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DB Baureihe 440 Mainfrankenbahn (Piko 59896) [鉄道模型 Piko]

 Alstom Coradia Continentalは2008年以来、ドイツ各地で用いられている地域交通用の連接式電車である。Linke-Hofmann-Busch LHBの流れを汲み、LHBの本拠地であったSalzgitterで製造されている。モジュール方式が採用され、導入路線に合わせて編成両数や先頭車の車体長を調整できることが特徴である。最高160km/hの性能を有し、DBだけでなく民間運行会社にも導入されており、形式は440形となっている。2015年以降は衝撃吸収構造を有する1440形が増備されており、先頭形状に変更が加えられている。DüsseldorfではS-Bahn S8系統が1440形による運行となっており、個人的には440形よりもなじみがある。

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Würzburg Hbfを発車する440形

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Düsseldorf Hbfで離合する1440形

 Pikoは2012年に440形を製品化し、以降様々なバージョンを販売している。今回はその中でもMainfrankenbahn仕様の59896を入手した。Mainfrankenbahnはバイエルン州北西部Würzburgを中心とする地域輸送ネットワークを指し、Würzburg - Nürnberg, Würzburg - Schlüchtern / Lohr (Main), Würzburg - Schweinfurt/ Bamberg, Würzburg - Ansbach/ Treuchtlingenなどの路線がある。2010年以降、Mainfrankenbahnには440形の3両編成バージョンが26本、4両編成バージョンが5本導入され、主力車両として活躍している。


Nürnberg Hbfを発車する440形

 ドイツで知り合った友人、通称まっちゃんはDB Regioの運転手、このMainfrankenbahnで日々440形を運転している。まっちゃんの運転する列車なら、この440形のモデルも買おうかな、と話したら、彼はドイツからわざわざ運転手人形を送ってくれた。「運転手まっちゃん」人形が手元にあるとなると、模型も買わないわけにはいかず、早速注文した。ちなみに、彼によると440形は信頼性が高く、乗務員にも好評とのことである。

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 製品は440 322 – 441 322 – 440 822の3両編成バージョンを再現している。440 322と441 222の間で分割でき、連接台車の部分でつなげる方式となっている。車体はプラスチック製である。DB Regioの標準塗装であるVerkehrsrotはちょうど良い色合いで、“Mainfrankenbbahn“や“Bahnland Bayern“などのロゴ類もきれいに入り、複雑な屋上機器も精密に再現されている。行先表示は“RE Würzburg Hbf“となっているが、Brawaの425形のモデルと違って点灯しないのは残念である。クロスシートが並ぶ車内も再現されているが、モーターが大きく側面窓から見えるのは減点ポイントであろう。

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 今回はPikoのサウンドモジュールも購入した。床下のネジを外して車体を分解し、サウンドモジュールをデコーダーに接続して、スピーカーを床下に収納するだけの簡単な作業でサウンド化は終了、不器用な私でも30分ほどで終わった。走行は軽やかでスムーズ、低速も効く。ただ、連接台車か集電シューのせいか、ポイントで止まったり、サウンドが途切れる現象がみられた。サウンドはドア開閉音など好感が持てるが、走行音はお世辞にも良いとは言えない。
 室内灯は別売りで、車内にネジ止めして配線をハンダ付けすれば装着できる。しかし、ここで問題が発生、Pikoのホームページを参照し、先頭車用室内灯56147を2個、中間車用56146を1個発注したが、ホームページの記載が間違っており、先頭車用は56145が正しかったのだ。室内灯を付け、人形を載せるつもりだったが、正しい室内灯が届くまで作業はお預けである。それでも、運転手まっちゃんの人形だけは載せておいた。

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 近年のPikoはドイツの代表的な車両を比較的手頃な価格で次々と製品化しているが、このような新しい車両もラインアップに加えられているのは嬉しい。緑の中を赤い車両が駆け抜ける車両はそれはそれで美しく、今のドイツ鉄道を象徴する光景だと思うのである。

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DB Baureihe 403 / ICE 3 (Piko) 特別塗装 [鉄道模型 Piko]

 ピコはHobbyと称する廉価版シリーズを展開しているが、その中でもICE 3は1995年に発売されて以来、なかなか人気があるようだ。金型の共通化のため、細部は実車とかなり異なるが、全体のイメージは実車の特徴をよく捉えているし、それなりによく走る。それでいてメルクリンの1/3程度と非常に安価である。
 ただ、この製品には曰くがあって、メルクリンの製品を安くコピーしたものと指摘もされた。実際、メルクリン製品で特徴的な連結器の機構がそのまま採用されていて、試しにトリックスのICE 3とピコのICE 3の中間車を混結させても問題なく走ったことには驚いたものである。メルクリンがピコに対して訴訟を起こしたという話もあったが、それも頷けるのも事実であった。(その後、訴訟の話は聞かなくなったが、どうなったのであろうか。)
 ピコはICE 3を積極的にバリエーション展開していて、これまでにDB仕様はもちろん、NS仕様、スペインAVE仕様、ロシア・サプソン仕様も登場している他、実車に登場した特別塗装仕様の製品も存在する。メルクリンの価格だと、塗装違いが出てもそうそう手が出ないが、ピコだと比較的気軽に購入できる。

