12月31日 Rendsburg → Kiel → Hamburg → Berlin [ドイツ・スイス鉄道旅行 2011-12]
Rendsburgのプラットホームで、12時50分発Hamburg行RE “Schleswig-Holstein-Express”のRE 21071を待つ。当初は5分遅れと案内されていたが、まもなく20分遅れに表示が変わった。40分以上の余裕があるとはいえ、Hamburgでの乗り換えがいよいよ心配になってくる。
3番線にはFlensburg行のRB 21064が到着、3両のn-Wagenを後ろから143形が押すという模型向きの編成である。しかし、Hamburg行のREは相変わらず姿を現さない。そこへ構内放送が入る、どうやら30分遅れと言っているようだ。
13時20分過ぎ、ようやく112形にn-Wagenを連ねたRE 21071が到着、しかし、所定の1番線ではなく、4番線に入線する。急いで4番線ホームに向かい、車内に入ると放送で何か言っている。何度か聞いていると、何とここで運転打ち切りと言っているようだ。これでHamburgから元MET編成のICEに乗車することは不可能、がっかりである。次のHamburg行の列車までまだ1時間以上もあるし、夜はBerlinで予定もある。どうしようか。
まもなく、2番線にHusum発Kiel行のRB 15921が到着。急いでiPadで調べると、このRBに乗ってKielでREに乗り換える方が早くHamburgに到着できることが分かり、とりあえず乗車することにする。車両は648形の2両編成、予定外ではあるが、本日3回目の648型への乗車ということになる。車内は概ね半分の座席が埋まっている程度の混雑である。運転席の真後ろの1等席に座る。
13時27分定刻にRendsburgを発車、列車はループ線で高度を稼ぎ、鉄橋でキール運河を越える。
しかし、ここで一旦停止する。運転手が運転席から出てきて、2両目のトイレへ。トイレが故障でもしたのだろうか。まもなく、運転手が戻ってきて列車は発車、Neumünster方面との路線と分かれると、田園風景の中を100km/h以上のスピードで東へとひた走る。
Feldeでは若干の乗降があるが、すぐに発車。
アウトバーン210号線に沿って快走し、Kiel-Hassee Citti-Park付近でFlensburg方面の路線と合流する。
様々な気動車や客車が停車中のヤードの横をかすめ、13時59分Kiel Hbfの4番線に到着する。予想外のトラブルに見舞われたが、648形の快適で軽快な走りを3回味わうことができたのは幸いだった。
お腹が空いたので、駅売店でカレーヴルストと缶ビールを購入する。ビールはLübeckのHolstenである。6番線には既にHamburg Hbf行RE 21023が入線していた。2階建て客車の5両編成で、牽引は112 143-3である。
車内はガラガラ、1等車2階のテーブル席に座る。ここで、購入しておいたカレーヴルストとビールを頂く。付け合わせはたっぷりのポンメス (フライドポテト)。フライドポテトをマヨネーズで食べるのは日本では見かけないが、ドイツではごく一般的であり、私にとっても幼いころから馴染んだ味である。
14時21分、静かにHamburgへ向けて発車する。Rendsburg方面、Lübeck方面と先程通った路線と分かれ、100km/h以上で南下する。大柄な2階建てだけに安定感のある乗り心地である。車窓は相変らず田園が続くが、時に日が差してなかなか気持ち良い。
それにしても、この2階建て客車はよく出来ている。大柄な腰掛はリクライニングこそしないが、実に座り心地が良い。テーブル付の席や、電源付のせきもあり、荷物置き場も用意されているなど、日本であれば特急としても十分通用するレベルである。この客車が改良されながら増備され続けているのも、それだけ好評ということなのだろう。
Flintbekを通過した列車はBordesholmに停車する。14時32分に発車、Einfeldを通過するとまもなくFlensburg・Rendsburg方面、さらにHeide方面からの路線が合流、事業用とされていると思しき旧型客車が止まっているNeumünster工場の脇を通り、143形牽引の回送列車と並走しながらNeumünsterに到着する。
