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9月10日 Duesseldorf → Frankfurt(M) [ドイツ・フランス鉄道旅行 2007]

6時に起きる。今日は帰国の日である。1週間のドイツ滞在があっという間に終わろうとしていることが、何とも寂しい。身支度をし、さらに荷物も整理して6時45分に朝食を摂る。宿泊したIbis Duesseldorfはドイツのホテルとしては朝食メニューがあっさりしている。しかし、清潔で大きめのベッドで熟睡できたし、宿泊料金を考えれば、良いホテルチェーンだと思う。
部屋に戻って荷物を持ち、7時10分にホテルをチェックアウトする。Duesseldorf Hbf構内はまだ朝早いというのに、多くの人々が行き来している。スーツケースを引きながら人込みをかき分け、16番線ホームに上がる。ホームもなかなか混雑しており、2階建て客車5両を連ねたREが満員で発車していったのは壮観である。
まだ、日が昇りきっておらず薄暗いし、寒い。寒さを紛らわすために駅構内を発着する列車を眺める、やはり目立つのは423形や143形+客車編成のS-Bahnだが、643形などの気動車の姿もある。
7時26分、Muenster発Muenchen行のICE 513がゆっくり入線してきた。ICE 3のTz 330編成+Tz 319編成を連結した16両編成だ。車内は大半の座席が埋まっており、時に空席があっても、予約済みの表示灯が点灯している。私は編成の最後尾21号車403 519-2のラウンジ13番席に座る。

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座席に落ち着いたところで、ICEは発車、まもなくスピードに乗り、まだ薄暗い中を200km/hで快走する。ここは昨日もICE 3で往復した区間、とはいえ早朝の風景はまた一味異なる。最後尾からの眺めをゆっくりと楽しむ。在来線区間とはいえ、軌道は直線だし、乗り心地も良い。LeverkusenでBayer製薬の広大な工場の横を過ぎると減速、まもなく左にヤードが広がる、ICや旧Silberlinge客車、気動車はもちろん、Thalysの姿まであって、このKoelnが交通の一大要衝であることを改めて感じさせる。Koeln Deutz/Messe駅を通過すると自転車のようなスピードでゆっくりとライン川を渡り、右に急カーブを切ってKoeln Hbfに到着する、7時50分である。ちょうど、Berlin行のICEが発車していく、さらにICも発車、本当にトラフィックの多い駅である。

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ICE 513はここで進行方向を変える。運転室に運転手が乗り込み、発車準備を進めている。2人のDB職員が後から運転室に入る、どうやら添乗するようだ。せっかくの最前部のラウンジからの展望が妨げられるのは少し残念に思ったが、私の席からは幸いにもあまり気にならなかった。
7時59分、ドアが閉まり、ICEはゆっくりと発車する。左手を先に発車した644形を追いかけるように3複線のHohenzollern-brueckeでライン川を再び渡る、ちょうどFrankfurt/Mから来たICE 3とすれ違う。再びKoeln Deutz/Messe駅を通過すると列車は右に曲がって南東へと進路を向ける。まもなく、列車のスピードは上がるが、Koeln/Bonn空港への支線が分岐する頃には一旦減速する。右に蛇行したライン川が近づき、S-BahnのKoeln Steinstrasse付近で列車は再び加速、一瞬200km/hに達する。しかし、まもなく再び減速、8時14分、Siebourg/Bonnに到着する。ここからの乗車は少ないと思ったら、ホームには多くの乗客が列車を待っている。西ドイツ時代の旧都Bonnに近く、Koeln都市圏に入るだけのことはある。その乗客たちを慌ただしく乗せ、定刻の8時16分には発車する。
ここからは高速新線NBS Koeln-Rhein/Mainに入る。ポイントを渡ると、ICEはインバータ音も高らかに一気に加速していく。この高速新線を走るのはここ3年で実に6回目、見慣れた車窓風景が広がるが、それでも勾配とカーブの連続する区間を最高300km/hで駆け抜ける迫力は格別だ。この区間は何度も写真を撮っている、カメラは殆ど持たず、地図も見ず、ゆっくりと前方の展望を楽しむことにする。このICEの高速新線でのスピードはやや控えめ、300km/hには到らず、250km/h程度で流すような走りだ。外はすっかり明るくなっているが、どんよりと曇っている。整然と続くスラブ軌道、斜めに大胆にカットしたようなトンネルポータル、そしてトンネル内に連なるライト、如何にも高速新線らしい軌道は、それはそれで美しい。中間駅Montabaur、Limburg Suedを過ぎ、最後になってICEは300km/hで快走する。もう少しでICE 3のこの走りともお別れと思うと、何とも寂しい。マイン川を渡り、広大なFrankfurt空港の北側に出る頃、列車は減速、トンネルを抜け、Frankfurt Flughafen Fernbahnhofに到着する。8時55分、前半の控えめな走りが響いたのか、4分ほど遅れている。私もここでICEを降りる。
この駅はいつも乗降が多い、今日も大きな荷物を抱えた、多くの乗客が降りた。この空港駅、そして高速新線の存在が、空港アクセスの可能性をも大きく変えたことを改めて実感させられる。考えてみれば、東京から成田空港までのアクセスよりも短い時間で、KoelnからFrankfurt空港まで来られるのである。便利なものだ。
多くの乗客を降ろし、身軽になったICE 513は発車していく。次にドイツに来られるのは何時の日か分からないが、この素晴らしいICE 3にまた乗りに来よう、そう思いながら、ICE 3に別れを告げる。

