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房総半島一周の旅 [国内の鉄道]

昨年は二日間の夏休みを利用して紀伊半島を一周した。今年は・・・というと、根本的に、夏休みが取れるのかどうかもあやしい。しかし、ストレスのたまることも多いし、たまには気分転換をしたい。そこで、最近は半日くらいあくと、ついつい、どこかへ出かけてしまう。
昨日8月8日、午前中は柏駅前まで仕事であったが、幸いにもそのあとは時間があったので、ミニ旅行に出た。ネクタイをし、仕事道具も持ったままという状態で柏駅へ。
12時23分発の常磐緩行線・唐木田行は東京メトロ6000系だった。10分余りで新松戸へ、ここで武蔵野線に乗り換える。12時42分発南船橋行は205系、西船橋でabeさんと合流し、そのまま南船橋まで乗り通す。南船橋では京葉線への乗り換え客にかなり混雑している。それも東京方面ではなく、蘇我方面への乗り換えが多いのは驚かされる。
13時10分発の京葉快速・蘇我行も205系、かなりの混雑である。しかし、次の海浜幕張で我々は下車。ここで驚くほどの下車があり、コンコースへの階段がひどい混雑になっている。どうやら、幕張メッセでロック・フェスティバルがあるための混雑らしい。

我々が13時24分発、わかしお11号に乗る。257系の5両編成で、自由席・指定席とも大半の席は埋まっている。行楽客は帰省客と思しき人が多く、なかなか賑わっている。海浜幕張は商業地や住宅も多いが、しばらくすると倉庫や工場ばかりが目立つようになる。高架線上を快走、モノレールと接続する千葉みなとを通過すると、ようやく市街地が車窓に戻る。まもなく蘇我に到着する。蘇我からはいよいよ外房線に入る。しかし、このあたりは住宅地が広がり、すれ違う列車も多い。落ち着いたところ、abeさんと席を立ち、車販でビールとおつまみを調達する。今日はお茶以外何も口に入れておらず。空腹である。こんな時のビールは本当に美味しい。明るいうちからビールを飲むという行為の持つ背徳感も、また良いスパイスとなる。
東金線と接続する大網からは南へ進路を向ける。茂原を経て、上総一ノ宮から太平洋に近いところを走るが、海とは微妙な距離があり、その姿はなかなか望めない。車窓風景は住宅がすっかり広がり、農村ののどかなものへと変わる。天候は快晴で、日差しがまぶしいが、それも夏らしい。ほどなく大原に到着、残念ながら、いすみ鉄道のレールバスの姿はない。停車する度に少しづつ乗客が降り、車内は大分空いてきた。abeさんと指定席以上に空いている自由席に移る。線形はかなり悪くなり、いつのまにか、ロングレール区間ではなくなった。単線区間で行き違い停車もあり、すっかりローカル線の雰囲気である。
御宿を過ぎると、ようやく太平洋が車窓に広がる。青い空、青い海、海水浴場は多くの人で賑わっており、その姿がまぶしく、うらやましい。のどかな漁村も時々現れ、紀伊半島にも近い雰囲気だ。美しい車窓風景に目を向けているうちに、上総興津、安房小湊と過ぎる。

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リゾートホテルやシーワールドなど大規模な施設が車窓に現れると、列車はラストスパート、14時59分定刻に安房鴨川に到着する。

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安房鴨川での楽しみは駅弁、一旦改札を出て売店へ向かう。しかし、この楽しみは失望に変わる。既に今日の販売分の駅弁はすべて売り切れ、残っているのはどこでも売っているようなおにぎりかサンドイッチだけ、駅前の土産物店に行ってみたが、食べ物はあまりなく、助六寿司とコロッケを買うほかなかった。安房鴨川の「うにさざえめし」は美味しいと聞いていただけに、本当に残念だ。

さて、時間があまりない。お茶も買い込み、15時17分発館山行に乗る。113系の4両編成、ボックスシートの大半が埋まり、それなりに混んでいる。千葉方面からの普通列車の接続を受けて、やや遅れ気味に発車、房総半島をさらに南下していく。特急の走らない区間だけに、いよいよローカル線のムードが漂うが、時々車窓に広がる太平洋は美しい。それにしても、さして利用客が多いとは思えない無人駅に停車する度に乗客が増える。浴衣客も多い。乗客も、今日は混んでるねえ、と話しているので、何かイベントでもあるのだろうか、とも思う。千倉からは列車は太平洋岸から離れ、進路を西に向けて館山へ向かう。今度は山の中を走る雰囲気になる。この頃には車内は立客も多くなる。市街地が広がり、15時58分館山に到着する。ここで乗客が一気に下車、我々もコンコースに上がる。

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ここで混雑の理由が分かった、今日は館山花火大会の日なのである。しかし、我々はすぐに内房線「さざなみ18号」で一気に東京に向かう。
一旦改札を出て、売店をのぞくが、やはり駅弁はない。館山は半分諦めていたから仕方がない、さざなみの車内で駅弁とビールでも買うことにして、改札に入る。さざなみ18号は255系9両編成、車内はガラガラ、abeさんと4席を占有し、ゆっくりと座る。