14時42分にNeumünsterを発車。Bad Oldesloe・Lübeck方面の路線が左へ分かれていくと、列車は南西へと向かう。Kiel – Hamburg間は160km/h運転に対応した高規格路線だけに、線形はほぼ直線。REは気持ちよく快走していく。車窓は相変わらず田園と森だが、そろそろ日が沈んできたようだ。Wristに停車した後、進行方向を南西から南へと変えると、Itzehoeからの路線が右から合流し、Elmshornに到着する。ここは私鉄のAKNも接続する。
15時09分にElmshornを出発すると、列車は南東へ向かう。10分でPinnebergに到着、PinnebergはS-Bahn HamburgのS3系統の起点であり、ここからはS-Bahnと並行する複々線区間となる。ただし、S-Bahnは第三軌条方式であり、相互の接続はない。
Pinnebergを発車すると、程なくして左手に広大なヤードが広がる。Hamburg-Eidenlstadtである。ここはICE 1の全編成や101形が所属する一大基地、なん編成ものICE 1が停車しており、ICEファンには垂涎の場所である。
列車は減速して、Hamburg-Altona方面に向かう路線と分かれて、大きく左にカーブする。Hamburgの市街地の中をゆっくりと走る。
15時34分にHamburg Dammtorに到着する。Dammtorを出発すると、列車はゆっくりとアルスター湖を渡り、15時38分、1分の遅れで終点のHamburg Hbfに到着、Kielからの105.6kmを約77分で走ったことになる。
本来乗るはずだった15時06分発のICE 1107はやはり既に発車済み、元MET客車編成によって運行される貴重なICEだけに、残念である。次のBerlin行は16時29分発Dresden Hbf行のIC 2071である。まだ時間があるので、Hamburg Hbfで時間を潰す。
外へ出ると、もう日は沈んでいた。駅前にはまだクリスマス装飾が残っているが、大晦日の夕方で商店は全て閉まっており、人通りもまばらだ。
駅に戻って有料トイレで用を足す。構内のお店は開いており、バーでビールを一杯・・・・も考えたが、REの車内でビールを飲んだばかりなので、ここは我慢。夕食が遅くなりそうだったので、魚料理の店でパック入りの寿司を購入する。
ホームに行くと、夕方の列車のためか、多くの乗客がICを待っていた。まもなくIC 2017が入線、先頭はUNICEFの広告塗装となっている101 016-4、その後ろには何とチェコ国鉄CDの客車が連なっている。食堂車も連結されている、チェコの食堂車、これは利用するしかない。というわけで、食堂車へ直行。
食堂車内はシンプルだが、なかなかシックな雰囲気。夕方の列車ということもあって、利用客も多い。メニューはDBの食堂車より豊富、しかもチェコ料理まで用意されている。ビールとSvickova na Smetaneを注文する。ビールはもちろんピルスナーウルケル、これが美味しい。Svickova na Smetaneはサーロインステーキにたっぷりのクリームソースとクランベリージャムをかけたもので、蒸しパンと一緒に食べる料理。甘すぎて、私の口にはどうも合わなかったが、付け合せのきゅうりのサラダがさっぱりして非常に美味しかった。チェコの赤ワインも飲み、ほろ酔い気分。
会計を済ませ、荷物を持って移動、車内はなかなかの乗車率で、特に2等は大半の席が埋まっているため、1等席に落ち着く。食事を摂っている間に列車はBüchenに停車し、さらにLudwigslustに向かっている。200km/hで走っているが、安定感のある乗り心地。宵も手伝って、ここでひと眠り。
1時間ほどで目を覚ます。列車はLudwigslust、Wittenbergeを過ぎ、一路Berlinへ向かっている。外は真っ暗で何も見ないが、どうやら順調に走っているようだ。今夜は19時からベルリン国立歌劇場管弦楽団のコンサートに行く予定。ICE 1107に乗れなかったおかげで時間はギリギリだ。コンサート会場のシラー劇場への道を確認し、Berlin Hbfではなく、その手前のBerlin Spandauで降り、タクシーを飛ばすことにする。
下車準備を終えると、列車は程なく減速、Hannoverからの路線と合流すると、18時25分、Berlinの西の玄関駅、Berlin Spandauに到着する。
