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10月21日 済州島 → 清州 → 大田 → ソウル → 東京 [韓国鉄道旅行 2012]

 韓国旅行最終日、朝7時半前にホテルを出発、タクシーに乗り10分程で済州国際空港へ。搭乗手続きを済ませ、郷土料理のお店で朝食とする。アワビ粥に太刀魚焼きで最後まで済州島グルメを味わう。アワビ粥はもちろんだが、この太刀魚がまた美味しい。

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 お土産を購入した後は9時15分発の清州空港行の大韓航空KE 1952便に乗る。敢えてソウル行の便に乗らないのは、最後まで鉄道の旅を楽しみたいからである。昨日に続いてバス連絡で搭乗する。機内はほぼ満員の混雑である。定刻に出発した晴れた空へと舞い上がる。これで済州島ともお別れ、飛行機は朝鮮半島へと戻る。
 ベルトサインが消えたところで飲み物のサービスがあるが、巡航高度を維持するのはごくわずかな時間である。徐々に高度を落とす。山々をかき分けるように進み、最終着陸態勢に入ると、地上に忠北線の線路が見えてくる。まもなく10時20分に清州空港に着陸する。清州空港は軍事空港を兼ねており、国際便も就航しているが、旅客ターミナルはごく簡素な造りである。ところどころに兵隊が立ち、少々物々しい雰囲気も漂う。
ターミナルビルを出て、大田行の市外バスに乗る。しかし、なかなか発車しない。時間を確認したら、11時20分発、大田市外バスターミナルには12時10分に到着予定とのこと。大田からが12時26分発の列車に乗る予定だが、バスターミナルから駅への連絡を考えるとこれでは間に合わない。仕方がないので、バスを降りてタクシーに乗る。しかし、タクシーで出発したところで異変に気が付く。いくら探しても財布がないのである。慌てて空港に戻ってもらい、バスに行くと、あった!、財布が無事に戻って、ようやく一安心である。
 再びタクシーで大田へ向かう。太田へは40km以上距離がある。列車まで時間がないと気を利かしてくれた運転手は、親切にも?高速道路をブッ飛ばす。4車線で非常に高規格で設計された高速道路とはそれなりに混んでいる。そんな中をタイヤが悲鳴を上げるのも構わず右に左に車線を変え、最高160km/hで走るのだから、これは怖い。そのおかげで、大田駅には30分あまりで到着。腕の良いドライバーであるのも確かなようだ。

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 おかげで随分と時間が余った。まずはこれから乗る列車のチケットを発券してもらう。タクシー代を使ったので、太田駅の構内でウォンを追加で調達しようと思うが、どうもうまくいかない。諦めて、残った時間はホームで撮影。

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KTX



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8200形ムグンファ

 12時22分、これから乗車するセマウル1032が入線してきた。KTX登場までは韓国の看板列車だったセマウルだが、気動車のセマウルは11月末までには引退し、客車列車のセマウルも2015年には廃止される予定である。今回の旅の最後は、引退が間近に迫った気動車のセマウルで飾ることにしたのだ。

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 今回は特室を予約してある。特室は内装は古めかしいし、側窓も小さいが、座席は広々としてリクライニングもよく効き、足置きもあって、快適さではKTXの及ぶところではない。
 12時26分に発車、セマウルの気動車は動力集中式だから、客室内は至って静かである。お腹が空いたので、カフェカーへ。カフェカーには軽食や飲み物を販売する売店と飲食用カウンダ―の他、ゲームコーナー・インターネットコーナー、さらにマッサージコーナーにカラオケコーナーと鉄道車両の車内とは思えない設備が並ぶ。こんなもの利用する人なんているの、と思うのだが、案外利用している人がいるのはお国柄なのだろうか。
 私は弁当を調達し、自席で食べることとする。韓国では車内で販売する弁当は高くてまずいと評判が悪かったため改善策が打ち出されているそうだが、ブタキムチと鶏から揚げの弁当は以前より美味しく感じた。

