブするとDüsseldorf Hbdf、10分程遅れて、21時45分の到着である。

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 駅構内のスーパーに立ち寄った後、S-Bahnで一駅のDüsseldorf-Wehrhahn駅へ。近くにできた新しいホテルにチェックインする。私はこのすぐ近くに住んでおり、ホテルが建っていく様を見ていたので、一度は泊まりたかったのである。最上階はバーになっていて大人気のようで、この時間でもエレベーターを待っている人がかなりいた。荷物を置いて、まずは近くのドイツレストランBrauereiausschank Frankenheimへ。ここはアルトビア Frankenheim Altの醸造所直営レストランで、家から近く料理もなかなか美味しいのでよく通っていたのである。久しぶりのアルトビアは最高である。

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 ホテルの部屋はフランスをテーマにしたモダンなデザインで、やや落ち着かない雰囲気であったが、快適であった。
 翌朝は暗いうちにホテルで朝食を済ませる。眺望が良く、住んでいたアパートはもちろん、Düsseldorf市内を一望できる。朝食なのにシャンパンや生ガキまで提供されていて、Mさんもすっかり気に入ったようで、Düsseldorf出張の際にはこのホテルを使うとのこと。

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 チェックアウトを済ませ、、すぐ近くのアパートまで散歩した後、Wherhahn駅へ。S-Bahnで一旦中央駅まで行き、コインロッカーにスーツケースを預けた後は再びS-Bahnで北へ向かい、Düsseldorf-Derendorfへ。この駅から10分程歩いたところにある私の通いなれたポイントで、しばらく撮影する。ただし、5度程度の気温でかなり寒く、無理はせず、近くのマクドナルドで休みながら1時間ほどで引き上げる。

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 時間の関係でタクシーを呼び、市の中心部にあるCafé Heinemannに立ち寄る。妻に頼まれており、ここでチョコレートをまとめ買いする。Berliner Alleeの停留所からは709系統のトラムに乗り、5分程でDüsseldorrf Hbfに戻る。

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 スーツケースを取り出し、ホームへ。ここから11時08分発München Hbf行ICE 625に乗車する。この列車はルフトハンザとドイツ鉄道が実施しているAIRail Serviceの対象で、LH3511便というルフトハンザの便名も付けられている。ICE 3、403形のTz 359 „Leverkusen“による8両編成である。先頭になるはずの1等ラウンジ席を予約してあったが、今日は編成が逆になっている。また、運転室との仕切りガラスもスモーク状態なので、空いている1等席に適当に座る。

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 列車はほぼ定刻に発車、短いDüsseldorf滞在もこれで終わりである。編成名の由来であるLeverkusenを通過し、Köln Mess/Deutzに停車する。ここでかなり乗客が増えたが、それでもまだ空席がある。旧西ドイツの首都だったBonnの郊外にあるSiegburg/Bonnにも停車し、さらに乗車がある。ここからは高速新線に入る。昨日も通過した火災事故現場付近は今日から複線運転に戻っているが、まだ徐行を要する。現場付近を過ぎると、まもなくMontabauerである。列車はさらにLimburg Südにも停車する。1時間に1本程度のICEは停車するとはいえ、駅周囲は建物がほとんどなく、静かだ。それでもある程度の乗車はある。Limburgの市街地の中心にあるHbfからFrankfurt (M) Hbfまでは約1時間かかるが、ICEだと直接ドイツ各地に向かうことができるだけに、一定の需要があるのだろう。Limburg Südを発車すると再び加速し、300km/hでラストスパート、2分程遅れた12時35分にFrankfurt (M) Flughafen Fernbahnhofに到着する。

