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(Oct 11, 2014) Tokyo/Narita - Frankfurt (M) - Vienna [ドイツ・オーストリア鉄道旅行 2014]

 10月11日から遅い夏期休暇を取り、オーストリアとドイツを旅することとした。前日仕事上の会合があり、二次会にも顔を出してかなりお酒を飲み、帰宅したのは午前2時であった。旅行準備を済ませ1時間半ほどの仮眠を取り、自宅近くの駅を6時過ぎに出る京成線普通列車に乗車する。早朝ということで、成田空港へは普通列車の設定しかなく、こまめに駅に停車する。幸いにも座ることができたが、車内は旅行客の他、高校生や通勤客で次第に混雑していく。成田空港駅には7時23分に到着する。
 南ウイングの出発ロビーへ向かい、同行する友人と合流する。すでにルフトハンザの搭乗手続きは開始されている。今回はLufthansaの公式サイトから座席をエコノミークラスの座席を予約してあったが、追加料金を払って足元の広い座席を確保していた。そこまでは良かったのだが、一度機種変更処理が行われたそうで、友人と座席が離れてしまっていた。事前にコールセンターに電話したところ、チェックインカウンターで相談して欲しいとのことであったが、チェックインカウンターの係員もエコノミークラスが満員で調整は困難とのことである。搭乗口の係員に申し送り、他の乗客に席を移って貰うことができれば、座席の変更ができるかもしれないとのことであったが、あまり期待しない方が良さそうだ。
 小物や退屈しのぎの本を買い、お茶漬けで朝食を済ませると出発1時間前となる。出国手続きを済ませ、搭乗口に進むと、すでに搭乗するLH 711便が出発を待っていた。シップはB747-430 D-ABVS “Saarland”である。1989年に導入が始まり最大30機を数えたLufthansaのB747-400だが、後継のA380やB747-8Iが登場したこともあり、現在19機まで数を減らしている。それでも2014年夏ダイヤではフランクフルト – 羽田・成田・関西便に使用されており、元気な姿を見せている。

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 搭乗口の係員に聞くと、やはり席の変更は不可能だった。それは構わないのだが、引継ぎが全くなされていないのは残念であった。A380ほどではないが、やはりジャンボ機となると乗客は多く、搭乗にそれなりに時間がかかる。エコノミークラスの前方の席ということで、かなり待ってからの搭乗となった。
 指定した36Hは非常用ドアに面し足元が広い席である。私は通路側で、隣には旅慣れた雰囲気の女性が座っていた。この席はシートポケットがなく、また離着陸時は肘掛にパーソナルテレビを収納する必要があり、さらにトイレに近いため人の出入りが多いところが難点であるが、足を伸ばせるのはやはり快適である。
 搭乗は順調に終わったようで、定刻では9時45分出発のところを9時40分にはプッシュバック、9時54分にはA滑走路34Lより離陸した。LH 711便は新潟上空を経て、ハバロフスクへと向かう。大きな揺れもなく、快適なフライトである。少しはドイツ語に慣れておこうと、しばらくはドイツ語の教科書で勉強。そうこうするうちに飛行機はロシア上空に差し掛かっている。ハバロフスク上空まであと20分となった頃に、食前酒とスナックが配られた。ここはドイツビール”Wersteiner”をもらう。続いて、食事のサービス。機内食は美味しいものではないというのは分かるが、長いフライトの中では貴重な楽しみである。限られた予算の中で、大量の乗客の胃袋を効率良く満たすため炭水化物中心のメニュー構成になるのは致し方がないが、機内食に向く料理と向かない料理があると思う。今回選択したビーフ・グーラッシュはそういった意味ではまずまずであった。白ワインも2杯もらって、気分も上々となる。

