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1月2日 Frankfurt (M) → Köln → Frankfurt (M) → Tokyo [ドイツ・スイス鉄道旅行 2011-12]

 今日は帰国する日である。朝6時半に起床し、朝食を済ませる。ドイツのホテルの豪華な朝食もこれで最後である。8時前にチャックアウトする。日の出前で外はまだ暗い。昨日のうちにスーツケースはルフトハンザのカウンターに預けてしまったので、リュックサック1個と身軽に行動できる。
 目の前のFrankfurt Main Hbfの構内に入り7番線ホームに行くと、まもなく乗車する予定の8時10分発ICE 822 München Hbf発Essen Hbf行が入線してきた。ICE 3、403形の8両編成 (Tz 325 “Ravensburg” )である。今日は昼過ぎの航空便に搭乗予定だが、それまでに最後の乗り鉄を楽しむのである。

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 美しいホーム屋根を背景に停車するICE 3が何とも美しい。

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 先頭の29号車のラウンジに乗り込む。まだ外が暗いため、運転室との仕切りはスモークで、前面からの展望は期待できないが、ガラガラの車内でラウンジを独占できるので、このままゆっくりすることにする。

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 8時10分定刻に発車、マイン川を渡ってFrankfurt Stadionを通過し、12分でFrankfurt (M) Flughafen Fernbf.に着く。まだ朝早いため、空港駅での乗車も少なく空いたまま8時25分に発車、高速新線区間に入り、列車は最高300km/hで走り抜ける。
 外はどんよりと曇り、雨も混じる。時々砂を撒く音も響くが、快調な走りで揺れは少ない。車掌が検札や飲み物の注文取り、チョコレート配布に来る以外は静かだ。無線LANサービスを利用してメールの確認などをしているうちに列車はLimburg Süd・Montabaurを通過する。Sieburg/Bonnを通過すると最高200km/hの改良新線区間、Köln Trimbornstrasseを通過すると転線して本線と別れて地上を下り、9時14分定刻にKöln Messe.Deutzの11番線に到着する。この列車はKöln Hbfに停車せず、このままDüsseldorf・Essenへと向かうのである。私はここで下車する。

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 高架ホームに移動すると、すぐにS-Bahnが入線してきた。423形である。ライン川の対岸にあるKöln Hbfへはわずか3分である。到着後、駅構内の本屋に行く。ここは鉄道コーナーが非常に充実しており、お土産も兼ねて、いろいろと購入する。
 9時37分発のS-Bahnに乗車、今度は143形牽引するx-Wagenである。x-wagenのS-Bahnは当初の計画ではそろそろ引退するはずであったが、車両調達計画が変更され、もう少し生き残ることとなっている。車内はさすがに古さを感じさせ、ドイツのこの手の車両にありがちな異臭が漂っているが、それでもこの列車に乗れるのは嬉しい頃である。

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 Köln Messe.Deutzで下車し、再び11番線ホームに向かう。9時45分にICE 121 Amsterdam CS発Frankfurt Main Hbf行が入線してきた。実はこの1本後のICEの座席指定券も持っているのだが、空港に早く着いた方が安心というわけで、予定下り速い列車に乗車することにしたのだ。編成はICE 3Mの8両編成 (Tz 4601)、国際線用406形のトップナンバー編成である。
 先頭の21号車2等車のラウンジ席が空席となっていたので、ここに腰を下ろす。今回は仕切りも透明で、前面展望が楽しめそうだ。
 9時50分に発車、定刻より5分遅れである。この列車もFrankfurt Flughafen Fernbahonfまでノンストップである。改良新線区間に入ると200km/hで軽やかに走り、Sieburg/Bonnを通過すると高速新線区間となって250km./h、さらに300km/hへと加速していく。
 先程より雨が幾分か強くなったようだが、それをもろともせず、勾配やカーブを高速で走り抜ける様は迫力がある。私が座っている17番席から通路を挟んで左隣の13番席も空席だったが、時々後ろから乗客がやって座り、前面展望を楽しんでいる、私のように居座る人はあまりいないが、すでにICE 3の展望席など珍しくはないとはいえ、やはり興味をひくのだろう。



 Montabaur、Limburg Südを通過し、マイン川を渡るころに減速、正面に空港駅直上に作られた巨大な複合施設SQUAREが見え、ほぼ遅延を回復して、10時35分にFrankfurt Main Flughafen Fernbahnhofに到着する。

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 Frankfurt Main Hbfに向けて最後の区間に踏み出していくICE 121を見送った後も、まだ時間があるので、しばらくICEを撮影することとする。