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 列車は鳥致院に停車する。ここから忠北線が分岐する。といっても忠北線の列車は基本的に大田まで直通運転することを考えると、ここで乗り換える乗客は少ないであろう。鳥致院を出発すると忠北線との分岐点、デルタ線になっており、忠北線の列車は大田方面へもソウル方面へも進行方向を変えることなく走ることが出来る。実際、忠北線からは1日1往復のヌリロがソウルへ直通している。

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 カフェカーで買ったビールを飲んだら、眠気に襲われる。うつらうつらしている間に列車は天安に到着、ここからはソウル広域電鉄1号線と並走する。といっても、ソウルまではまだ100km近くある。
 華城など観光スポットが点在する水原にも停車する。

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 13時47分に水原を発車すると、まもなく右手に鉄道博物館が見られる。列車は相変わらず150km/h近いスピードで力強くソウルへラストスパート。衿川区庁付近で高速新線が合流すると、KTXと次々とすれ違うようになる。KTXの運転頻度はかなりのものである。車窓には高層住宅が目立ち、すでにソウルの都市圏に入っている。まもなくソウルの南のターミナル、永登浦に到着する。ここでかなりの降車がある。

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 永登浦を出発すると、電鉄線に並走してゆっくりとソウル市内を走り、漢江を渡る。龍山を通過し減速、14時17分にソウル駅に到着する。

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 到着後、セマウルの姿を撮影する。独特のスタイルを持つこのセマウルが引退するのは何とも寂しい。

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 コンコースに上がり、知人のSさん、Cさんと合流。二人とも熱心な鉄道ファンで、Sさんは鉄道趣味を生業としている。そんな二人と、駅前の食堂に入る。ここで英語と日本語交じりで様々な鉄道話で盛り上がりつつ、味噌チゲを食べる。これは私の大好物である。

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 その後は再びソウル駅で撮影。

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KTX-山川の併結

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KTX-山川

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KTX

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ヌリロ

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KTX-山川

 Sさんの知り合いのKTX運転手Pさんも紹介してもらう。Pさんはこれから釜山に向かうとのことだが、簡単に出発準備に手順を話してくれた。その後は走行機器の点検に勤しむ、入念な出発準備の様子をみると、国が変わっても、安全運行にかける思いはそう違わないことが伝わってくる。

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 ソウル駅を離れ、空港鉄道の各駅停車に20分程乗り金浦空港へ。見送ってくれたSさん・Oさんと別れ、お土産を買った後は出国審査を通過し、搭乗口へ向かう。搭乗口前はアルコールが売っていないのが残念。ジュースを飲みつつ時間をつぶす。
 羽田空港行のアシアナ航空OZ1085便は満席の混雑だが、20時ちょうどに出発する。機内食をコチュジャンとビールととも食べ終わる頃にはもう日本上空である。

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 22時前、ほぼ定刻通りに羽田空港に到着する。近距離便のためか、今回は何と沖止め、バス連絡である。入国手続きを済ませ、3日間の韓国旅行を終えた。

10月20日 全州 → 光州 → 済州島 [韓国鉄道旅行 2012]

 韓国滞在2日目、朝5時前に起床し、ホテルから5分程歩いた食堂「サミルグァン」へ。ピビンパの他に、もう一つの全州名物、コンナムルクッパブ (豆もやしクッパ)で朝食とする。アミの塩辛や塩で味を調整し食べる。ちょっと辛めだが、前日のお酒が残る胃には優しい味でとても美味しい。

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 6時過ぎにホテルをチェックアウトし、タクシーで全州駅へ。まだ日の出前である、空は白み始めているが、まだ暗い。駅構内では列車を待つ人は少なくない。
 乗車する龍山行KTX 702はこの駅を本日最初に出発する列車である。案内表示では2分遅れとのこと。6時半前にホームへ。ホームに上がったところで、ようやくホームのライトが点灯した。