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発車間際の車内放送、「この電車は車内販売を行いません。」車内でビールと駅弁を調達する計画も、これで無に帰した。もう改札外の売店までビールを買いに行く時間もない。ホームの自動販売機でお茶だけ購入、それにしてこんな観光列車に車内販売を乗せないなんて・・・・文句の一つも言いたくなる。時刻表を調べるが、ある程度の停車時間があるのは青堀だけ、それも売店があるとは考えにくい。
館山を15時58分に発車、ローカル線のムードが相変わらず強い中、単線区間をゆっくり進み、富浦へ。ここは高校の夏合宿で滞在した場所、少し懐かしい。それにしても、ビールがあれば、この旅も楽しいのに、と思う。

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内房線は比較的海の近くを通るが、外房線に比べ開発が進んでいるし、大型船の姿も目立つ。好みもあるところだが、私は外房線の方が良かった。久里浜へのフェリーの港が近い浜金谷を過ぎると、富津岬が見えてくる。

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青堀を過ぎ、君津はさすがに街の規模が大きい。海岸線も工業地帯だ。次の木更津では国鉄色になった久留里線のキハ30が停車していた。この辺りからは住宅も目立ってくる。内房線からすっかり乗客を奪ったアクアラインをくぐり、姉ヶ崎を通過し、五位に到着。小湊鉄道の気道車が停車しているが、それらが非常に丹念に整備されている姿を見て感心した。冷房がないので夏はつらいが、秋には小湊鉄道・いすみ鉄道の旅を楽しみたいものである。海側は工場と倉庫が立ち並ぶ単調な光景。
蘇我に到着すると、ここで、Sさんが合流する。東京に用事があるとのことで、蘇我から合流することになっていたのである。実は車内販売がないということで、ビールの調達も頼んでおり、ここでようやくビールにありつく。房総の美しい海ではなく、京葉線沿いの工業地帯というのは残念だが、これで旅はまた楽しくなる。海浜幕張を過ぎ、新浦安付近では西濃運輸の建物のDBマークを見つけて喜ぶ。

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東京ディズニーリゾートや葛西臨海公園、さらに新木場の有楽町線の車庫などを眺めると、列車は地下へと潜る。18時05分東京駅着、乗り換えだけの駆け足の房総一周の旅を終えた。
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ZumeR

きっとどこかですれ違ったと思います(笑)。あるいは、一歩間違えば沿線でカメラ構えている姿に遭遇したかも…もっともあっしはクルマですけど。

800円という言葉に誘われ、フラフラとアクアラインを渡ったは良いですが、帰りの渋滞が18キロと表示されているのを見て愕然…トンネルで80分を過ごすのは嫌なので、私もDB SCHENKERの表示を見て帰りました。ただしそれに気付いたのは、家内の「あ、DBのロゴだっ」って声でしたけど。(私はマニア知識を教えた記憶はないですが…)
by ZumeR (2009-08-10 12:01) 

abe

HUHさんお疲れ様でした。Sさん差し入れありがとうございました~
とても有意義な半日旅行でした。
Sさんとは次の日にも千葉に行ってきました。(笑)
浜金谷駅前のさすけ食堂という、アジフライの美味しいお店を発掘しました。今度ご一緒しましょう。絶対ですよ!
by abe (2009-08-10 13:40) 

autounion

こんばんは♪
日本でDBマークを見られるとは驚きです!
海の写真を見ていたら、無性に釣りがしたくなりました(汗)
by autounion (2009-08-10 19:18) 

まほろ

HUHさん、こんにちは。
西濃運輸の車にもDBのマークがありますよ。
シェンカーと関係があるようですね。
初めて見た時は驚きましたね。
by まほろ (2009-08-11 17:31) 

HUH

ZumeRさん
アクアラインはそんなに混んでいるんですね。それにしても、DBロゴに自然と気付かせるあたり、ZumeRさんの奥様教育(洗脳?)の巧みさには恐れ入るのみです。

abeさん
おつかれさまでした。ダイエット中の身ながら、アジフライには心ひかれます。涼しくなった頃に、いすみ鉄道・小湊鉄道・東京湾フェリーなど良いかもしれません。

autounionさん
まほろさんの仰る通りで、、西濃運輸のトラックの後部に、小さいですがDBのロゴが入っています。西濃運輸のトラックを見たら、きっと追いかけたくなることでしょう。夢中になりすぎて、追突しないようご用心を。

まほろさん
確かに、西濃運輸のトラックにDBロゴは驚きました。それにしても、DBのサイトを見ると、DBというのは物流・貨物の会社なんだな、と感じますね。そうなると、電機に貨車が欲しくなる・・・・・
by HUH (2009-08-11 22:42) 

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