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7月27日 Tokyo → Frankfurt (M) → Wien [ドイツ・オーストリア鉄道旅行 2013]

 夏季休暇を利用してオーストリア・ドイツを巡った。7月26日仕事を慌ただしく終え、職場に近い自宅で準備を整えて出発、19時半過ぎに総武線快速に乗り、山手線と東京モノレールを乗り継ぐ。夜の空港行モノレールは空いている。20時30分過ぎに羽田空港国際線ターミナルに到着、ロビーで同行する友人と合流する。
 そろそろ夏休みシーズンということもあってか、ターミナル内は深夜便を利用する搭乗客が集まり始めているが、混んでいるというほどでもない。10分程で搭乗手続きは終了する。今回はFrakfurt Main行NH203便 (LH7237便のコードシェア)を利用する。ルフトハンザのホームページで予約した際には33列を座席指定したが、この便のシートマップを見ると31列までしかない。きちんと座席が割り当てられるか心配したが、29列に席が確保されていた。ただし、元々は通路側に座るはずが、3人席の真中になってしまった。
 モバイルWiFi機材をレンタルし、買い物をゆっくりと済ませてもまだ21時半前である。搭乗までは時間があるので、ターミナル内で比較的空いているイタリアンレストランに入る。友人とビール1杯ずつ、さらにワインを2本。23時20分に店を出て出国審査を通過する。それでもまだ余裕があるので、ハイボールを1杯。ここまで飲むと、それなりに酔いも回ってくるというもの。
 7月27日に変わった0時20分に搭乗口に向かい、待つことしばし。0時35分に搭乗開始となる。B787に乗るのは初めてである。トラブルも色々と伝えられているが、あまり気にしても仕方がない。

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 機内はほぼ満席のようだ。定刻の1時に出発、すぐにNH203便は離陸、その直後には消灯される。機内ではサンドイッチや飲み物のサービスがあるはずだが、搭乗までに散々飲んで食べている私はすぐに寝入ってしまい、全く気が付かなかった。
 目が覚めると、もうシベリア上空、出発から3時間半が経過している。まだ到着までは長い、もう一度寝たいところだが、狭いエコノミークラスのこと、一度目が覚めてしまうとそう簡単には眠れない。機内エンターテーメントサービスも大して興味が湧くものはなく、途中でトイレに立ち、ギャレーで飲み物とサンドイッチをもらった以外はただ我慢するしかない。B787は静かで、湿度や気圧も高めで疲れにくいと聞いていたが、はっきり分かるほどではないし、どんな飛行機でも眠れないと長距離フライトは辛い。
 到着2時間前に朝食のサービスがある。洋食はポーチドエッグ、和食は十穀米と焼き鯖というメニューで、私はおすすめだという和食メニューを選択する。和食には味噌汁が付くのが売りのようだが、味噌汁くらいは洋食メニューの乗客に配っても良さそうなものだ。それにしても、深夜便とはいえ、シンプルなサービスである。

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 到着1時間前にドイツ上空へ、外はまだ真っ暗である。ベルリン上空を過ぎ、いよいよ着陸態勢に入る頃、ようやく空が白み始めた。Frankfurt Mainの摩天楼、通称マインハッタンを右にみて、5時20分にFrankfurt am Main国際空港の新しい滑走路25Rに着陸する。
 定刻よりもかなり早い到着である。大空港といってもこの時間の到着便は少なく、入国審査もすぐに通過する。
時間があるので、空港ターミナル内を散歩し、Frankfurt Flughafen Fernbahnhof長距離駅にも足を向ける。単なる駅舎ではなく、ホテルや商業施設、国際会議場が入りThe SQUAIREと呼ばれる総合施設となった長距離駅のコンコースには、誇らしげに「ヨーロッパ最長のタワービルディング」という看板も掲げられている。