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 6時40分にKTX 702が入線、この列車もKTX-山川である。



 すぐに降りることもあり、2等車を予約してある。車内に入ると、これまで乗ったKTX-山川と内装が少し異なる。KTX-山川は1次車10編成、2次車9編成の後に、3次車が4月に登場し増備中であるが、乗車した編成は最新型の3次車、第20編成で、内装にも変更が加えられているのである。
 全州を発車すると、スラブ軌道区間を快走する。車内は1等車も2等車もほぼ満席で、デッキの補助椅子に腰かけている乗客も多く、KTXの旺盛な旅客需要を実感する。湖南線に合流すると、まもなく益山に到着する。全州からはわずか15分、私はここで下車する。本来はKTXに乗る距離ではないが、他に良い列車がなかったため、この列車を選ばざるを得なかったのである。とはいえ、最新型のKTX-山川に乗れたことだし、これはこれで満足である。

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 ふと見ると車椅子の乗客が下車している。以前は急なスロープを使って車椅子の乗客を乗降させており、危険性が指摘されていたが、今は車椅子用の昇降装置を導入したようだ。こんなところにも、サービス改善に向けた努力の跡が垣間見える。

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 KTX 702の発車を見送る。

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 同じホームに8200形牽引のムグンファが停車中。ドイツ鉄道ファンとしては、このスタイルの機関車に出会うのは嬉しい。

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 続いて湖南線で光州へ向かう。既に光州行のムグンファのチケットを予約してあったが、発車案内を確認すると、ムグンファの前に光州松汀経由木浦行きのKTX 501があることが分かった。その後の予定が詰まっていることを考えると、少しでも早く光州に着きたい。そこでムグンファの料金は少し勿体ないが、7時16分発のKTX 501に乗車することにする。特室の乗車券を自動販売機で購入しホームに行くと、まもなく入線、今回もKTX-山川である。第19編成だから、昨日乗車したKTX 707と同じ編成ということになる。
 定刻に益山を発車した列車は在来線区間を100km/h台前半で走る。朝の陽射しが差し込み、後列の乗客がカーテンを閉めてしまったので、車窓風景はほとんど楽しめなくなってしまったので、Wifiを利用してメールの確認をして過ごす。

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 途中の井邑に停車し、若干の乗降がある。列車はさらに南西へと向かう。高層住宅が立ち並ぶ市街地に入るとまもなく減速、定刻の8時06分に光州松汀に到着する。益山からの在来線区間97.8kmを50分で走り抜けたことになる。

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 隣のホームにはちょうど最新型電機8500形が停車している。東芝製の電気部品を採用した6軸電機で、主に貨物列車に使用される予定であるが、正面のデザインはどうも馴染めない。

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 龍山へ向かうKTX 504を撮影する。こちらはKTX-山川の第2編成。KTX-山川も随分増えたものである。

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 駅舎の外に出て、地下へ移動し、地下鉄に乗る。

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 2駅乗って空港駅へ移動。何の変哲もない地下鉄駅から外へ出て5分程歩き、光州空港ターミナルへ9時前に着く。光州空港は以前は国際線も就航していたが、今はその機能を南西の木浦に近い務安空港に譲った。それでも金浦空港、済州空港を中心に国内線の便数は多い。私はここから大韓航空KE1901便で済州島へ向かう。