Berlin Hbf・Dresdenへ向かうIC 2017の発射を見送り、コンコースから外へ出て、タクシーに乗る。Berlin市街地の景色を楽しみながら、シラー劇場までは約15分程で到着、幸いにもコンサートに間に合った。
ベルリン国立歌劇場は現在改装工事が行われており、工事が完成するまで公演はシラー劇場で行なっている。12月30日から1月1日までに3日間はニューイヤーコンサートとして、音楽監督のダニエル・バレンボイム指揮ベルリン国立歌劇場管弦楽団がベートーヴェン交響曲9番を演奏する。年末の第9公演というと日本独自のもの、というイメージがあるようだが、ドイツでもその習慣はあるようで、ベルリン国立歌劇場管弦楽団だけでなく、ライプツィッヒのケヴァントハウス管弦楽団なども今夜は第9を演奏しているはずである。
ロビーは多くの着飾った聴衆で賑わっている。クロークで荷物とコートを預け、ホールへ。予約した席は2回最前列の中央という、音響的にも最高と思われるところである。前回第9の実演に接したのは10年以上前、海外オーケストラとなると初めての経験であったが、大変満足できるコンサートであった。バレンボイム指揮ベルリン国立歌劇場というと、2007年の来日公演でシェーンベルク「モーゼとアロン」を聴き、とても感動した。今後も是非活躍して欲しいものである。
コンサートが終わり、劇場を出るともう21時になろうとしている。シラー劇場から程近いErnster-Reuter-PlatzからU-Bahn U2系統に乗車、次のBerlin Zoologischer Gartenまで乗車する。
西BerlinのターミナルだったBerlin Zoo駅もBerlin Hbf開業によりICEやICが停車しなくなり寂しくなったが、REは停車する。ちょうどやって来たREに乗車すれば、Berlin Hbfまではわずか4分である。
コンコースに降りて発着案内を見ると、どうやらモスクワ行のEN 453の発車が迫っている。これは見に行くしかない、地下の5番線ホームに行くと、既にEN 453は入線していた。牽引はDBのロゴ入りながら、緑とシルバー塗装の186形、客車はロシアとチェコのものが連なっている。今時見かけない、如何にも大陸らしい客車列車、いつかは乗車したいものである。
ドイツでは年末限定で花火や爆竹が販売される。新年を待ちきれない若者達があちこちで花火をあげたり、爆竹を鳴らしており、爆発音が連続して落ち着かない雰囲気。駅構内で爆竹を鳴らしている輩までいるのからひどいものである。
駅にいるだけでは退屈なので、ブランデンブルク門の方へ向かうことにする。ベルリンでは新年に合わせて、ブランデンブルク門で花火が打ち上げられ、多くの地元客や観光客が集まるのだ。Berlin Hbfからブランデンブルク門は新しく開業したU-Bahn U55系統で一駅である。早速U-Bahnホームに向かうと、何と閉鎖されている。どうやら混雑に備えて、運転を休止しているようだ。
そこでS-BahnでBerlin Friedrichstrasseまで一駅乗車し、そこから地下ホームに乗り換えて、ブランデンブルク門最寄りのBrandenburger Torへ向かうが、案の定Brandenburger Tor駅は通過。
仕方がないので、次のBerlin Potzdamer Platzで下車する。地上に出ると、ここもあちこちで爆竹に各所で鳴らされ、怖いくらいである。DB本社であるBahn Towerを眺めたところで、U-Bahnに乗り、二駅目のStadtmitteで下車する。ここからブランデンブルク門へは歩いて10分程である。
ブランデンブルク門周辺は自動車通行止め。まだ年明けまでは時間があるというのに、既に人人人の大混雑。そんな中でも花火をあげたり、爆竹をならすものがいるのだから驚く他ない。ここで年明けを迎えるわけにはいかないので、遠くからブランデンブルク門を眺め、喧騒をしばらく楽しんだ後、歩いてBerlin Friedrichstrasseへ向かう。
再びS-Bahnに揺られ、Berlin Hbfに戻る。