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 長距離駅の裏に出ると、アウトバーンが走っている。気温は22度、蒸し暑い日本から来ると非常に気持ち良い。再び空港第1ターミナルに戻り、手荷物検査を通過する。今度はOS128便 (LH7332便のコードシェア)でウィーンに向かうのである。まだ時間があるので、グーラッシュにビールを1杯。ドイツでの最初の1杯である。

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 OS128便はバス連絡、7時15分過ぎにゲートを通過して地上に下り、連接式バスに乗車する。しばらく待ってバスは発車、どうやらOS128便は空港の隅に駐機しているようで延々と空港内を西へと向かうが、ルフトハンザをはじめ様々な航空会社の機材を見ることができ、これはこれで楽しい。

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 OS128便はA320による運航である。タラップを上がり、後方の指定された座席に座る。この便もほぼ満席のようだ。

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 7時45分定刻に出発、トーイングカーに牽引されることはなく、その場でエンジンを起動し、ゆっくりと出発する。滑走路の手前で少し待たされるが、8時前には離陸する。天候は晴れ、上空から眺める広々としたドイツの田園光景は清々しい。

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 ここで少しだけ寝る。気が付くと、機内では飲み物とパンのサービスが行われている。短距離路線でもこのようなサービスが残っているようだ。サービスが行われている間に飛行機は降下を開始するが、客室乗務員に焦る様子はない。飲み物を配り終えたら、すぐにゴミを回収し、着陸には間に合わせるのだから慣れたものである。
ドナウ川を横目に着陸態勢に入る。

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 ウィーン市街を右に見て、8時55分、ウィーン国際空港に着陸する。憧れのウィーンとなると心も浮き立つというものである。ゆっくりと飛行機を降り、手荷物受取所に向かうと、壁面には楽譜、さすがは音楽の街である。さして待つこともなくスーツケースが出てくる。チューリッヒも早かったが、ウィーンも早い。

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 ここからは空港連絡鉄道City Airport Train CATに乗車する。到着ロビーに出て、地下ホームに向かい、自動販売機でチケットを購入する。英語表示にできるので、迷うことはないが、ノンストップのWien Mitteまで11ユーロは安くはない。
 地下ホームに下りると、列車が既に停車していた。牽引する機関車は専用塗装が施されたSiemens製Taurusの1016 014、これに2階建て客車3両が連結されている。CATは2002年に運行を開始した。空港からWien Mitteまでの20kmをノンストップ、16分で結び、日中30分間隔で運転されている。運行はÖBBとFlughafen Wien Aktiengesellschaftが設立したCity Air Terminal Betriebsgesellschaft mbHが行っている。なお、空港からWien MitteまではS-Bahn S7系統が並行しているが、25分を要する代わりに運賃は半額以下である。
2短距離を走る列車ということもあり、車内はシンプルな座席配置、ドイツの近郊型2階建て客車に似ている。料金が高すぎるのか、時間帯が悪いのか、車内は空いている。2階席に座る。

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 9時36分定刻に発車した列車はウィーン市街へと向かう。路線はカーブが多く、大してスピードは出ない。せいぜい100km/hくらいだろうか。Wien Geiselbergstraßeを通過すると地下に潜り、定刻の9時52分にWien Mitteに到着する。

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 駅構内ではオーストリア航空やルフトハンザなどのチェックイン・カウンターがある。ショッピングモールも併設されており、時間が余ったので、スーパーマーケットを見て回る。チーズや肉加工品の品揃えはさすがはヨーロッパである。ここでミネラルウォーター買う。行き違えもあったが、10時半前に待ち合わせていたYさんと無事に合流する。この知人は母の旧友、ウィーンのオーケストラに就職し定年まで勤め上げ、そのままウィーンに住んでおり、今回ウィーン案内を買って出てくれたのである。

