終焉が近づく120形 [ドイツ鉄道 電気機関車]
現在、三相誘導交流電動機は多くの鉄道車両で用いられてるが、この技術を利用し、初めて量産された機関車が120形である。120形は最高200km/hのInterCity (以下IC)から重貨物列車まで幅広い用途に対応する汎用電機機関車として設計され、1979年から1980年にかけて製作された5両の試作機によって培われた技術を元に、1987年から量産が開始された。DBは当初は大量に増備し、103形や150形などを置き換えることも計画していたが、120形は高コストであったこと、IC用としても重貨物列車用としても性能が中途半端だったこと、さらに故障が多発し信頼性が低かったことから、量産はわずか60両で打ち切られてしまった。
DB博物館コブレンツの機関車パレードに登場した量産機120 101
種々の試験に用いられた試作機は2011年までに引退し、量産機も登場後30年目を迎えて数を減らしており、この歴史的な機関車にも終焉の時が近づいている。そんな120形の動向がEisenbahn Kurier誌2017年9月号に掲載された。以下、同記事を元に、現況をまとめておきたい。
DB博物館コブレンツで保存される試作機120 004
● DB Fernverkehr
量産機120 101-160はドイツ鉄道の分割民営化後、長らくドイツ鉄道の長距離輸送部門に配属され、長らくICを中心とする長距離列車に充当されてきた。2017年7月末時点でDB Fernverkehrで現役なのは120 101-105, 108, 111-115, 118-120, 123, 126-127, 132-134, 137, 141, 143-153, 155, 159の35両である。このうち、120 105はNürnberg、120 115はKӧln、120 151はMünchen、120 152はDortmundに緊急時に備えた予備機として常駐している。
IC運用に入る120 120
2012年12月末の段階でDB Fernverkehrにおいて、120形の定期運用は37両使用であったが、2017年夏にはわずか19両使用まで減少している。現在の運用を如何に記す。
SFM1 120 (1両使用):
EN 452/453 (Paris – Moskauに週1回運行) Berlin-Lichtenberg Ost – Karlsruheや、Berlin – Hamburgの定期回送列車Pbz 2456 (火), 2457 (木)を担当する。
SFM2 120 (8両使用):
主にIC-Linie 61 (Karlsruhe – Stuttgart – Aalen – Nürnberg)のICを牽引する他、IC 2393/94 (Frankfurt (M) – Fulda)、さらに週末に設定されるIC も担当する。具体的には以下の通り。IC 1927 (金), 1952 (日), 1956 (日), 1957 (金), 1959 (金), 1998 (土), 2242(土), 2343 (日), 2379 (日), 2404 (金), 2419(月)。
SFM3 120 (8両使用)
EN 462/463 (Salzburg – München)、IC 2095/98 (Berlin - München)、IC 2300/01 (Berlin - München)、IC 2303/04 (Berlin - München)、IC 2355/56 (Rostock - München)を担当する。
SFM6 120 (2両使用)
予備機として日中はLeipzigに待機するほか、IC 1005/1012でBerlin-GesundbrennenとLeipzigを往復する。
● DB Regio
長距離輸送で活躍してきた120形だが、2007年に120 116/129/107/128/121の5両が120 201-205に改番され、DB Regioに移籍した上でRostockに配属され、Rosock – Schwerin – Hamburgを結ぶRE 1に2階建て客車と共に投入された。
さらに2010年には120 117/136/139の3両も120 206-208に改番され、DB Regioに移籍しAachenに配属された。これらの3両はRE 9 Aachen – Kӧln – Siegenで運用された。
2017年7月現在、Aachenに残る120 206/207の2両はRE 10904 (月-金), 10909, 10916, 10921, 10928, 10933 (日)で運用されている。一方、Rostock所属機については、2016年12月のダイヤ改正でRE 1の運用は182形に譲ったが、予備機として残存しており、現在も運用される機会は多い。また、2017年春の一時期にはDB Regioが担当したHamburg-Kӧln-Expressの牽引に充当された。
HKXを牽引する120 205
● DB Systemtechnik / DB Netz
120 125/153はDB Systemtechnikに、120 160はDB Netzに所属し、いずれもMindenを拠点に事業用車両として、各種試験に用いられている。
技術の進化に伴い、120形の部品確保が困難になっており、すでに120 106/124/131/135/138/156からは部品取りが行われた他、Dessauには120 140、Müchenには120 110/208が部品取り用に留置されている。さらに、最近では120 122/154も現役生活を終え、Hammに回送された。
