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10月22日 Bielefelder Rundfahrten mit Dampflok 78 468 [ドイツ・イタリア鉄道旅行 2022]

 朝5時半前に起床し、6時にホテルを出る。外はまだ真っ暗で寒い。Essen HbfからKöln Hbf発Berlin Ostbahnhof行のICE 843に乗車する。車両はICE 4の7両編成で、定刻の6時19分から5分遅れで出発する。

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 1等席は大半の座席が予約でかなり埋まっていたが、目的地のBielefeldから先を予約されている座席を見つけて、無事に着席できた。ICE 4の座席は当初は評判が悪かったが、これは改良タイプで、座り心地はかなり良くなっている。200km/hで快調に走り、揺れも少ない。

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 Dortmund Hbfまでは順調に走っていたが、本来停車駅でないKamenで足止めされ、後続のREに抜かれてしまう。どうやら、次のHamm(Westf.) Hbfで連結する予定の、Köln Hbf発Wuppertal・Hagen経由のICE 853がかなり遅延しているようで、時間調整を強いられているようだ。しばらく停車して発車、Hamm Hbfで前方にICE 853が連絡されたが、結局25分程の遅れになった。Bielefeld Hbfに到着したのは8時過ぎであった。

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 ここで、鉄道ライターとして様々なメディアで大活躍している友人のHさんとその息子さんと合流する。元々はBielefeld-Brackwerdeに移動して、夜行高速バスFlixbusでやってくるお二人と落ち合う予定であったが、ICEが遅れたのでBielefeld Hbfでの待ち合わせに変更してもらったのである。すぐに二人が乗った列車が到着し、まずは駅から10分程歩いてレンタカーを借り、Hさんの運転でBielefeld Hbfに戻る。
 9時前にホームに上がると、すでに目的の列車は到着済み。愛好者団体Bielefelder Eisenbahnfreunde e.V.による、蒸気機関車78 468が牽引するBielefelder Rundfahrtenの特別列車である。炭庫側を先頭に発車を待っており、多くのファンや家族連れが写真を撮っている。

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 78形は元々プロイセン国鉄が開発したT 18形タンク式蒸気機関車である。造船で有名なVulkan Stettin社により1912年に登場した。当初はBerlinとスウェーデンを結ぶ当時の国際ルールの途中にあったリューゲン島のフェリーターミナルを結ぶ短距離急行用に開発され、最大の特徴は2’C2’という前後対称の軸配置で、前進時・後進時とも同等の走行性を有し、最高速度も100km/hと当時としては俊足であった。最終的には544両が製作され、ドイツ中で主に旅客列車に活躍した。一部はプッシュプル運転にも対応したことが特筆される。東ドイツでは1972年、西ドイツでは1974年までの長きに渡って使用され、ドイツでは非常に人気がある蒸気機関車である。私はこの78形の存在を見逃しており、ドイツ在住時も存在は知っていたものに、DB Museum Nürnbergの静態保存機を撮った程度であった。帰国後、メルクリンの新製品が気になって色々と調べるうちに、私の馴染みのある地域で長らく活躍した名機であることを知り、いつかはじっくりと撮影したいと思っていた。
 78 468は1923年にHenschel社で製作され、戦前はBw Gleiwitz、戦後はBw Hagen-Eckesey、さらにBw Wuppertal-Vohwinkelとルール地方で活躍し、1966年にBw Hamburg-Altonaに移って、1969年4月に廃車された。その後は静態保存されていたが、1997年に再整備されて動態となり、現在はEisenbahn-Tradition e.V.によって保存されている。まもなく100歳を迎える機関車だが、元気一杯で特別列車の牽引に用いられている。今回、運よく日程が合い、この78 468の牽引する列車に乗る機会に恵まれた。
 本日はBielefeld Hbf – Herford – Altenbeken – Paderborn Hbf – Bielefeld Hbfを午前・午後でそれぞれ1周する予定で、HerfordとPaderborn Hbfで方向転換する。私は午前・午後便ともチケットを買ってあったので、Hさん親子と一旦別れ、Herfordまで乗車する。客車はDBのUmbauwagenである。発車すると、ICEも通る本線上を走る。最高90km/hとなかなかの快走ぶり。保存蒸機でこの運転は素晴らしい。