構内では飲食店がまだ営業中。フードコートのようになっているお店に座り、ビールを飲みながらインターネットに接続し、メールチェックなどをして時間を潰し、23時30分頃に高架ホームに上がる。Berlin Hbfのホームから、ブランデンブルク門付近で打ち上げられる花火を眺めて新年を迎えることにしたのである。同じことを考える人は少なくないようで、段々と人が集まってきて、ホームの端はちょっとした混雑となる。
BaselからのICE 870が到着。2011年最後に撮影した列車はICE 1はということになった。
大晦日のベルリンの高架ホームということで、とても寒いが、何とか我慢のできる範囲である。こんなところで新年を迎える観光客に興味があるのか、集まってきた人から声をかけられる。中年のおじさんはアニメファンで日本に興味があるそうで、新幹線の長い編成に驚いたと仰る。実はICEのフル編成は約400mで新幹線とあまり変わらないのだが。次は年配の男性からもこれからの予定などを聞かれる。さらに隣にいた陽気な中年女性はおもむろに赤ワインを取り出し、周りにいる我々にプラスチックカップを配って、ワインをご馳走してくれた。駅のすぐ下を流れるシュプレー川では、年越しクルーズを楽しむ人々の姿も。DBの職員も二人現れ、ホームの整理を行うのかと思いきや、柵を開けてホームの外のスペースへ。何のことはない、特等席から花火を眺めるつもりのようだ。制服を着たままでもリラックスするあたりは、如何にもドイツらしい。
まもなく新年だ。
3番線にはFlensburg行のRB 21064が到着、3両のn-Wagenを後ろから143形が押すという模型向きの編成である。しかし、Hamburg行のREは相変わらず姿を現さない。そこへ構内放送が入る、どうやら30分遅れと言っているようだ。
13時20分過ぎ、ようやく112形にn-Wagenを連ねたRE 21071が到着、しかし、所定の1番線ではなく、4番線に入線する。急いで4番線ホームに向かい、車内に入ると放送で何か言っている。何度か聞いていると、何とここで運転打ち切りと言っているようだ。これでHamburgから元MET編成のICEに乗車することは不可能、がっかりである。次のHamburg行の列車までまだ1時間以上もあるし、夜はBerlinで予定もある。どうしようか。
まもなく、2番線にHusum発Kiel行のRB 15921が到着。急いでiPadで調べると、このRBに乗ってKielでREに乗り換える方が早くHamburgに到着できることが分かり、とりあえず乗車することにする。車両は648形の2両編成、予定外ではあるが、本日3回目の648型への乗車ということになる。車内は概ね半分の座席が埋まっている程度の混雑である。運転席の真後ろの1等席に座る。
13時27分定刻にRendsburgを発車、列車はループ線で高度を稼ぎ、鉄橋でキール運河を越える。
しかし、ここで一旦停止する。運転手が運転席から出てきて、2両目のトイレへ。トイレが故障でもしたのだろうか。まもなく、運転手が戻ってきて列車は発車、Neumünster方面との路線と分かれると、田園風景の中を100km/h以上のスピードで東へとひた走る。
Feldeでは若干の乗降があるが、すぐに発車。
アウトバーン210号線に沿って快走し、Kiel-Hassee Citti-Park付近でFlensburg方面の路線と合流する。
様々な気動車や客車が停車中のヤードの横をかすめ、13時59分Kiel Hbfの4番線に到着する。予想外のトラブルに見舞われたが、648形の快適で軽快な走りを3回味わうことができたのは幸いだった。
お腹が空いたので、駅売店でカレーヴルストと缶ビールを購入する。ビールはLübeckのHolstenである。6番線には既にHamburg Hbf行RE 21023が入線していた。2階建て客車の5両編成で、牽引は112 143-3である。
車内はガラガラ、1等車2階のテーブル席に座る。ここで、購入しておいたカレーヴルストとビールを頂く。付け合わせはたっぷりのポンメス (フライドポテト)。フライドポテトをマヨネーズで食べるのは日本では見かけないが、ドイツではごく一般的であり、私にとっても幼いころから馴染んだ味である。
14時21分、静かにHamburgへ向けて発車する。Rendsburg方面、Lübeck方面と先程通った路線と分かれ、100km/h以上で南下する。大柄な2階建てだけに安定感のある乗り心地である。車窓は相変らず田園が続くが、時に日が差してなかなか気持ち良い。