2017年8月に刊行されたEisenbahn-Kurier-Aspekt “DB-Lokomotiven und Triewagen 2017“によると、120形はもはや主要検査は行わず、2018年末で引退となる可能性もあるようだ。新しい時代の開拓者となった120形もいよいよ終焉が近いようである。
DB博物館コブレンツの機関車パレードに登場した量産機120 101
種々の試験に用いられた試作機は2011年までに引退し、量産機も登場後30年目を迎えて数を減らしており、この歴史的な機関車にも終焉の時が近づいている。そんな120形の動向がEisenbahn Kurier誌2017年9月号に掲載された。以下、同記事を元に、現況をまとめておきたい。
DB博物館コブレンツで保存される試作機120 004
● DB Fernverkehr
量産機120 101-160はドイツ鉄道の分割民営化後、長らくドイツ鉄道の長距離輸送部門に配属され、長らくICを中心とする長距離列車に充当されてきた。2017年7月末時点でDB Fernverkehrで現役なのは120 101-105, 108, 111-115, 118-120, 123, 126-127, 132-134, 137, 141, 143-153, 155, 159の35両である。このうち、120 105はNürnberg、120 115はKӧln、120 151はMünchen、120 152はDortmundに緊急時に備えた予備機として常駐している。
IC運用に入る120 120
2012年12月末の段階でDB Fernverkehrにおいて、120形の定期運用は37両使用であったが、2017年夏にはわずか19両使用まで減少している。現在の運用を如何に記す。
SFM1 120 (1両使用):
EN 452/453 (Paris – Moskauに週1回運行) Berlin-Lichtenberg Ost – Karlsruheや、Berlin – Hamburgの定期回送列車Pbz 2456 (火), 2457 (木)を担当する。
SFM2 120 (8両使用):
主にIC-Linie 61 (Karlsruhe – Stuttgart – Aalen – Nürnberg)のICを牽引する他、IC 2393/94 (Frankfurt (M) – Fulda)、さらに週末に設定されるIC も担当する。具体的には以下の通り。IC 1927 (金), 1952 (日), 1956 (日), 1957 (金), 1959 (金), 1998 (土), 2242(土), 2343 (日), 2379 (日), 2404 (金), 2419(月)。
SFM3 120 (8両使用)
EN 462/463 (Salzburg – München)、IC 2095/98 (Berlin - München)、IC 2300/01 (Berlin - München)、IC 2303/04 (Berlin - München)、IC 2355/56 (Rostock - München)を担当する。
SFM6 120 (2両使用)
予備機として日中はLeipzigに待機するほか、IC 1005/1012でBerlin-GesundbrennenとLeipzigを往復する。
● DB Regio
長距離輸送で活躍してきた120形だが、2007年に120 116/129/107/128/121の5両が120 201-205に改番され、DB Regioに移籍した上でRostockに配属され、Rosock – Schwerin – Hamburgを結ぶRE 1に2階建て客車と共に投入された。
さらに2010年には120 117/136/139の3両も120 206-208に改番され、DB Regioに移籍しAachenに配属された。これらの3両はRE 9 Aachen – Kӧln – Siegenで運用された。
2017年7月現在、Aachenに残る120 206/207の2両はRE 10904 (月-金), 10909, 10916, 10921, 10928, 10933 (日)で運用されている。一方、Rostock所属機については、2016年12月のダイヤ改正でRE 1の運用は182形に譲ったが、予備機として残存しており、現在も運用される機会は多い。また、2017年春の一時期にはDB Regioが担当したHamburg-Kӧln-Expressの牽引に充当された。
HKXを牽引する120 205
● DB Systemtechnik / DB Netz
120 125/153はDB Systemtechnikに、120 160はDB Netzに所属し、いずれもMindenを拠点に事業用車両として、各種試験に用いられている。
技術の進化に伴い、120形の部品確保が困難になっており、すでに120 106/124/131/135/138/156からは部品取りが行われた他、Dessauには120 140、Müchenには120 110/208が部品取り用に留置されている。さらに、最近では120 122/154も現役生活を終え、Hammに回送された。
2017年8月に刊行されたEisenbahn-Kurier-Aspekt “DB-Lokomotiven und Triewagen 2017“によると、120形はもはや主要検査は行わず、2018年末で引退となる可能性もあるようだ。新しい時代の開拓者となった120形もいよいよ終焉が近いようである。