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 搭乗手続きを済ませた後はターミナルビル内でゆっくりと待ち、9時50分にセキュリティゲートを通過し、搭乗口へ。ちょうどB737-900が到着したところで、多くの乗客が降りてきた。
 しばらく待って機内へ。韓国の国内線に搭乗するのは初めてだが、子連れも多くとても賑やかな雰囲気である。国際線とは違う風情があってこれはこれで面白い。10時20分に出発、済州国際空港まではわずか45分である。離陸して巡航飛行に入りベルトサインが消えると慌ただしくジュースのサービス。それが配り終わらないうちに、飛行機は朝鮮半島から海に出て下降を始める。まもなく再びベルトサインが点灯、まもなく済州島とその象徴である、韓国最高峰のハルラ山が見え、済州国際空港に着陸する。
 済州国際空港はソウルの2空港、釜山金海空港に次ぐ規模を誇り、日本や中国からの国際線も多い。それだけに、機体サイズは大きくはないものの、様々な航空会社の機体が並んでいる。ボーディングブリッジは国際線が優先されているのか、KE1901便は沖止め、バス連絡となる。といっても、空港の規模はそれほど大きくないため、すぐに外に出られる。
 ここからは済州島観光に向かう。済州島は北が済州市、南が西帰浦市に分かれている。済州空港は島の北側にあるが、まずはリムジンバスで島の西南、西帰浦市に属する中文観光団地へ向かう。市街地を抜ければ、道路は高速道路並みの規格である。左にハルラ山を見ながらのバスの旅もなかなか良いものである。1時間程乗って、ロッテホテル済州で下車。ここからはタクシーで東の西帰浦市中心街に向かいながら観光する。
 まずは天帝淵瀑布へ。ここは三段からなる韓国最大の滝だが、水量が少ないようで、今日は下の2段しか流れていなかった。それでも滝壺まで歩けば気持ち良い。

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 続いて薬泉寺へ。原色が多用された壮大な建物の中に、金色に輝く巨大な仏像。日本のお寺とは随分と異なる雰囲気だが、多くの人が代わる代わる韓国流の3回の拝礼をしていたのが印象的であった。

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 タクシーで海外線沿いをしばらく走り、ワールドカップの試合会場にもなったサッカースタジアムの近くの市外バスターミナルでタクシーを降りる。

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 しかし、バスターミナルに入ると、何だか様子がおかしい。バスの本数が少なく、済州市での所要時間も随分とかかるのである。どうやら市外バスターミナルが二つあり、違うところへ来てしまったようだ。再びタクシーに乗り、今度こそ西帰浦の中心街にある市外バスターミナルへ。もう14時、ここで済州島名物の黒豚で昼食にしたくなり、周囲を歩くがめぼしい店はない。
 仕方がないので、12分おきに出発する市外バスに乗車し、済州市へ向かう。先程のリムジンバスとは異なり、このバスはハルラ山の山麓に沿って走る。ハルラ山を望みながら、森のカーテンと呼ばれる美しい道を走る。城板岳登山口に近いバス停で登山客が一気に乗ってきて、バスはほぼ満席となった。外国人の姿もある。韓国はバスの旅も楽しい。

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 西帰浦のバスターミナルから50分程、済州市庁舎近くでバスを降りる。

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 周囲にやはり食事を摂れそうな良い店はなく、タクシーに乗って目をつけていた店に向かうが、ここは営業時間外の様子。近くの店は貸切。諦めて、再びタクシーに乗る。済州市は市街地が二つあり、今いる旧済州から新済州にあるホテルに行き、チェックインを済ませて荷を軽くする。そして再びタクシーに乗って旧済州に戻り、観光を再開する。
 まずは済州特別自治道民俗自然史博物館へ。博物館の正面には、済州島の各所で見られる守り神、トルハルバンの大きな石像が立っている。何とも言えない愛嬌があり、親しみが湧く。博物館内も済州島独特の生活ぶりや祭事が人形で再現され、興味深い。

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 博物館の隣にある三姓穴は、済州島が独立国「耽羅」であった頃の建国伝説が残る場所であり、今でも大切に祀られている。資料館では建国伝説のアニメは日本語でも放映されている。

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 再びタクシーに乗って、済州牧官衛へ。ここは李氏朝鮮時代の済州島統治の中心地で、近年建物が再建され、往時の姿が蘇った。すでに17時半でチケットの販売は終わっていたが、チケット売り場の女性が入れてくれたので、30分程見学することが出来た。

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 さすがにお腹が空いたので、牧官衛のすぐ横に広がる済州市の中心街で、韓国うどんを食べる。優しい味で、これがとても美味しい。

