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40 Jahre Eisenbahnmuseum Bochum [ドイツ鉄道イベント]

 Bochum-DahlhausenにあるEisenbahnmuseum Bochum ボーフム鉄道博物館は多くの貴重な車両を収蔵することで有名である。2017年、ボーフム鉄道博物館は40周年を迎え、さらにDeutsche Gesellschaft für Eisenbahngeschichte ドイツ鉄道歴史協会が50周年を迎えることから、4月29日・30日とボーフム鉄道博物館で” OST TRIFFT WEST” 「東が西に出会う」というテーマで記念イベントが開催されている。晴天となった29日、早速足を運んだ。
 29日Düsseldorf Hbfを10時過ぎに出るREに乗車、Essen Hbfまでは30分程で到着する。ボーフム鉄道博物館へは普段はS-Bahnに乗てBochum-Dahlhausenまで行き、そこから20分程歩く必要があるが、イベント開催中はEssen Hbfから博物館まで特別列車が運転されている。
 特別列車が発車する10番線へ向かい、入線を撮るべくホーム先端へ向かうと、70代の鉄道ファンAさんに声をかけられた。Aさんはまさに神出鬼没で、すでに4回も撮影時に遭遇している。そして、一度出会うと撮影の傍ら、ひたすら鉄道話をマシンガンのように語り続けるのだが、私のドイツ語力では3割理解するのも精一杯、それでも構わず話し続けるという人である。70年生きても鉄道は本当に面白いテーマだね、というAさん、早速Essen Hbfで停車していた列車を順番に解説し始める。それを聴いているうちに (正確には聴こうと努力しているうちに)、特別列車が姿を現した。

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 牽引するのはボーフム鉄道博物館が所有する元プロシア鉄道P8形、38 2267である。1918年製ということは御年99歳、それでもこうして本線を走るのだから、立派なものだ。客車を挟んで、最後部には212形ディーゼル機関車が連結され、Essen Hbfと博物館の間をプッシュプル運行しているのである。
Aさんと別れ、何となく付いて来た妻と共に特別列車に乗り込む。かなりの乗客が乗り込んだが、車内は空席も多く、妻と共にボックスシートを占めることが出来た。10時59分に212形を先頭にゆっくりと列車は発車、最高60km/hでゆっくりと走る。ゴトゴトと揺れはあるが、腰掛はクッションが効いているし、乗り心地は上々。何よりも、この雰囲気を味わうだけでも楽しい。クラシカルな制服を纏った車掌が回って来たので、往復分の乗車券と博物館の入館券を購入する。列車はEssen Steele、Essen Steele Ostと2駅に停車し、イベントがすでに始まっている博物館を通過したところで一旦停止。今度は進行方向を逆にして、ゆっくりと博物館内へ入っていき、扇形機関庫の横に設けられたプラットホームに11時20分に到着する。

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 博物館の手前には広大な臨時駐車場が設けられ、すでに多くの来場者が集まっている。もちろん鉄道ファンも多いが、日本のイベントに比べて年齢層が高く、高齢者も多い。夫婦連れ、家族連れも多く、賑やかではあるが、どこかのんびりとした雰囲気である。
 1面2線のプラットホームの反対側からは博物館とBochum-Dahlhausen駅を結ぶシャトル列車も運転されている。こちらは西ドイツで最後に新製された旅客機23形のうちオランダで保存されている23 017と、東ドイツで戦後に新製された貨物機23.10形 (1970年に35形に改称)の 35 1097の2両の蒸機が前後に連結されてプッシュプル運転を行っている。さらにホームの向こうの側線では、41 1150がテンダーに来場者を乗せ、構内を行き来している。

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 まずは各地から集結した東西ドイツの車両をゆっくり見て回る。

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 扇形車庫の前では転車台が動き回り、入れ替え機が機関車を順番に引き出して展示している。端には私の好きな重貨物機44形044 377が停まっている。残念ながら静態保存であるが、デッキに上がることが出来ただけでも嬉しい

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 55形・66形・74形・97形と蒸気機関車のバリエーションも豊富である。

 旧DB・DRのディーゼル機関車、電気機関車もイベントに合わせて終結している。その中でも私にはV200がハイライト。今回ようやくじっくり見ることが出来た。V200 017とV200 033の2両が展示されていたが、特に後者はオリジナルの美しい形態を保っていた。

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 一方で元DRのV180、118形もまた異なる機能美を感じさせ、別の魅力がある。こういった比較をしながら見るのも楽しいものである。

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 109形 (元211形)や142形など、DRの電機を見るのも今回が初めて、これだけの両数を集めてくるのもさぞかし大変であったであろう。

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 車両を見て回っている間にも、中央では盛んに蒸気機関車が動いて回り、汽笛やブラスト音が絶えない。さらにRuhralbahnを遊覧するレールバスも姿を現し、まことに賑やかである。