それにしても、この2階建て客車はよく出来ている。大柄な腰掛はリクライニングこそしないが、実に座り心地が良い。テーブル付の席や、電源付のせきもあり、荷物置き場も用意されているなど、日本であれば特急としても十分通用するレベルである。この客車が改良されながら増備され続けているのも、それだけ好評ということなのだろう。
Flintbekを通過した列車はBordesholmに停車する。14時32分に発車、Einfeldを通過するとまもなくFlensburg・Rendsburg方面、さらにHeide方面からの路線が合流、事業用とされていると思しき旧型客車が止まっているNeumünster工場の脇を通り、143形牽引の回送列車と並走しながらNeumünsterに到着する。
14時42分にNeumünsterを発車。Bad Oldesloe・Lübeck方面の路線が左へ分かれていくと、列車は南西へと向かう。Kiel – Hamburg間は160km/h運転に対応した高規格路線だけに、線形はほぼ直線。REは気持ちよく快走していく。車窓は相変わらず田園と森だが、そろそろ日が沈んできたようだ。Wristに停車した後、進行方向を南西から南へと変えると、Itzehoeからの路線が右から合流し、Elmshornに到着する。ここは私鉄のAKNも接続する。
15時09分にElmshornを出発すると、列車は南東へ向かう。10分でPinnebergに到着、PinnebergはS-Bahn HamburgのS3系統の起点であり、ここからはS-Bahnと並行する複々線区間となる。ただし、S-Bahnは第三軌条方式であり、相互の接続はない。
Pinnebergを発車すると、程なくして左手に広大なヤードが広がる。Hamburg-Eidenlstadtである。ここはICE 1の全編成や101形が所属する一大基地、なん編成ものICE 1が停車しており、ICEファンには垂涎の場所である。
列車は減速して、Hamburg-Altona方面に向かう路線と分かれて、大きく左にカーブする。Hamburgの市街地の中をゆっくりと走る。
15時34分にHamburg Dammtorに到着する。Dammtorを出発すると、列車はゆっくりとアルスター湖を渡り、15時38分、1分の遅れで終点のHamburg Hbfに到着、Kielからの105.6kmを約77分で走ったことになる。
本来乗るはずだった15時06分発のICE 1107はやはり既に発車済み、元MET客車編成によって運行される貴重なICEだけに、残念である。次のBerlin行は16時29分発Dresden Hbf行のIC 2071である。まだ時間があるので、Hamburg Hbfで時間を潰す。
外へ出ると、もう日は沈んでいた。駅前にはまだクリスマス装飾が残っているが、大晦日の夕方で商店は全て閉まっており、人通りもまばらだ。
駅に戻って有料トイレで用を足す。構内のお店は開いており、バーでビールを一杯・・・・も考えたが、REの車内でビールを飲んだばかりなので、ここは我慢。夕食が遅くなりそうだったので、魚料理の店でパック入りの寿司を購入する。
ホームに行くと、夕方の列車のためか、多くの乗客がICを待っていた。まもなくIC 2017が入線、先頭はUNICEFの広告塗装となっている101 016-4、その後ろには何とチェコ国鉄CDの客車が連なっている。食堂車も連結されている、チェコの食堂車、これは利用するしかない。というわけで、食堂車へ直行。
食堂車内はシンプルだが、なかなかシックな雰囲気。夕方の列車ということもあって、利用客も多い。メニューはDBの食堂車より豊富、しかもチェコ料理まで用意されている。ビールとSvickova na Smetaneを注文する。ビールはもちろんピルスナーウルケル、これが美味しい。Svickova na Smetaneはサーロインステーキにたっぷりのクリームソースとクランベリージャムをかけたもので、蒸しパンと一緒に食べる料理。甘すぎて、私の口にはどうも合わなかったが、付け合せのきゅうりのサラダがさっぱりして非常に美味しかった。チェコの赤ワインも飲み、ほろ酔い気分。