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 再びタクシーに乗り、新済州にあるロッテマートへ行ってお土産を調達。続いて、新羅免税店や済州グランドホテルが並ぶ一帯にタクシーで移動し、海鮮物を扱う食堂で夕食とする。今日はタクシーをよく使ったが、これも韓国はタクシーが非常に安いからこそ、である。
 ビールと韓国焼酎を楽しみつつ食べたのは、太刀魚・アワビの刺身、ウニとわかめのスープ、そしてアマダイの塩焼。特にアマダイは私の小さい頃からの大好物、最高だ。

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 歩いてホテルへ向かいながらコンビニでワインを買い、部屋で飲みながら寛ぎ、韓国旅行の2日目を終えた。

10月19日 東京 → ソウル → 全州 [韓国鉄道旅行 2012]

 3日間、駆け足で巡った。10月19日朝6時に出発、京成線の普通列車に揺られ、成田空港には7時26分に到着した。搭乗手続きを済ませて一休み、まずはアシアナ航空OZ107便に搭乗、使用機材はタイムテーブルではB767であったが、実際にはB777であった。

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 9時に出発、仁川国際空港までは2時間30分のフライトである。機内は幸いにも空いており、ゆっくりと座ることができる。快晴の成田空港を離陸、しばらくしてビーフの機内食のサービスがある。炭水化物尽くしのコチュジャンをもらって食べるとなかなかの味になる。ここで朝からビールを一杯。

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 食後は眠ったり、液晶テレビでAndrea Bocelliのコンサートを見ているうちにもう韓国上空、仁川国際空港にはほぼ予定通り到着した。ターミナル前には丁度ルフトハンザのA340が2機並んでいる。どうやらミュンヘン便とフランクフルト便のようだ。さらに空港内のケータリング用自動車にはLSG Sky Chefsの文字が。ルフトハンザのケータリング部門は遠く仁川国際空港にまで進出しているのである。
 仁川国際空港からはKORAILの空港鉄道を利用する。ソウル駅までノンストップの直通列車と各駅停車があるが、今回は直通列車を選択する。各駅停車はロングシートの通勤電車だが、直通列車は集団離反式の固定式クロスシートである。ソウル駅までは44分である。直通列車の料金は当初は13800ウォンであったが、現在は8000ウォンに値下げされている、それだけ苦戦しているのかもしない。実際、この列車も空いている。

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 列車は最高150km/hのはずだが、思ったよりもゆっくりと走っている区間が多く、もう少しスピードアップできそうである。来年には仁川空港にKTXが乗り入れる計画もあるそうで、さらに利便性が良くなる可能性もありそうだ。
 延々と続く干潟を過ぎ、金浦空港駅を通過して漢江を渡るとあとは地下区間、12時44分定刻にソウル駅に到着する。

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 空港鉄道は地下5階にある、そのため乗換は不便である。エスカレーターを乗り継ぎ、2階のコンコースに出てチケット売り場へ。チケットはあらかじめKORAILの英語サイトから予約してあり、ここで予約確認書とパスポートを見せればチケットを発券してもらえる。
 この後乗車するKTXはソウル発ではなく、2駅隣の龍山駅発である。一旦地下へ下りて、ソウル市地下鉄と相互乗り入れを行うソウル広域電鉄に乗れば、龍山駅までは5分程度である。ソウルにはソウル駅・龍山駅・清涼里駅と3つのターミナルがあり、行き先毎にターミナルが分けられているが、光州・木浦方面の湖南線、全州・順天方面の全羅線方面の列車は龍山駅発着となっている。

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 まだ時間があるので、まずはターミナルに隣接するデパートの食堂で冷麺を食べる。

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 残った時間はホームで撮影をして過ごす。

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8200形牽引のムグンファ

 ほどなく、乗車する全羅線の順天EXPO行KTX 707が入線してきた。国産率を上げた韓国自慢のKTX-山川は編成数が増え、この編成は第19編成である。

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 となりに日立製電車を使用するヌリロも入線、韓国鉄道もなかなか多彩である。