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 しばらく休んだ後は、「ゴジラ」「テルマエ・ロマエ」を2本の映画を見ながら過ごす。途中でおにぎりと飲み物のサービスがあったので、さらにビールを1杯。それ以外にもジュースや水をこまめに配りに来るのは、ルフトハンザの良いところである。
 広大なシベリアを抜け、ドイツ時間で12時半を過ぎた頃に2回目の食事サービスが行われる。赤ワインとともに牛丼を食べるうちに、LH 711便はバルト海上空へ。少し揺れるが、気になる程ではない。13時30分頃にドイツ上空に入り、まもなく降下を開始する。ドイツ上空は一面雲に覆われて、地上はほとんど見えない。

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 厚い雲を抜けると右手にフランクフルトの市街地が広がる。まもなく15時14分、LH 711便はフランクフルト国際空港に着陸する。ルフトハンザはターミナル1を利用するが、その中でもA380やB747のような大型機のため2012年に増設されたばかりのピアAプラスに着く。

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 約12時間を過ごしたB747を降り、ウィーン行に乗り換える。大型機用に増設されたというだけあってピアAプラスは非常に広大でかなり歩かされるが、それほど混雑していない。案内表示も分かりやすく、入国審査もすぐに済んで、15時50分発ウィーン行LH 1240便の搭乗口にはスムーズにたどり着いた。フランクフルト空港は確かに広大だが、動線が整理されていて、慣れれば利用しやすい。
 すでにLH 1240便となるA321-200 D-AIDGが待機している。3年前にデビューした比較的新しい機材である。15時30分頃に機内へ。座席の半分も埋まっておらず空いている。

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 15時52分にプッシュバック。ちょうどワールドカップ優勝を果たしたドイツ代表チームをブラジルから連れ帰ったB747-8の特別塗装機”Sigerflieger”の姿が目に入る。西側に設けられた滑走路から南へ向けて離陸すると、フランクフルトから南方へ向かう鉄道路線を見える。雲の層を抜けると、まもなく水平飛行となる。

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 ウィーンまでの飛行時間は1時間余りに過ぎないが、パウンドケーキと飲み物のサービスが有り、アルコールも無料で注文できるのが嬉しい。せっかくなので、ビールをもらうと、LH 711便では缶だったのが瓶で出てきた。

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 オーストリアに入り夕暮れが近づくと降下開始、ウィーン国際空港にはほぼ定刻の17時12分に到着する。LH 1240便は出口から最もスポットに着いたため、ターミナル内を延々と歩かされるが、Baggage Claimではすぐにスーツケースを受け取ることができた。これなら17時36分発の空港連絡列車CATに間に合うかもしれない。急いでチケットを購入し、地下にあるホームへ。幸いにもまだ列車が止まっているので開扉ボタンを押すが、何度押しても反応しない、と思ったら列車が動き出してしまった。残念ながら、ぎりぎりで乗り逃がしてしまった。次のCATは30分後である。高額なCATチケットを買ってしまったのは勿体無いが、30分待つよりはS-Bahnの方がかなり早く市内へ出られる。
 17時42分発のS-BahnはBombardier製Talentの電車で来た。車内は半分程度の座席埋まる程度の乗車率である。

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 Schwechat付近では右に巨大な工場が広がり、貨物専用線が入り込んでいる。日本では滅多に見なくなった光景で、ヨーロッパでの鉄道貨物輸送の重要性が伝わる。Kaiserebersdorf – Zentralfriedhof間には広大なヤードが広がり、膨大な数の機関車が待機している。これらが旺盛な貨物輸送を支えているのであろう。近く区間に入り、18時15分にWien Mitteに到着する。
 まずは駅から歩いて5分ほどのHotel Goldene Spinneにチェックインする。ウィーンのホテルとしては安いだけのことはあり、古くて部屋も狭いが、それなりに清潔で設備が揃っているのは良い。
 18時40分にホテルを出て、Mitte駅に併設されているLandstarsseからU-Bahn U2系統に乗り、2駅目のKarlsplatzで下車。5分程歩けば、Musikverein 楽友協会に出る。前には多くの人が集まってきている。
楽友協会には実に6つのコンサートホールが設けられているが、その中でも音響と豪華な装飾から黄金のホールとも呼ばれる大ホール Großer Musikvereinssaalはニューイヤーコンサートを始めとするウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートの多くが行われており、世界的に有名である。ウィーンの初日はこの大ホールで19時30分からのコンサートを楽しむことにする。
 本日の演目はニコラウス・アーノンクール指揮ウィーン・コンツェントゥスムジクスで、前半がSerenade D-Dur, KV 250, "Haffner-Serenade"、後半がSymphonie C-Dur, KV 425, "Linzer"というモーツァルトのプログラムである。インターネットであらかじめ予約してあったチケットを引き取った後、大ホールの2階席へ。確かに装飾は鮮やかだが、建物自体や設備は古さが隠せない。それが伝統を感じさせるとも言えるかもしれないが。本日のチケットは完売、ホール後方に設けられた立ち見席にも多くの聴衆がいた。

