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(Oct 13, 2014) Vienna - Innsbruck - Garmisch-Partenkirche - Zugspitze [ドイツ・オーストリア鉄道旅行 2014]

 旅行3日目は早朝4時半過ぎに起床する。5時半にはホテルをチェックアウトし、目の前のウィーン国際空港のターミナルに歩く。早朝だが、案外ターミナル内には利用客が多い、Innsbruck インスブルック行オーストリア航空OS 915便 (運行はチロリアン航空) の搭乗手続きを済ませる。搭乗手続きはもちろん、手荷物を預けるのもセルフサービスとなっており、思ったよりもスムーズで時間が余ったので、フードコートで朝食を済ませる。

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 OS 915便は沖止め、日の出前で暗い中をバスで移動する。OS 915便はフォッカー100による運行、見るからに小さい飛行機で、搭乗にも時間がかからない。

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 6時40分に出発、プッシュバックすることなくエンジンを起動するとそのまま前進して滑走路に向かい、6時44分には離陸する。雲の上に出るともう明るくなってきていた。機内はビジネスマンらしき人の姿が目立ち、ほぼ満席である。所要1時間にも満たないフライトとはいえ、パンと飲み物のサービスがある。手早くサービスが行われると、もうシートベルト着用サインが点灯する。機窓には延々と連なるアルプスの山々が広がる。飛行機は徐々に高度を落とし、山々の間に下りていく。インスブルック市街地の真上を通過し、周囲を住宅に囲まれたインスブルック空港に7時29分に着陸する。
 インスブルック空港でも沖止めとなるが、ここでは歩いてターミナルに入る。一応国際空港のはずだが、随分とのんびりした空港である。ターミナルも小ぶりだ。

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 スーツケースもすぐに出てきて、インスブルック中央駅に向かうバスに無事に乗車することができた。インスブルックの中心街を通り、20分程で中央駅に着く。

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 中央駅で書店などをのぞきながら時間をつぶし、8時半前に21番線ホームに向かう。

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 ここからはいよいよ鉄道の旅、トップバッターはMünchen Hbf行REX 5408である。München – Innsbruck間のREは長らく111形牽引の客車列車で運行されていたが、先頃Bombardier製Talent 2に置き換えられ電車化された。新しい車両になるのは一般的には歓迎されるのであろうが、味わいがなくなって寂しく感じるのも事実である。Talent 2はドイツでは442形とされているが、ドイツ中で大量に導入が進んでおり、ナンバーも溢れたため今回乗車する車両の形式は2442形と表記されている。
 Talent 2に乗車するのは初めてである。外観のデザインはどうも好きになれない。車内はドイツ鉄道の地域輸送列車の標準的なものである。テーブル付きの座席や自転車置き場もあり、窓も大きくて悪くはないが、シートピッチは広いとは言い難く、座席も硬い上、最近の新型車両なのに電源がないといった点が欠点であろうか。窓際の小さなテーブルに沿線案内マップが描かれているのは面白い。

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 最初は1等に座ったが、車内が空いていることもあり、気分が変わって2等席に腰を下ろす。列車は定刻の8時38分に発車、Brenner方面からの路線と分かれ、左手にスキーのジャンプ台Bergisel-Sprunstadionが見ながら、Innsbruck Westbahnhofに停車する。駅の横にはスキーの特別塗装が施されたRailJetが停車している。

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 Westbahnhofを出発すると列車はスイス方面の路線と分かれ、イン川を渡りInnsbruck-Höttingには8時45分に到着する。列車はさらにAllerheiligenhöfe (標高631m)、Kranebittenとこまめに停車し、Martinwandを通過した頃から上り勾配に入っていく。Hechenberg-Tunnel (26m)を抜け、一気に高度を上げていく列車の左手の車窓には、イン川に沿った美しくダイナミックな風景が広がる。

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 An der Wand I Tunnel (109 m)、An der Wand II Tunnel (202 m)に続いて全長1,810mのMartinswand-Tunnelを通り抜ける。Ehnbach-Tunnel (347m)の先で左に大きく曲がり、Brunntal-Tunnel (99m)を抜けて9時ちょうどに標高922mのHochziriに到着する。ここでInnsbruck行と交換する。2年前に乗車したMünchen発の一番列車だが、その時は111形牽引の客車列車だったのが、2442形に代わっている。

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 Hochziriを発車すると、Vorberg I TunnelからまでVorberg IV Tunnel全長40~150mt程度の短いトンネルが連続して現れ、右にカーブして西から北へ進路を変える。Schloßbach-Tunnel (722m)を抜け全長66mの壮大な鉄道橋Schloßbachbrückeを渡り、Pfegertal-Tunnel (32m)を抜けると今度は左への急カーブで180度進行方向を変える。Fragenstein-Tunnel (394m)を抜けて再び西へ進行方向を向けるとまもなくLeithenである。次のReithからは北へと進路を向け、標高1182mのSeefeld in Tirolには9時14分に着く。ちょうど、ÖBBの4024形Innsbruck行が停車している。

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 9時15分に発車した列車は道路に並行しながらゆっくり高度を落としつつ北上していく。静かな山の景色をのんびり眺めるうちに列車はGießenbach in Tirol、Scharnitzと停車し、オーストリア・ドイツ国境を越えて、ヴァイオリン製作で有名な保養地、標高914mのMittenwaldには定刻の9時35分に到着する。