会計を済ませ、荷物を持って移動、車内はなかなかの乗車率で、特に2等は大半の席が埋まっているため、1等席に落ち着く。食事を摂っている間に列車はBüchenに停車し、さらにLudwigslustに向かっている。200km/hで走っているが、安定感のある乗り心地。宵も手伝って、ここでひと眠り。
1時間ほどで目を覚ます。列車はLudwigslust、Wittenbergeを過ぎ、一路Berlinへ向かっている。外は真っ暗で何も見ないが、どうやら順調に走っているようだ。今夜は19時からベルリン国立歌劇場管弦楽団のコンサートに行く予定。ICE 1107に乗れなかったおかげで時間はギリギリだ。コンサート会場のシラー劇場への道を確認し、Berlin Hbfではなく、その手前のBerlin Spandauで降り、タクシーを飛ばすことにする。
下車準備を終えると、列車は程なく減速、Hannoverからの路線と合流すると、18時25分、Berlinの西の玄関駅、Berlin Spandauに到着する。
Berlin Hbf・Dresdenへ向かうIC 2017の発射を見送り、コンコースから外へ出て、タクシーに乗る。Berlin市街地の景色を楽しみながら、シラー劇場までは約15分程で到着、幸いにもコンサートに間に合った。
ベルリン国立歌劇場は現在改装工事が行われており、工事が完成するまで公演はシラー劇場で行なっている。12月30日から1月1日までに3日間はニューイヤーコンサートとして、音楽監督のダニエル・バレンボイム指揮ベルリン国立歌劇場管弦楽団がベートーヴェン交響曲9番を演奏する。年末の第9公演というと日本独自のもの、というイメージがあるようだが、ドイツでもその習慣はあるようで、ベルリン国立歌劇場管弦楽団だけでなく、ライプツィッヒのケヴァントハウス管弦楽団なども今夜は第9を演奏しているはずである。
ロビーは多くの着飾った聴衆で賑わっている。クロークで荷物とコートを預け、ホールへ。予約した席は2回最前列の中央という、音響的にも最高と思われるところである。前回第9の実演に接したのは10年以上前、海外オーケストラとなると初めての経験であったが、大変満足できるコンサートであった。バレンボイム指揮ベルリン国立歌劇場というと、2007年の来日公演でシェーンベルク「モーゼとアロン」を聴き、とても感動した。今後も是非活躍して欲しいものである。
コンサートが終わり、劇場を出るともう21時になろうとしている。シラー劇場から程近いErnster-Reuter-PlatzからU-Bahn U2系統に乗車、次のBerlin Zoologischer Gartenまで乗車する。
西BerlinのターミナルだったBerlin Zoo駅もBerlin Hbf開業によりICEやICが停車しなくなり寂しくなったが、REは停車する。ちょうどやって来たREに乗車すれば、Berlin Hbfまではわずか4分である。
コンコースに降りて発着案内を見ると、どうやらモスクワ行のEN 453の発車が迫っている。これは見に行くしかない、地下の5番線ホームに行くと、既にEN 453は入線していた。牽引はDBのロゴ入りながら、緑とシルバー塗装の186形、客車はロシアとチェコのものが連なっている。今時見かけない、如何にも大陸らしい客車列車、いつかは乗車したいものである。
ドイツでは年末限定で花火や爆竹が販売される。新年を待ちきれない若者達があちこちで花火をあげたり、爆竹を鳴らしており、爆発音が連続して落ち着かない雰囲気。駅構内で爆竹を鳴らしている輩までいるのからひどいものである。
駅にいるだけでは退屈なので、ブランデンブルク門の方へ向かうことにする。ベルリンでは新年に合わせて、ブランデンブルク門で花火が打ち上げられ、多くの地元客や観光客が集まるのだ。Berlin Hbfからブランデンブルク門は新しく開業したU-Bahn U55系統で一駅である。早速U-Bahnホームに向かうと、何と閉鎖されている。どうやら混雑に備えて、運転を休止しているようだ。
そこでS-BahnでBerlin Friedrichstrasseまで一駅乗車し、そこから地下ホームに乗り換えて、ブランデンブルク門最寄りのBrandenburger Torへ向かうが、案の定Brandenburger Tor駅は通過。