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 こちらはICE車内の無線インターネットサービス"HotSpot"開始に合わせて、403形Tz 311編成に施された特別塗装のモデルである。紫色の地に”HotSpot”と入ったロゴや、窓まで覆う”www im ICE ”のレタリングがきれいに印刷されている。

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 このモデルは模型店のニュース欄で偶然見つけて入手したが、おそらくごく少数が出回っただけだと思う。今となっては貴重な製品だろう。私はDCバージョンを入手したが、その後ACバージョンの一般仕様のICE 3を購入し、下回りを入れ替えてAC対応としている。

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 こちらは403形Tz 354編成に施された女子W杯の特別塗装である。

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 DBは2011年にドイツで開催された女子W杯のオフィシャル・スポンサーであり、そのPRのためもあって、フラッグシップであるICE 3に特別塗装を登場させたのであろう。モデルは現在でもDBの公式オンラインショップ、BahnShop 1435でも販売されているので、目にした方も多いだろう。
 先頭車のみが特別塗装となっているが、シルバーベースに赤色のサッカーボールがよく目立って、なかなか格好良い。モデルはよく見ると前面の赤帯が曲がっていたりもするが、実車の印象はよく捉えており、レタリングや複雑なW杯マークの印刷も十分にきれいである。

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 最後にメルクリン製品と並べてみる。

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 ピコの製品で気になるのは、パーツの分割線が車体前部まで続いている点で、先頭部の印象が重要なICE 3では致命的とも思えるのだが、友人は全く気にならないそうなので、この辺りは個人の趣味で大きく異なりそうだ。
 今度、メハノの製品を含め、じっくりと比較してみたいものである。

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DB Baureihe 642 (Piko 52010) [鉄道模型 Piko]

今日は鉄道模型を紹介したい。DBは1990年代末からローカル線に気動車を大量に導入し、従来の客車列車を置き換えた。642形DesiroはSiemens製の2車体連接構造の気動車で、1999年から236編成が導入され、ザクセン州を中心に、ニュルンベルクなどでも活躍している。私は2006年にDresdenで乗車したが、軽やかな走りと、ローカル用気動車とは思えない美しい外観に魅了された。
Pikoは2003年にこの642形を発売した。品番52010はHO直流の通常品として現在もカタログに掲載されている。モデルはBw Nuernberg West所属の 642 110-1 + 642 610-0で、2等車のみのモノクロス編成である。行先表示は"Bamberg"、クラシック音楽ファンには馴染み深い地名であろう。
車体はプラスチック製である。大きな側面窓にプラスチックの厚みがやや感じられ、平面性も少し物足りないが、印象的な外観がうまく凝縮され、塗装も美しい。Verkehrsrot塗装の赤色は他メーカーに比べると光沢を抑えた、落ち着いたもので、ここは好みが分かれるところであろう。もちろん、細かい表記類もよく再現されている。

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独特の流線形を成す先頭部、何度眺めても格好良い。ローカル気動車で、これほど格好良い車両は私には思い浮かばない。この先頭部もよく再現されている。

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最大の特徴である、連接部分も実感的だ。

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車内は実車よりも派手な水色で、丁寧にインテリアが作りこまれており、室内灯も点灯する。大きな側面窓の中には、乗客を乗せると良いかもしれない。モーターは642 110の先頭寄りに搭載されている。床下にコンパクトに収められ、ドライブシャフトを通じて2軸の先頭台車を駆動する。通常の条件では、実車と同様の最高120km/hとなるよう配慮されており、スピードが出ない代わりに、低速でも実にスムーズに走行する。耐久性については未知数であるが、この種の車両にふさわしい走行性能を有している。

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642形はこのほかにも多くのバリエーションが発売されている。PikoはICE 3やTaurusなどHobbyシリーズで廉価版の模型を積極的にリリースしているが、この642形をはじめ、612形など通常品のラインアップも魅力的である。今度はACバージョンも購入し、ESUのLokSoundmfxを搭載して、、、などとも考えてしまう。困ったものである。

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642形
http://www.rig-bahn.jp/db-page/j-642.htm
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