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 ここからは列車名はRB 5408となる。いくらか乗客増え、9時36分に発車する。斜視雨には標高2385mのKarwandelspitzeをはじめアルプスの山々が車窓に立ちはだかる。遮断機のない踏切が多いため、何度も警笛を鳴らしながら列車はゆっくりと進む。西に進路を変えると、標高933mのKlaisに停車する。以前は最も高度の高いIC停車駅であったが、残念ながら2007年にこの区間を走るICは廃止されてしまった。
 列車はさらに西へ向かい、国際大会が開催されるスキー・ジャンプ台が見えると、まもなく10時ちょうどにGarmisch-Partenkirchenに到着する。我々もここで下車し、標高2962mのドイツ最高峰Zugspitzeを目指すことにする。

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 DBの線路の西側にZugspitzeへ向かう鉄道Bayerische Zugspitzbahnの駅舎がある。ここでチケットを購入するが、スーツケースはDBの線路の東側のDB駅本屋を使うよう指示された。次の列車まであまり時間がないので、急いでコインロッカーにスーツケースを預け、走って戻る。
 Zugspitzbahnは1928年から1930年にかけて建設され、標高705mのGarmischから標高2588mのZugspitzplattまでの19kmを結ぶ軌間1,000mmの登山鉄道である。ホームには既に制御客車213号と動力車が連なった3両編成が発車を待っている。10月でオフシーズンのためか車内は空いており、ゆっくりと先頭車に座る。Zugspitzbahnは軌間1,000mmのメーターゲージで車体の幅は狭い。車内に入ると簡素なつくりであったが、10月でオフシーズンのためか車内は空いており、ゆっくりと先頭車に座る。

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 10時15分定刻に発車、思ったよりもスピードが出ると思ったよりも鋭く加速していく。本格的な山登りに入る前に最高70km/hで美しいドイツ・アルプスの中を西へ向かう。Hausbergbahnを過ぎたところで、DBのKempten方面の路線をオーバークロスする。Kreuzeck-/ Alpspitzbahn、Hammersbachと小駅に止まる度にわずかだが乗降がある。Zugspitzbahnは単なる観光鉄道というだけでなく、地元の足という側面もあるようだ。Garmischから15分程でGrainauに到着する。Grainauは標高751m、車庫が併設された運行の拠点駅である。

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 ここでホームの反対側に停車している列車に乗り換える。待っていたのは14号電車で、2006年にスイスのStadlerによって製造された新しい車両である。2両編成で座席が少ないためか、ここからは立客が出た。ZugspitzbahnはGrainauまでは粘着式だが、この駅からはリンゲンバッハ式ラックレール区間となり、最急25%の急勾配を登っていく。次のEibseeでは標高1008mに達する。その名の通りアイブ湖に近く、Zugspitze山頂へ向かうロープウェイに乗り換えることができることもあって、多くの乗客が下車し、車内はかなり空いたため、先頭に近い席に座ることができた。ここでしばらく停車する間に、モダンな運転席を眺める。

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 一度降りていた運転手が戻ってきて、10時45分に発車すると、列車はさらに山登り。途中に設けられた交換設備を過ぎ、標高1640mm、交換設備のあるRiffelrißに11時に着く。Garmischからここまでは14.1kmである。
Riffelrißからは全長4466mのZugspitz-Tunnelへ。トンネルへ入ると、すぐに非常時に備えての安全ビデオが放映される。ここから終点まではひたすらトンネル区間が続くため、急に睡魔に襲われる。車内放送で目覚めると、もう終点のZugspitzplattに着く、10時28分の到着である。

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 開業時はZugspitzbahnは標高2650mに設けられたホテルSchneefernerhausに終点が設けられたが、1987年に頂上部についてルート変更が行われ全長975mmのRosi-Tunnelを抜けた標高2588mのZugspitzplattが終点とされた。駅にはSonn-Alpin Restaurantに併設されている。
 小雨が降る中、ロープウェイに乗り換える。数分の接続で幸いにもロープウェイに乗り込むことができた。山頂付近へはわずか4分の旅だが、なかなか怖い。

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 生憎の天気で寒いし、山頂からの見晴らしは良いとは言えないが、それでも連なる山々、眼下に見えるアイブ湖、Garmischの街など、なかなか見応えがある。ここから十字架の立つ山頂へはわずかな行程であるが、案外険しい。少々チャレンジしてみたが、これはある程度習熟して、装備もないといけないと思い、早々に断念。同行していた友人も諦めたので、12時頃には下山することとする。

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 今度はEibseeに直接下りるロープウェイに乗る。Zugspitzeへの往復チケットはZugspitzbahnを使ってZugspitzplattを経由して山頂に至るルートと、Eibseeからのロープウェイを共通で使えるのが便利である。こちらも地上からかなり高いところを通るので、かなり怖い。アイブ湖が近づき、終点Eibseeには10分で着く。

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 Eibseeからは再びZugspitzbahnに乗る。先程乗車した14号電車が発車を待っている。ラックレールや車両をじっく眺め、空いている車内に乗り込む。12時15分に発車、次のGrainauで下車する。

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 まもなくGarmischからの列車が制御客車213号を先頭に入線してきた。この列車の折り返しがGarmisch行となる。こちらも往路に乗った車両と同じである。12時30分に発車し、終点Garmischには定刻の12時50分に到着する。

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 ここで昼食を摂ることにする。DBの駅舎の目の前にHotel Vier Jahreszeitenがあり、レストランが営業している。空いているが、雰囲気は良さそうだったので入店。喉が渇いたのでビールを貰う。山頂で体が冷えたので、レバークヌーデルスープを注文、メインはコルトンブルーにした。たっぷりのフライドポテトが付き、ボリュームたっぷり。それでも何とか完食してエネルギーを充填し、さらに旅を続けることにする。

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