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 ホームに降り立つと親友のSさんが待っていた。彼はドイツ鉄道で働き熱心なドイツ鉄道ファンである。ドイツに滞在していた時に何度か一緒に出掛けたし、家族ぐるみのつきあいで、帰国してからも頻繁に連絡を取り合っており、今日はわざわざ休暇を取ってくれたのである。久しぶりのドイツだから何でも付き合うというMさんとSさんの言葉に甘えて、スーツケースを預けた後、タクシーに乗り、空港から15kmほど、高速新線上にあるWeilbach付近の撮影ポイントへ。アウトバーンを200km/h近い速度で飛ばし、10分程で到着する。どうやら高速新線で人が立ち入ったようでICEに遅れが出ており、結果的に本来の予定よりも多くのICE 3をまとめて撮影することができた。運が良いと言って良いのだろうか。

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 14時20分頃まで撮影を楽しみ、田園の中を15分程歩いてWeilbachの市街地へ行き、ここからタクシーで空港に戻る。

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 15時過ぎには到着し、まずはチェックインを済ませる。あとはターミナル内のレストランに入り、出発まで早めの夕食を摂りつつ、ビールを酌み交わす。日本の鉄道が大好きなSさん、日本のローカル鉄道のこともよく知っており、Mさんが驚いていた。ドイツ鉄道について話すのも楽しいというものである。名残は尽きないが、16時半時過ぎに二人と別れ、出発ゲートへ進む。搭乗する羽田空港行LH 716便は、パイロットの目視点検でノーズギアから液体漏れが見つかり念のため部品交換を行ったそうで、定刻17時55分のところを30分程出発が遅れた。

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 LH716便はBoeing 747-8による運航である。ほぼ満席の機内で後方窓側に座る。離陸すると、まもなく安定飛行に入る。機内Wifiにつなげると、Sさんからメッセージが入る。彼の自宅があるSchweinfurtにREを乗り継いで向かっているようだが、この飛行機は彼を追い抜き、Schweinfurt上空をあっという間に過ぎる。

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 夕食は白ワインと赤ワインでポークカレーを選択。ワインをなみなみと注いでくれるのはルフトハンザの良いところである。食後はしばらくWifiを楽しむ。接続状況やコストパフォーマンスはANAやエミレーツよりも良い。

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 食後はできるだけ休むことにする。機内で寝るのはあまり得意ではないが、今回は疲れていたのか、いつも以上によく眠れて、目が覚めると到着3時間前となっていた。マップを見ると、南寄りのルートを飛んでいたようで中国上空であった。朝食が配られ、まもなく日本海上空へ。佐渡島から新潟県へ入るとまもなく高度を落としていき、11月19日13時30分頃に羽田空港に到着した。

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 20・21日と出勤し、22日今度は成田空港へ向かった。京成線の特急に揺られて1時間程で成田空港へ。まずは11時20分発SQ637便でまずはシンガポールへ飛ぶ。シンガポール空港を使うのは実に33年ぶりである。機材は最新鋭のBoeing 787-10である。

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 搭乗口の隣はDüsseldorf行のNH209便、あちらに乗りたくなるが、そうもいかない。出発便で混雑しているとのことで待たされたが、NH209便を追いかけるように離陸して南西へと進んでいく。

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 まずはスナックとビールのサービス、タイガービールは美味しい。約7時間のフライトの真中でランチのサービスがある。白ワインと共に食事を済ませる。

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 エンターテイメント・システムも充実しており、タッチパネルの反応も良好で、この辺りは定評のあるシンガポール航空だけのことはある。Wifiは接続は安定しているが、やや高価で容量も少なめ。それでもMさんとやり取りをする。彼はシンガポールで幼少期を過ごし、シンガポール航空をこよなく愛する航空マニア、いろいろと情報を教えてくれる。機窓からは東南アジアの景色が広がる。ティオマン島を通過し、マレー半島を右に見ながら、ジョホール州からインドネシア領のバタムビンタン島の上空を通過し、大きく旋回して東側から17時45分にシンガポールチャンギー国際空港に着陸する。