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 Wien Miite駅には地下鉄U-BahnのLandstraßeが併設されている。まずはウィーン市内交通の24時間チケットを購入し、地下鉄U3 Ottakring行に乗車し、Westbahnhofへ向かう。クロスシートの並ぶ車内は座席が8割方埋まっている。Westbahnhofには15分程で到着、まずは今夜の宿となるMotel One Wien Westbahnhofにチャックインする。ここはWien Westbahnhofの改装に伴って完成したショッピングモールに併設されたホテルである、まだ早い時間だが、問題なくチェックインでき、荷物を置いて、すぐに観光に出発する。
 再びU3 Simmering行に乗車、10分程乗車し、Stephansplatzで下車する。地上に出ると、眼前にウィーンのシンボル、Stephansdom シュテファン寺院がそびえ立つ。寺院前の広場は観光客で一杯、その間をかき分け、寺院内に入る。ミサということで入口付近までしか進むことは出来なかったが、それでも様々な装飾が施された壮大な内陣は見応えがある。

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 続いて、ウィーン一の繁華街Kärntner Str.ケルントナー通りを南下する。Yさんによると以前は高級ブティックや古い商店が並んでいたらしいが、今は観光客目当てのお土産店や大手チェーンの店舗ばかりになり、随分雰囲気も変わり、派手な看板も増えて不全が亡くなってきた、とのことであった。今日のウィーンは30度を超えている。湿気が少ない分、東京よりは楽だし、日蔭に入れば楽にはなるが、それでも暑いことには変わりない。

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 汗を拭きながら歩くこと10分程で、ホテルザッハーに着く。言うまでもなく、ホテルザッハと言えば、ザッハトルテであり、お土産に何個か購入する。
 このザッハトルテが重い。これを持って、暑い中を歩くのは中々苦痛である。ここからは。ウィーンの中心街を囲む環状道路Ringに沿って歩き、今度はウィーンの最高級ホテルであるインペリアルホテルへ。インペリアルホテルのチョコレートケーキ、インペリアルトルテも有名で、同僚からザッハトルテと食べ比べしたいと言われており、わざわざ買いに来たのである。ここでもトルテを何個か購入し、いよいよ荷物は重くなる。
 インペリアルホテルの隣は音楽の殿堂、Musikverein楽友協会である。これまでに様々な名演が繰り広げられたMusikvereinだが、夏のこの時期はウィーン・フィルはザルツブルク音楽祭に出演しており、これといった客演もない。観光客向けのモーツァルトの演奏会は開かれており、ウィーンの観光名所ではモーツァルトに扮した切符売りが沢山いるが、さして興味は湧かない。Yさんもあまりお勧めしないとのこと。
 ところで、Musikvereinの楽屋口は狭い路地を挟んでインペリアルホテルの裏口と向かい合っている。昔、Hervert von Karajanは開演の直前にホテルからMusikvereinに入り、演奏が終わると、すぐに楽屋口からホテルに戻ったとか。そんな逸話をYさんから伺うのも楽しいものである。

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 我々はさらに東へ向かい。Konzerthaus コンツェルトハウスに近いレストランに入る。昼食はTafelspitzという牛肉の煮込み料理、ウィーンの名物料理の一つで、なかなか美味であった。ハプスブルク家の実質的に最後の皇帝となったFranz Joseph Iはフランツ・ヨーゼフ1世はウィーン料理を好んだというが、それも理解できる。

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 食事を終え、5分程歩いてKarlsplatzへ。ここでYさんと別れる。荷物があまりに重いので、一旦ホテルに戻ることにする。U4 Hütteldorf行に乗車、4駅目のLängenfeldgasseでU6 Floridsdorf行に乗り換える。U6は一旦高架を走り、Gumpendorfer Straßeを経て地下に戻ればWestbahnhofである。
 ホテルでトルテを置き、再び出発するが、Westbahnhofのショッピングモール内に郵便局がありまだ営業中だったので、日本に発送することにする。これだけのトルテを持ち歩くのは無理だったので、ちょうど良かった。箱を買って手続きを済ませるのに、20分程を要した。
 再びU3に乗車し再びウィーン中心部に向かい、4駅目のHerrengasseで下車する。まずは1918年までハプスクブルク家の住居だったHofburg王宮へ向かう。銀器や財宝などはともかく、装飾は豪華でも、随所に飾られた家族の肖像やトイレ・浴室など、案外人間味を感じさせる。