仕方がないので、次のBerlin Potzdamer Platzで下車する。地上に出ると、ここもあちこちで爆竹に各所で鳴らされ、怖いくらいである。DB本社であるBahn Towerを眺めたところで、U-Bahnに乗り、二駅目のStadtmitteで下車する。ここからブランデンブルク門へは歩いて10分程である。
ブランデンブルク門周辺は自動車通行止め。まだ年明けまでは時間があるというのに、既に人人人の大混雑。そんな中でも花火をあげたり、爆竹をならすものがいるのだから驚く他ない。ここで年明けを迎えるわけにはいかないので、遠くからブランデンブルク門を眺め、喧騒をしばらく楽しんだ後、歩いてBerlin Friedrichstrasseへ向かう。
再びS-Bahnに揺られ、Berlin Hbfに戻る。
構内では飲食店がまだ営業中。フードコートのようになっているお店に座り、ビールを飲みながらインターネットに接続し、メールチェックなどをして時間を潰し、23時30分頃に高架ホームに上がる。Berlin Hbfのホームから、ブランデンブルク門付近で打ち上げられる花火を眺めて新年を迎えることにしたのである。同じことを考える人は少なくないようで、段々と人が集まってきて、ホームの端はちょっとした混雑となる。
BaselからのICE 870が到着。2011年最後に撮影した列車はICE 1はということになった。
大晦日のベルリンの高架ホームということで、とても寒いが、何とか我慢のできる範囲である。こんなところで新年を迎える観光客に興味があるのか、集まってきた人から声をかけられる。中年のおじさんはアニメファンで日本に興味があるそうで、新幹線の長い編成に驚いたと仰る。実はICEのフル編成は約400mで新幹線とあまり変わらないのだが。次は年配の男性からもこれからの予定などを聞かれる。さらに隣にいた陽気な中年女性はおもむろに赤ワインを取り出し、周りにいる我々にプラスチックカップを配って、ワインをご馳走してくれた。駅のすぐ下を流れるシュプレー川では、年越しクルーズを楽しむ人々の姿も。DBの職員も二人現れ、ホームの整理を行うのかと思いきや、柵を開けてホームの外のスペースへ。何のことはない、特等席から花火を眺めるつもりのようだ。制服を着たままでもリラックスするあたりは、如何にもドイツらしい。
まもなく新年だ。
2012-04-17 00:16
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コメント(4)
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おはようございます。
DBファンにはたまらない記事ですね。
読んでいて何度「いいなぁ」と思ったことやら…。
ハンブルクの駅舎も懐かしかったなぁ。
それにしても、列車が途中で停車して運転手がトイレに行くあたり、最高ですね。
by Gut (2012-04-17 07:10)
HUHさん、こんばんは。
実に中身の濃い記事をありがとうございます。
2年前に行った時を思い出しました。
同じ12月で、フランクフルトを起点に、
10都市ほど巡りましたが、
パリ行きは、車両故障で運転打ち切り、
遅延で乗り遅れるなど、大変でしたが、
それなりに、楽しかったです。
今年、行けたらいいなと思いますが??
by lucky_k.k (2012-04-17 20:58)
こんばんは、久々にベルリンにいってみたくなりました。でも大部様子が違うみたいで、ガイドブックが必要になりそうです。娘を連れて、戦勝記念塔の下で、いろいろ遊んだことを懐かしく思い出しました。
すばらしい記事ありがとうございました。
by witty (2012-04-17 23:22)
Gutさん
おはようございます。ハンブルク中央駅は独特のムードがあって良いですね、運転手はトイレで用を足したのではなく、何かチェックに行ったのかもしれません。いずれにせよ、駅間ですることではない気もしますが。
lucky_k.kさん
ドイツは運転打ち切りなどに遭遇することも多いですが、旅程に余裕を持たせて、それを楽しむくらいが良いのかもしれません。私も今年秋の渡独を狙っています。
wittyさん
Berlinは行く度に大きく様子が変わっています。古くて新しいBerlinは朝から夜まで1日中楽しめる魅力的な街だと思います。是非いらして下さい。
by HUH (2012-04-18 07:39)