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 飛行機を降り、次にクアラルンプール行SQ118便に乗り換える。乗り換え時間は50分程しかないが、SQ118便の搭乗口までは徒歩で10分もかからず、余裕があった。実に便利な空港である。SQ118便はA350による運航である。すぐ後方にはルフトハンザのA380も止まっている。やはりあちらに乗りたくなるが、A350もなかなか魅力的である。

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 SQ118便は18時40分に出発、München行のA350もタキシングをはじめていた。まもなく日の入りの時間、暮れ行く東南アジアの光景も素晴らしい。クアルルンプールまでは1時間もかからない短距離フライト、ベルトサインが消えるとすぐに飲み物サービスがあり、オレンジジュースをもらう。飲み物が配り終える前に容器の回収が始まり、まもなく着陸態勢となる。19時40分にクアラルンプール国際空港に到着する。



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 マレーシアは入国審査がやや厳しいようで、時間がかかる。それでも特に問題なく済み、スーツケースも無事に受け取って、ターミナル地下へ。ここから空港鉄道で市内へ向かう。Express Rail Linkが運行する空港鉄道にはノンストップのKLIA Ekspresと KLIA Transitの2種があり、KLIA Ekspresに乗車する。車両はSiemens製のET425M形と中国中車長春軌道客車製Equater形の2種があり、いずれも連接式の4両編成の電車であり、最高160km/hで走る。この列車はEquater形による運行である。残念ながら、外は暗く、車窓風景は望めない。ターミナル駅KL Sentralには28分で到着する。

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 駅前にあるHilton Kuala Lumpurにチェックインする。あとは夕食、ビールの一杯でも飲みたいところだが、イスラム圏のマレーシアではアルコールを扱っていない店も少なくない。それでも駅近くの中華料理店でビールにありつけたのであった。

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 11月23日、朝から熱帯の美しい都市風景をホテルから眺めた後、コンベンションセンターKLCCで開催された学会に参加する。間近にそびえ立つツインタワーを眺めながら大いに刺激を受けた1日を終え、巨大ショッピングセンターに驚きながら、KLCC駅へ。街の巨大さと人の多さには驚くばかりである。

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 KLCCからは満員のLRTに乗る。列車は全自動運転、ホームドアも設けられており、3~4分ごとの高頻度運転であるにも関わらず、ほぼ満員の混雑である。印象としては大江戸線に近いが、地上に出て高架も走る。昔のマレーシアの鉄道のターミナルであるクアラルンプール駅を横に見て、KL Sentral駅に着く。

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 ホテルに一旦戻った後、屋台が立ち並ぶアロー通りに向かうべく、KLモノレールに乗る。2003年に開業したモノレールだが、LRTよりは大分古く感じる。やや揺れるが、利用客はやはり多い。Bukit Bintang駅で下車し、歩いて5分程のアロー通りへ。まだ早めの時間だが、人気のお店は混んできているようだ。ここで2店を梯子しながら、夕食を楽しみ、LRTを乗り継いでホテルへ戻った。

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 翌日は中華街で朝食を摂り、LRTで再びKLCCへ向かう。

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 午後まで学会に参加した後は、帰国前に空港鉄道を楽しむことにする。まずはLRTでKL Sentralへ戻り、空港鉄道の各駅停車KL Transitに乗車することにする。その前にホームでKL Ekspressに運用されるET425M形を撮影する。この電車はドイツ各地で活躍するSiemen製の425形をベースに開発され、機器もほぼ共通で最高160km/hの性能も同様である。ドイツ生活の間に何度も利用した馴染みのある425形とほぼ同型ということで、このET425M形をつぶさに観察したかったのである。前面形状はオリジナルよりスマートな印象だが、発車音は全く同じだ。

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 乗車するKL TransitはEquater形による運行、一駅目のBandar Tasik Selatanには8分程で到着する。

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 折り返しのKL Transitには念願のET425M形がやってきた。入線シーンを撮影した後は乗り心地と走行音を楽しむ。BGMがかかっている以外は、ドイツの425形そのものである。