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 Hofburgの隣はSpanische Reitschule、スペイン乗馬学校。ウィーンフィルのニューイヤーコンサートの映像でお馴染みである。ここからReitschulgasse 乗馬学校通りを南下し、Albertinaを過ぎるとStaatsoper 国立歌劇場に着く。

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 歌劇場はザルツブルク音楽祭期間中ということで休演しているがガイドツアーは行われている。中に入ると、16時からのガイドツアーが始まるところだったので、英語ツアーを申し込む。Staatsoperのガイドツアーは大人気で、エントランスは多くの観光客でごった返している。蒸し暑い中で待つこと10分程、ようやくガイドツアーが始まる。英語ツアーの参加者は多く、2つのグループに分けられ、我々のグループは中年の女性が担当する。堪能な英語でユーモアを交えてのガイド、その全てを理解できたとは言い難いが、それでも十分に楽しめる。まずは客席の中央で歌劇場の歴史と概要の説明があり、その後劇場内を回りながらの案内が続く。興味深いのは舞台裏、様々な機器が並び、想像以上に広大である。今は静かだが、公演中はどのようになるのか、想像をかき立てる。
 さらに舞台に向かって正面にある中央ボックス席へ。確かにオペラを楽しむには絶好の席である。急なキャンセルなどがあって予定されていた演目が上演できない時の”Emergency Opera”は「トスカ」なんて裏話も聞く。メインキャストが少なく、時間も短いため、準備しやすいのだとか。

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 40分程の興味深いツアーが終わり、お土産を少々買った後、ウィーン名物のトラムと歌劇場を一緒に撮影する。

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 KarlsplatzからU1 Leopoldau行に乗車する。Vorgartenstraßeを出発すると地上に出て、ドナウ川を渡る。Donauinselを過ぎると、今度は新ドナウ川を渡る。次のKaisermühlen – Vienna International Centreには国連の施設がある。古ドナウ川を渡り、さらに北西に向かって、終点のLeopoldauには17時35分に着く。
 ここでYさん・Yさんの奥さんと会い、Yさんの運転する車で10分程走ったところにあるホイリゲへ向かう。ホイリゲは新酒の意味があるが、新酒を飲ませる酒場もホイリゲと呼ばれる。ウィーン郊外の各所にホイリゲはあるが、観光客目当てで、質の悪いワインを混ぜた店も多いとのこと。そんな中で、地元の人しか行かないというホイリゲに連れて行ってもらったのである。
 夕方とはいえまだ暑いが、屋外の席に座る。店内は空いている。いつもは混んでいるそうだが、まだ暑すぎるのではないかとのこと。その言葉を裏付けるように、涼しくなるにつれ客が増えてくる。辛めの飲みやすいワインを楽しみ、つまみはビュッフェカウンターで頼むが、どれも美味しい。ドイツ料理のように塩と胡椒だけの味付けでなく、ウィーン料理はもっと味わい深いなんて話を聞いているとワインも進む。

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 せっかくここまで来たのだ、近くのもう一軒のホイリゲで最後の一杯。それにしても、深夜便であまり眠れず、ずっと起きているため、急に眠気に襲われる。

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 再びLeopoldauに送っていただき、ここで感謝を述べてYさんと別れる。我々は今度はS-Bahnに乗る。まもなく21時だが、まだ陽が沈んだばかりだ。

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 HandelskalでU6 Siebenhirten行に乗り換える。まともに起きていられなかったが、友人が元気で助かった。Westbahnhofに無事に到着し、水を買ってホテルに戻り、21時30分には寝た。
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