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 会場内ではソーセージやステーキなど炭火で焼いてパンに挟んで売る屋台と飲み物を売る屋台が出ている。その香りに誘われて、豚ステーキにザワークラウトを挟んだパンとビールを調達し、食事スペースに設置されたベンチで昼食を摂る。すると2個隣のテーブルにAさんがいて、二言三言交わすと、向かい側に座っていた初老の男性から話しかけられた。アーヘンから来ているとのことで、アーヘンの大学から娘さんの進学、アーヘンの鉄道模型店、車の盗難の多さ、モータースポーツなど、私の理解力に限界があるにも関わらず、取り留めのない話が続く。
 話を終えて別れたところで、機関庫内へ足を向ける。ここでは鉄道グッズや書籍が販売されてり、せっかくなので蒸気機関車のプレートの複製品をいくつか記念に購入した。その一角ではワッフルとコーヒーも売られており、妻の希望でデザートタイムとした。列に並んでいると、初老の男性が「鉄道も食事も楽しむなんて素晴らしい!」と。今日はどうもよく声をかけられる。
 
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 貨物機41形は2両来ている。忙しく構内を動き回っていた41 1150は元DRでボイラーが交換され、バイエルン鉄道博物館で動態保存されており、昨年も見た機関車である。もう1両の41 096は元DB、こちらも新型ボイラーに交換されているが、両者の形態は全く異なる。

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 午前中、乗客をキャブに乗せて構内を忙しく行き来していた41 1150はその任を38 2267に譲り、今度は41 096は38 2267に代わってEssen Hbfに向かうシャトル列車の先頭に立った。


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 ドイツ蒸気の代表格、01形はボーフム鉄道博物館に収蔵されている元DBの01 008の他、元DRでボイラーを交換された01 0509、そして元DBで新型ボイラーに交換された01 180が集結している。01 180はNӧrdlingenのバイエルン鉄道博物館で動態保存されており、昨年この機関車の牽引する列車に乗車したこともあって、愛着がある。形態的にも01 180が私の好みである。01 180は午前中は博物館の隅にいて姿が見られなかったが、午後になって移動して01 0509と前後で並び、じっくりと観察することが出来た。

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 01 180をじっくり撮る。01形の人気は高く、撮影者も絶えないが、殺気立った雰囲気はない。同時にカメラを向けるファンはせいぜい10人程度、譲り合って撮影できるレベルである。機関車の目の前に立って記念撮影する人もいるが、しばらくすると、機関車の周りで撮っているうちの一人が「ハロー」と声をかけて離れてもらい、何カットか撮影したら満足するといった具合で、落ち着いたものである。
 老体に鞭打って構内を往復する38 2267をはじめ、行き来する車両を眺めるのも楽しい。

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 01 180を撮っていると、再びAさんが現れた。01はどれも格好良いけど、01 180は良いね、と話したら、妻に「あの機関車が彼のZweite Liebeだよ」と話す調子の良さ。もちろん、私には01の解説もひたすら続く。この人の鉄道への情熱と知識の膨大さには驚くばかり、70年の鉄道ファン歴は伊達ではない。そのマシンガントークぶりには、横にいた妻も圧倒されるばかりであった。
 2時間くらいで帰るつもりが、居心地が良くて長居してしまい、15時も過ぎてしまった。好きな機関車の写真をもう一度撮って回った後、Aさんにそろそろ帰るよ、と伝えたら、友人を紹介され、ちょっと談笑し、別れを告げた。とはいえ、この勢いでは近いうちにまた遭遇しそうであるが、
 プラットホームの近くで、Essen Hbfから来た41 096が38形と並走したところを撮ったところで、Essen Hbfに戻る列車に乗車する。

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 朝と同じくボックスシートに座る。定刻より15分遅れの15時45分に発車、まずは212形を先頭に走り、博物館を出たところで一旦停止して、進行方向を変え、今度は41形を先頭に走る。沿線では老若男女問わず、多くの鉄道ファンがカメラを構えている。

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 このような鉄道イベントは妻には興味が湧かないと思ったが、とても楽しかったと喜んでいて、蒸気機関車の写真もかなり撮ったようだ。女性でも熱心に写真を撮っている人も多かったし、やはり蒸気機関車の魅力は格別なのであろう。Essen Steele Ost、Essen Steeleを過ぎ、Dortmundからの本線と合流する。蒸気列車で最新のREと並走し、ICE 3とすれ違うというのも楽しいものである。

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 列車は16時過ぎにEssen Hbfに到着、ここから折り返して再び博物館に向かう。慌ただしく発車する列車の最後尾に連結された41形蒸気機関車を撮影し、楽しい一日を終えたのであった。

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