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 ホームを移動し、KTX 707に乗車する。金曜午後の列車ということもあるのかもしれないが、車内は特室も普通車もほぼ満席の混雑である。予約した特室に座る。KTX-山川は不評だったKTXの車内設備を大幅に改良しなかなかの人気のようである。
 KTX-山川は普通車の快適性もKTXに比べれば明らかに増しているが、韓国は鉄道料金が安いこともあり、今回は特室を選択した。ゆっくりと脚を伸ばせるのはやはり良い。
 まもなくICEと同様のピーピーピーというアラームが響いてきてドアが閉まり発車する。列車は漢江を渡り、しばらくは在来線を走行、始興連絡線分岐から高速新線に入るがスピードは上がらず、すぐに減速し、ソウル郊外の光明に停車する。

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 14時35分に光明を発車すると列車はスピードを上げ、300km/h近くの高速走行となる。KTX-山川のデザインの欠点の一つが、2列分を占める大きな窓のカーテンが2列分一体となっていることである。したがって、後列の人がカーテンを下ろしてしまったら、もはや車窓風景は楽しめなくなってしまう。今回も後列の乗客がカーテンを半分くらい下ろしてしまった。
 高速新線の光景は国が違ってもそう大きくは違わないが、その中では韓国は防音壁の設置区間が少なめで比較的車窓風景を楽しみやすい方かもしれない。車内の液晶モニターに
では250km/h以上で現在速度が表示されるが、列車は250km/h程の余裕のある走り、時々細かい揺れはあるが、概ね快適である。
 KTX-山川ではWifiが無料で利用できる。区間によっては接続はやや不安定で、一人20Mbまでという制限もあるが、メールの送受信には十分で便利である。

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 光明から30分程高速新線を走ったところで大田の市街地に入ったところで分岐し、釜山方面から分かれて、光州・木浦方面の湖南線の在来線と合流する。太田操車場の脇をゆっくり走る、ちょうど最新鋭の8500形電機が停止している。まもなく西太田に到着する。

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 15時18分に西太田を発車すると、あとは在来線区間である。スピードは100km/h台前半、カーブも多く、田園の広がるのどかな光景の中をゆっくりと走る。特室内は寝ている人が多く、動力集中式であるだけに走行音もほとんどなく、車内はとても静かである。一部のKTXが停車する鶏龍・論山を通過し、16時10分に益山に到着する。

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 益山からは湖南線と分岐し全羅線に入る。全羅線は元々非電化であったが、2012年に開催された麗水Expoに合わせて電化・高速化工事が行われKTXの乗り入れも開始された。真新しいスラブ軌道を150km/hほどに滑るように走り、定刻の16時25分に全州に到着する。私もここで下車する。

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 真新しいホームを発車していくKTX-山川を見送る。

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 タクシーに乗る。駅から全州の中心街には3.5km程離れているのだ。本日の宿、全州観光ホテルに移動してチェックインを済ませた後は、徒歩で市内観光に出る。全州は李氏朝鮮の開祖、李成桂の本貫の地であり、旧跡が点在している。

李氏朝鮮時代の迎賓館にあたる客舎
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李成桂の遺影を祀る慶基殿
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慶基殿の周囲の韓屋マウルではピビンパ祭りが開催中で賑わっていた
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豊南門
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 韓国では「嫁は全州から」と言われるほど料理が美味しいと言われる。その中でも全州ピビンパは特に有名。夕食は地元客から観光客まで有名な家族会館へ。ピビンパを頼んだだけで、これだけの料理が並ぶ。ビールと並んですっかり満足。

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 それでも帰り道にミラーというチェーンのビアバーでビールを飲み、さらにコンビニでワインを買ってホテルで一杯。気持ち良く酔ったところで一日を終えたのであった。
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