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 Herfordで機関車の付け替えるため、入れ替え作業を撮影する。

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 ここでHさんと再度合流しする。レンタカーで出発。Autobahnも通って、Sylbach駅までは20分ほどで到着。到着後、程なく踏切が鳴り出す。慌てて走り、やって来た列車を何とか撮影する。

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 今度はAltenbekenを目指す。気持ちの良い田舎道を走り、1時間ほどで目的地に到着する。ここは Altenbekenの西、Kleiner Viaduktと呼ばれる高架橋の袂にある有名撮影地、数人のファンが撮影に集まっていたが、落ち着いた雰囲気である。通過する列車を撮影しつつ、78形が来るのを待つ。ただ、雲の流れが速く、光線の具合が刻々と変化する。予想以上に速いスピードで列車が通過していった時、機関車が雲の影に入ってしまったのは残念。

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 撮影を終えて、まずはAltenbekenの町に向かう。ここには貨物用蒸気機関車44形の044 389-5が静態保存されている。昨年レストア工事を受け、状態は非常に良い。ドイツを代表する貨物機の迫力は格別で、大好きな蒸機をじっくり眺める。

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 再びHさんの運転で13時過ぎにはBielefeld市内に戻り、ガソリンを入れて車を返却し、電器店SATURNでSDカードを買い、駅前のパン屋に入って、簡単に昼食を済ませる。再びBielefeld Hbfに行き、ICE 2など行き来する列車を撮影する。

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 14時50分過ぎに客車を先頭に78 468が押す列車が入線して来る。

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 今度はこの列車に乗って楽しむ。1928年製急行客車ABC4ü-29の3等席に乗車する。午前よりは遅い速度で列車はHerfordへ。ここで再び機関車の入れ替えを撮影する。



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 機関車の付け替えを終え、列車は間もなく発車、今度は南へと向かう。久しぶりの煤浴びは最高である車内は家族連れが多く、老若男女とも楽しそうで賑やか。売店もあり、軽食や飲み物を販売している。最高80km/hほどでLage・Detmoldと停車しながら列車は単線ローカル線を進む。Bielefelder Eisenbahnfreunde e.V.の係員も日本にも蒸気機関車は走ってるの?などと話しかけてきて、和やかな雰囲気である。



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 AltenbekenでHさん親子を残して私は下車、ここで発車シーンを撮影する。

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 続いて、後続のRBに乗車して、Paderborn Hbfへ。到着したら、ちょうど78 468の付け替え作業が行われており、Hさん親子とも再合流する、元の計画では終点のBielefeldまで乗車予定であったが、Essenに帰るのが遅くなるため、ここPaderbornで蒸機列車の旅を終えることとし、楽しかった78形の旅を終える。
 17時51分発Hamm(Westf) Hbf行RBに乗車する。Hammまでは1時間弱の旅、LippstadtやSoestなどで乗降も多く、乗車率は高い。18時44分にHamm Hbfに到着、ここからはDüsseldorf Hb行ICE 846に乗車する。車両は朝と同じくICE 4の7両編成で、ここでKöln行と分割する。車内は大半の座席が埋まっていたが、幸いにもテーブル付きの向かい合わせの4人席を確保することができた。このICEは珍しく定時運行、19時35分にEssen Hbfに到着する。

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 U-Bahnに乗ってEssenの南の繁華街、Rüttenscheider Sternに近いビアレストランWIRTSHAUS RÜへ。料理が出てくるまで1時間半近く待たされたが、ビールとシュニッツェルを堪能することができた。再びU-Bahnに乗り、友人親子と別れてホテルへ戻り、一日を終えた。
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