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9月8日 Muenchen → Nuernberg [ドイツ・フランス鉄道旅行 2007]

6時30分に起床し、シャワーを浴びた後、ホテルで朝食を済ませる。InterCityHotelはやや料金は高いが、部屋は綺麗で機能的、朝食も充実しており、十分に満足できた。7時30分にホテルを出発、出口を出たら、そこはMuenchen Hbfである。今日はNuernberg、Frankfurtを経由し、Essenに向かう。土曜日で、時間もまだ早い。駅構内はそれほど混雑していなかったが、早くも商店は開き始めていた。
私が乗車するICE 726 Oberhausen行は22番線に既に入線していた。403形Tz 325編成 "Ravensburg"である。外観を写真に収め、早めに乗車する。

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先頭の403 525-9、2等ラウンジの13番席に座る。ラウンジ内は私の他は大学生くらいのグループ客が座り、音楽を流しながら楽しそうに話している。年配の運転手は彼らに300km/hで走ることなどを軽く自慢しており、彼らも興味を持ったのか、運転台をのぞいたりしている。
Bayern州の2大都市、Muenchen - Nuernbergを結ぶルートとしては、Augsburg経由とIngolstadt経由の2つがある。Ingolstadt経由は距離は短いが、都市の規模はAugsburgの方が大きく、長らくAugsburg経由がメインルートであった。しかし、時間短縮にはIngolstadt経由の路線を改良する方がより効果的であり、Muenchen - Ingolstadtの路線を改良し、さらにIngolstadt - Nuernbergに高速新線を建設し、より直線的に結ぶことで時間短縮を図ることとなった。工事は1998年に開始され、ワールドカップ直前の2006年5月に開業した。今回は、この新線区間に乗車するのが大きな目的である。

7時56分定刻にMuenchen Hbfを発車、インバータ音を響かせながらゆっくりと加速し構内を抜けると、100km/h程度でMuenchen近郊を走る。左には広大な機関区が広がり、多くの電機やICE編成が停車している。

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昨日利用したS-BahnのLaim駅の脇を通過すると、まもなく右に大きくカーブしてAugsburg方面の路線と分かれ、西へ向かうS-Bahnをアンダーパスする。

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直線区間になり、左にS-Bahn S2系統が寄り添う頃、列車はさらに加速する。この辺りは両側を防音壁で覆われ、S-Bahnの姿もわずかに垣間見える程度である。

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Muenchenから17.8km地点にあるDachau Bfの脇を過ぎる頃から防音壁はまばらになる。

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S-Bahnの423形を眺めながら、列車は200km/hで快走する。

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軌道の整備が行き届いているのか、乗り心地は極めて良い。RoehrmoosでS-Bahnは複線から単線となるが、こちらはもちろん複線のまま、200km/hを維持している。

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160km/h程度まで減速したところでPeterhausenを通過、ここはS-Bahn S2系統の終点である。Muenchenから36.4km、S-Bahnのネットワークの広がりを実感する。PeterhausenはS-Bahn用ホームの他、列車線にも相対式ホーム2線があり、さらに中央に通過線があり待避可能な構造となっている。ICEはもちろん、通過線を減速することなく走り抜ける。
この辺りは、左側にIlm川が流れているはずであるが、その姿は見えない。車窓風景は随分とのどかになり、田園が目立つ。

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Muenchenを出発した時点でどんよりと曇っていたが、ここでついに雨が降り出し、如何にも頑丈そうなワイパーが力強く動く。しかし、次のReichertshausenを通過する頃には雨も止んだ。

列車は相変わらず160~200km/hで安定した走りを続けている。Muenchenから60.2km、Rohrbachでは反対方面の待避線に101形が牽引するMuenchen Nuernberg Expressが停車している。MNEは運転開始以来好評で、乗客数も順調に増えているという。喜ばしいことである。

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Rohrbachの先でIlm川を渡り、左に大きくカーブして川と離れる。しばらく森の中を走る。車窓が開けると、住宅は少なく、田園が広がる。如何にもドイツらしい光景である。