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 開演時間になり、オーケストラに続いて登場したアーノンクールは御年85歳のはずだが元気そのもの。まずは10分ほどのミニ講演、ユーモアを交え、時々会場から笑い声が起こる。前半のハフナー・セレナーデが延々と長く続くと思ったら、後で聞いたところでは通常は省略される繰り返しを一切省略せず演奏したとのことであった。休憩時間にミネラルウォーターを一杯。後半のリンツ交響曲が終わったのは22時を過ぎ、モーツァルトを堪能した一夜となった。
 終演後、会場前で母の友人のYさんと合流する。Yさんは定年までウィーンのオーケストラを勤め上げ、定年後もそのまま住んでいる方である。演奏は素晴らしかったけど、いくらなんでも長くて疲れちゃったよ、などと話しながら、楽友協会に近いレストランに連れて行ってもらう。遅い夕食はビール2杯とPutenschnitzel 七面鳥のカツレツ、意外にさっぱりして美味しい。
 早めに夕食を切り上げ、夜の街を歩いてStadtparkからU4に乗車し、一駅目のLandstarsseでYさんと分かれる。長旅の疲れもあり、ホテルへ戻ってすぐに寝た。
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Y.N

楽しく拝読させて頂きました。

私も11月に3週間渡欧してきました。
A380に乗りたいのですが2人旅行に向いていない様でエコノミーは3人席ばかり。[因みにLHも744や747-8iの2人席の事前指定が不可能に成りました)
しかも今は380のヨーロッパ直行便がないので、少々怖い思い?をしてマレーシア航空の格安ビジネスクラスのパリ便A380でフルフラットベットで快適に行って来ました。
同航空は事件前から常に格安ビジネスを販売していて3度目の利用です。
さぞかしガラガラかと思えばエコノミーは満席近い搭乗でした。
KULもCDGもA380用のボーデングブリッジでした。

今回は11/8にDBの全面ストライキに合い散々な目に合いました。
又、ストとは関係無さそうですが11月20日にベルリンからケルン往復の際の往路でICE-Tに乗りました。すれ違いを見た限りあとは所定のICE-2でしたが。
by Y.N (2014-12-31 22:29) 

HUH

Y.Nさん、こんにちは。コメントをありがとうございます。
いつもヨーロッパへは現地滞在時間を伸ばすために直行便を使ってしまうのですが、そういう手もあるのですね。狭いエコノミーよりは疲れないでしょうね。でも一度は747-8を利用したい気もします。
私も2回ストライキに遭いました。その辺りのことは追って書きます。
by HUH (2015-01-04 21:29) 

Y.N

コメント返し有難う御座います。

DBのストに関しての記事、楽しみにしています。
今までFSで度々ストに会いましたがDBでは初めて、AmsterdamでBerlin行きICの指定を購入する際に始めて知らされました。
そう言えば昨秋はLHもストが有りました。

私の今回の旅行も音楽抜きでしたがMusikvereinssaalは一度行ってみたいです。
確かに音響は素晴らしいそうですね。
私的には旧フェスティバルホールの音響が一番好きでした。若い頃は朝比奈/大フィルは毎回聴いていました。

所で今改正で登場したGraz-Wien-Praha間のRJにはそれぞれの国で活躍した著名作曲家のネームが付いているみたいです。
by Y.N (2015-01-05 02:01) 

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