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1月1日 Köln → Frankfurt (M) [ドイツ・スイス鉄道旅行 2011-12]

 Köln Hbf - Köln Messe/Deutz間は列車線が4線・S-Bahnが2線の3複線となっているが、それでも各路線からKöln Hbfに進入するボトルネックとなっており、ドイツで最も列車密度の高い区間である。遅延の原因となることも多いことから、ICEの一部はKöln Hbfを経由せず、ライン川を挟んで対岸、S-Bahnで2分のKöln Messe/Deutzに発着している。このようなICEのため、Köln Messe/Deutzには高架ホームに加え、地上に2面2線のホームが設けられており、Düsseldorf方面からの列車の場合はKöln Mulheim付近で本線と分岐し、単線の短絡線を通って、この地上ホームに至るのである。
 S-Bahnホームから地上の11番線に下りると、既に多くの乗客が列車を待っていた、まもなく、Dortmund Hbf発München行のICE 529が入線してきた。ICE 3の国内線用403形Tz 328編成”Aachen”である。

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 所定では2等車の21号車が先頭のはずであるが、ホーム上の案内は1等の29号車が先頭と表示しており、実際29号車を先頭に入線してきた。事前に21号車のラウンジ席の指定券を用意していたが、これでは無駄である。しかし、幸いにも1等車は空いており、ラウンジの最前席右側102番も空いていたので、ここに座る。時折雨が混じり、天気が良いとは言えないが、幸いにも運転室と客室との仕切りは透明になっていた。
 8時44分に発車、列車は左にカーブしながら勾配を上り、Düsseldorf方面の路線と分かれて右にカーブ、本線と合流して南東に進路を向けて加速していく。この区間は改良新線区間、それぞれ複線のS-Bahnと貨物線に挟まれた列車線を200km/hで軽やかに走る。以前は1等ラウンジは喫煙席で長くいるのは辛かったが、ドイツ鉄道が全面禁煙となったため、随分と楽になった。
 対向式ホーム2面の間に通過線を有するSieburg/Bonn駅を200 km/hを維持したまま通過すると、高速新線区間となり、速度計に設けられた信号が250km/h、さらに300km/hを現示する。Siegauen-Tunnelを抜けると、上り勾配と下り勾配を繰り返す。ところどころ雨が混じり、上り勾配では砂を撒く音も聞こえて迫力満点。

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 ジェットコースターに例えられるように、世界でもこれだけ勾配とカーブが連続する高速新線は珍しいだろう。ICE 3も登場から12年、この高速新線も開業から10年目を迎えようとしているが、乗り心地にいささかも衰えが感じられないのは嬉しいところだ。
 ようやく300km/hに達した列車は、併走するアウトバーンA3を走る車を置き去りにして快走を続ける。Kölnから89.1 km地点にあるMontabaurは通過線をスピードを緩めることなく一気に通過する。幾つかのトンネルを抜けると、今度はLimburg Südを通過する。ここまでの高速新線上の3駅は対向式ホーム2面の間に通過線を有する、日本の新幹線の中間駅と同じ構造となっている。

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 スピードメーターは250~300km/hの間を行き来し、快調な走りが続く。この辺りはこの高速新線SFS Köln-Rhein/Mainの中でも最も迫力のある区間である。時折混じる雨を切り裂きながらICEの快走は続く。最前部からの展望を楽しんでいると、年配の女性が孫らしき少女を連れてラウンジに入ってきて、前面からの展望を楽しんでいる。もはや当たり前の存在のICE 3のラウンジだが、やはり人気があるのだ。

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 マイン川を渡る頃には減速を開始、Mainz方面からの短絡線が合流してくると、Tunnel Kelsterbacher Spangeに入る。トンネルを抜けると、フランクフルト空港長距離駅Frankfurt Flughafen Fernbanhofである。4番線に到着、定刻9時34分のところ、まだ9時31分である。ドイツではしばしばこのような早着を経験する。秒単位で時刻通りの運行を求められる日本とは、そもそもダイヤ設計の思想が異なるのであろう。ただ、列車密度の高い区間では日本式の方がより精密なダイヤを組めそうだ。

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 停車時間を利用して、車外に出てしばらく撮影する。

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 9時37分に空港駅を発車、Frankfurt Stadionでライン川左岸線と合流すると左に大きくカーブしてマイン川を渡る。渡り終えたところでヤードを超えながら右に大きくカーブするとフランクフルト中央駅 Frankfurt Main Hbfは目の前である。9時48分、定刻の到着である。

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 天気予報では雨だったが、幸いにも曇りである。スーツケースをコインロッカーに預け、まずはホームでの撮影を楽しむことにする。信号所を背景に、如何にもFrankfurtらしい写真を撮ることが出来る。ICE 1やICE 3に加え、111形や143形、146形といった近郊用の電機も行き来し、賑やかである。

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ICE 1 (ICE 78)

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ICE 3 (ICE 529)

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ICE 3 (ICE 529)

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ICE 1

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143形

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111形

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111形

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ICE 1 (ICE 770)

 1時間程撮影したところで、駅での撮影を終え、沿線での撮影に赴くことにする。あらかじめ調べておいたFrankfurt Oberradへはトラムで一本、しかし時刻表を確認すると休日ダイヤで本数が少なく、次のトラムまでは20分以上ある。撮影したいICEの時間が迫っていたので、タクシーを使う。iPadで地図を示したら、すぐに理解してもらえた、便利魔物である。10分程で到着、15 Euroであった。
 畑の中の道を歩いて、線路沿いに出る。FrankfurtとHanauを結ぶ路線にはOffenbach経由とMaintal経由の2路線があるが、こちらはOffenbach経由の路線である。ICEは主にOffenbach経由、貨物列車は主にMaintal経由だが、例外もあるようで柔軟に運用されている。
 線路沿いの道は地元の人の散歩コースのようだ。フランクフルトの中心街からわずかな距離なのに、これだけ広々とした場所があるのは驚く程だ。背後には、欧州中央銀行など、金融関係のビルが並ぶ「マインハッタン」がそびえ立っている。また、この付近はフランクフルト空港への着陸ルートのようで、次々と航空機が降りていく。
雨は相変わらず降っておらず、時々太陽が姿をのぞかせる。ここでもじっくり撮影する。

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ICE 3 (ICE 923)

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423形

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ICE-T (ICE 27)

 線路沿いにフランクフルト中心部の方角に10分ほど歩き、さらに撮影。こちらは時々車が通るが、気になるほどではない。

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Odenwaldbahn Itino

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423形

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ICE 1 (ICE 871)

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Lufthansa A340

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420形

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ICE 3 (ICE 625)

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Odenwaldbahn Itino

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ICE 1 (ICE 578)

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111形

 思い通りの写真が撮れて満足したところで、中央駅へ戻る。休日朝はトラムの本数は少ないが、昼には10分に1本は運行される。

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 MülbergやFrankfurt Süd駅を経由しマイン川を渡ってFrankfurt Hbfへは14時に着く。本当は途中の Sachsenhausenでアップルワインでも楽しみたいところだが、そこまで時間がないのが残念である。

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