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右にカーブしてReichertshofenを通過、その先でICE 3と離合する。

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列車が減速する頃、左右の車窓には住宅が増えてくる。左からDounauwoerthからの路線、右からRegensburgから路線が合流すると、Ingolstadt Hbfである。一部のICEが停車する駅であるが、この列車は広い構内の真中を通過、再び加速する。

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左右は防音壁に囲まれるが、その向こうにはこじんまりとした市街地が垣間見える。

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列車は160km/h程度を維持し、近代的なトラム橋でドナウ川を渡ると、まもなくIngolstadt Nordの構内が見えてくる。列車は構内の真中でAudi トンネル(全長1138m)に突入しながら一気に加速する。ここまで82kmは改良新線区間、そしてこの先は高速新線区間となる。

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Ingolstadt Hbf - Nuernberg Hbfは89km、そのうち78kmが高速新線NBS Nuernberg - Ingolstadtである。このNBSはNBS Koeln-Rhein/MainのようにICE 3専用線ではなく、その他のICEや客車列車も入線する。さらに、設計上は貨物列車の走行も考慮されており、最急勾配は20パーミルに抑えられており、線形も比較的良い。設計最高速度は300km/hであるが、このスピードで走ることが出来るのはICE 3だけである。NBSの全長78kmのうち、27kmがトンネル区間であり、特にIngoldtadt寄りにトンネルが集中している。
Audiトンネルに抜ける頃には、さらに加速する。

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Geisbergトンネル(3289m)、Stammhammトンネル(1320m)を抜けると、左側にアウトバーンA9が寄り添う。300km/hに達し、Denkendorfトンネル(1925m)に入る。

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難工事を経て完成したIrlahuellトンネル(7260m)に入る。トンネルを抜けるとREが停車するKindingを通過、すぐにSchellenbergトンネル(650m)を経て、このNBS最長のEuerwangトンネル(7720m)を抜ける。A9はここでは右側に寄り添っている。こちらは300km/hで快走、このスピードなら車は勝負にならない。

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Offenbauトンネル(1331m)は当初は切り通しとなるはずの区間であったが出水が多く、トンネルに切り替えられた。
このNBSはスラブ軌道、LGV-Estもバラスト軌道で建設したフランスとは対照的である。素晴らしい乗り心地を維持しながらMain-Donau運河を渡り、最後のトンネルとなるGoeggelbuchトンネル(2287m)を抜ける。

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右側には相変わらずA9が並走、交通量の多さには驚く。REのみが停車するAllerdbergを通過する。KindingもAllerdbergも本線の外側に待避線があり、そこに対向式ホームが設けられている。もうNuernbergまでは25.4kmを残すのみである。

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列車は300km/hでの走行を続ける。この辺りは直線的に路線が伸び、乗り心地も特に良い。ラウンジを占める若者たちは皆寝入っている。運転士はちらっと後方を見て、皆寝ていることにがっかりしたようだ。代わりに、前を熱心に眺める私に軽く愛想笑いをした。

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Nuernbergまで残り14kmとなった頃に減速を開始、残り11.5kmとなった頃、信号は300km/hから220km/hを指し、列車はさらに減速していく。
右から近づいてきたRegensburgからの路線に合流すると、高速新線区間は終わる。
軌道はバラスト軌道となる。ここからは最高130km/hとスピードが上がらない区間である。右側をS-Bahnが並走する。車窓にはビルや住宅が目立ってくる。列車は徐々に減速していく。Nuernberg-Dutzendteichを通過する。

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S-BahnのNuernberg-Gleisshammerの脇を通り過ぎると大きく左にカーブすると、正面に広大なNuernberg Hbfが見えてくる。

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ローカル列車が何本も停車しているのを眺めながら列車はさらに減速、ゆっくりと6番線に入線する。

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8時57分、Nuernberg Hbfに到着、1分の早着、Muenchen - Nuernberg間171kmを61分で走破したことになる。変化に富んだ車窓と、新線の威力、そしてICE 3の魅力を満喫した1時間であった。

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