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ICE 1

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ICE 3



 撮影を終え、これでドイツ鉄道とはしばしの別れとなる。コンコースに上がり、散歩しながらSQUAREの様子をしばらく眺めたところで、空港のターミナル1へ。昨日と変わってかなりの混雑であるが、既に出発手続きを済んでいるので気が楽である。まだ時間に余裕があるので、カフェで名残のビールを。日本でもよく見かけるBitburgerである。これが何とも美味しくて、ついもう一杯。

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 出発まで1時間半あまりとなったので、そろそろ出国審査に進む。その前にリュックサックの中をチェックすると、赤ワインのミニボトルが1本。そうだった、CNLのウエルカムドリンクを飲みきれず、残しておいたのだった。液体が持ち込めないので、これは廃棄しなければならないが、それも勿体ない。そこでボトルの半分くらいを味見を兼ねてラッパ飲み、これが案外美味しい。といっても全部飲むと酔いが回りすぎて搭乗を止められかねないので、惜しいが残りは捨てる。手荷物検査で少し行列したが、あとはスイスイと手続きが済む。シャルルドゴール空港よりもずっとスムーズである。
 早めに来たこともあり、搭乗口の前は搭乗客の姿はまばらであったが、搭乗するLH 710便は既に駐機していた。機材はエアバスA380-800、レジはD-AIMD、Lufthansaが受領した4機目のA380で、愛称は”Tokio 東京”である。これまでLufthansaはドイツの都市名を機材の愛称にしていたが、A380はルフトハンザ・グループの拠点空港や就航都市としている。したがって”Frankfurt am Main”、”München”、”Berlin”の他にも”Zürich”、”Wien”、さらには”北京”、”Johanesburg”、”New York”などの愛称もある。

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 13時15分頃に搭乗開始、ルフトハンザのA380はアッパーデッキがファースト・ビジネスクラスのみとなり、エコノミークラスとは搭乗口が完全に分けられている。私はエコノミークラスの後方、後ろから2列目の左窓側93Aに座る。A380も機内に入ると特別に広いという印象はない。シートは3+4+3列配置で、特に従来に比べ広くなったという印象はない。1月3日成田着の便だけに機内はほぼ満員の様子だ。さりげなくクリスマスの飾りつけをされているのが良い。

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 航空会社各社が全クラスにシートテレビを早くから採用していた中で、ルフトハンザは導入が遅れていたが、遅ればせながらA380ではようやくエコノミークラスにもシートテレビが付いた。尾翼からの視点はなかなか面白い。

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 機内が落ち着いたところで、13時35分プッシュバック、エンジンをスタートし滑走路へと向かう。特に混雑もないようで、13時45分離陸。エンジン音が大きくなっても、従来機よりはかなり静かである。しかし、A380はなかなか高度が上がっていかず、まるで失速するような錯覚に襲われ、心臓に悪い。
 飛行機はマインツ方面へ離陸し、大きく右に旋回する。旋回中にはるか彼方にREが走っているのが見える。まもなく雲の中に入り、ドイツの光景を楽しめるのもここまでとなる。

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 シートベルトサインが消え、機内が何となく落ち着いたところで、おしぼりの配布の後で、まずはドリンクとスナック。ここは当然ビールである。食事はビーフを選択、一緒に白ワインをもらう。一時気流の悪いところを通過したためサービスが中断したが、すぐに再開。エンジン音も小さく、快適なフライトが続く。

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 食事が終わったら、あとはシートテレビを楽しむことにする。ドイツのキャリアだけあって、映画だけでなく、クラシック音楽のチャンネルも充実している。その中で、ティーレマン指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団のリストの演奏会の映像、さらにサッカー番組などを見ているうちに、それなりに時間も過ぎる。しかし、それでもシベリアの半分にも達しない。いつもながら、この長さが辛い。本当は眠れたら良いのだが、ドイツ時間に慣れた後では機内が暗くなってもそうそう眠気は起きず、うつらうつらしても、すぐに目が覚めてしまう。



 シートテレビのフライトインフォメーションはCGを駆使して、多彩な視点から位置情報を示し秀逸である。これがあるのあが、救いと言えば救いだ。日本海に出て、そろそろ外が明るくなった頃、朝食のサービスがある。まもなく、7時06分に日の出を迎えた。

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 7時40分頃、ようやく本州に上陸、着陸態勢に入り太平洋に一度出て、右に大きく旋回、8時15分に成田空港に着陸、定刻より20分ほど早い。8時24分にスポットイン、約12時間の長いフライトを終えた。朝の日光がまぶしい中、フランクフルトへの出発準備が進むA380を眺める。

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 入国審査を通過。京成スカイライナーに乗り、短いながらも充実したドイツの旅を終えたのであった。
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