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 KL Sentralで下車し、ホテルに立ち寄ってスーツケースを引き取った後、再び空港鉄道のKL Ekspressに乗車し、空港に向かう。車内はシートモケットのデザインこそ違うが、トイレや連接部のデザイン、座席配置などは425形と共通しており、ドイツの趣がそこかしこに感じられる。

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 発車するとマレーシアの在来線に相当するKTM Komuterとしばらく並走する、こちらは標準軌だが、向こうは狭軌である。市街地を抜け、中国製の電車を追い抜くと、スピードが上がり、最高160km/hの性能を発揮する。連接車独特の乗り心地が楽しい。車窓風景はドイツとは全く異なる熱帯雨林、これはこれで見応えがある。



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 国際空港KLIAには定刻に到着したが、時間に余裕があるので、そのままLCCが発着するターミナルに隣接するKLIA2まで乗り通し、折り返してKLIAで下車して、楽しい空港鉄道の旅を終えた。今回は時間がなかったが、次回はマレーシアの在来線の旅も楽しみたいものである。
 空港ターミナルは混雑し、雑然とした雰囲気である。土産にドリアンチョコを購入した後、チェックイン手続きを済ませたが、出発までは2時間以上ある。とはいえ、座る場所もあまりないので、出国審査を済ませ、制限エリア内に進む。

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 レストランで焼きそばを食べて小腹を満たし、さらにビールを一杯飲んで時間をつぶす。搭乗するのはシンガポール航空のSQ119便で、機材はA350である。シンガポールからの到着が15分程遅れ、慌ただしく搭乗したが、ドアクローズの後もなかなか動き出さない。すると機内放送が入り、2本の滑走路のうちの1本が閉鎖されており、混雑で遅延するとのことであった。結局、20時30分発のはずが、離陸できたのは22時過ぎであった。

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 飲物のサービスが終わると、まもなく着陸態勢、左の機窓にはシンガポールの美しい夜景が広がり、チャンギ国際空港に到着した。

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 飛行機を降りると、入国審査はすぐに終わり、スーツケースもすぐに受け取ることができた。飛行機を降りてわずか10分程、チャンギ空港の便利さには驚くばかりである。もう23時30分になろうとしているが、何とかシンガポールの街を少しでも見て、夕食を摂りたい。本当はモノレールを使うつもりだったが諦め、タクシーを拾う。市街地へは20分程、まずはマーライオンを見て、Mさんに勧められたレストラン「文東記」へ。美味しいチキンライスを楽しむことができた。ただ、時間の関係でビールを飲めなかったのは残念。再びタクシーに乗り空港近くのホテルにチェックインしたのは1時過ぎ、バーでドイツビールを買って長い1日を終えた。

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 翌朝は6時過ぎに起床、雨が降る中、タクシーで空港へ。搭乗手続きを済ませて、制限エリア内に進む。昨日に続きMさんの勧めに従い、フードストリートで朝食に豚ミンチ入り麺を食べる。ターミナル内は免税品販売店が充実しているのはもちろんだが、植物園まであり、乗り継ぎ客を飽きさせない工夫が感じさせる。さすがに評価の高い空港だけのことはある。

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 搭乗するのは成田空港経由ロサンゼルス行SQ12便で、Boeing 777-300による運航である。ほぼ定刻に出発、離陸の際にはA350を間近に眺めることができた。右にシンガポールの市街地をみて、大きく旋回、マレー半島を離れ北東へと飛ぶ。

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 機内サービスではスナックとタイガービールをもらった後、ランチ。エコノミークラスの機内食には大して期待しないが、この魚料理の機内食は驚くほど美味しい。パンもなかなか、さすがはシンガポール航空といったところである。

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 映画を見ているうちに台湾や沖縄を過ぎ、夕暮れ迫る成田空港には16時30分過ぎに到着、中東・ヨーロッパ・東南アジアを駆け巡った11月の旅もこれで終了、スカイライナーで自宅に戻った。

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