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Franfurt Flughafen Fernbahnhofは私にとってドイツの出入り口のようなもの、ガラス張りの大胆なデザインの駅舎に上がり、Frankfurt空港のターミナルに向かう。ターミナル内は多くの搭乗客でごった返し、Lufthansaのチェックインカウンターには長い行列が出来ている。まずは空港内の郵便局に行く、計るまでもなく今の荷物は重すぎる。このままなら追加料金を取られてしまう。そこでワインなど、重いものは日本に送ってしまうことのしたのである。発送を終えたところで、チェックインの手続きをする。とはいっても、長い行列に並ぶ必要はない。Lufthansaのサイトで電子チケットで航空券を購入してあるので、Quick Check-inを利用できる。自動チェックイン機で手続きを済ませ、スーツケースのX線検査を済ませ、窓口で預ければ終わりである。まだ、9時30分である、私が搭乗するLH710便の出発までは4時間弱ある。身軽になったところで、Frankfurt市内に行くことにする。
S-Bahnで行くことも考えたが、時刻表を確認すると丁度ICがあるので、これを利用することにする。こういう自由が利くのは、レールパスの強みである、Fernbahnhofに戻り、5番線に行く。10時01分発のIC 327はまもなく入線する、先頭に立つのは101形101 039-6である。大半のICE/ICが名称がない中で、この列車は"Alpenland"と名づけられており、貴重な存在だ。1等コンパートメント車に乗車すると、これまでに乗ったICの1等車とは内装が違う。壁材は木目調、シートモケットは紺。これはリニューアルされていない、旧デザインの客車だったのだ。一般乗客にはともかく、私にはTEE時代を髣髴とさせる車内は思いがけないプレゼントとなる。

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空いている車内、コンパートメントの一室を独占し、Frankfurt Hbfまでの短い旅を楽しむ。15分ほどでFrankfurt Hbfに到着、このままICの旅を楽しみたいが、そういうわけにはいかない。後ろ髪をひかれつつ、下車する。

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まおパパ

いやー、何度読んでも良いシーンです。高速新線のICE3の疾走は素晴らしいです!!

時間があったらレイルパスでICでフランクフルト市街に繰り出してしまうたりも素敵です(笑)。S-Bahnだと中央駅は地下に滑り込んでしまうことになりますが、ICだと市街を大きく回り込みながら中央駅に入って行くのが何ともいいですよね。

うー、また行きたいなぁ。
by まおパパ (2008-12-19 00:06) 

HUH

まおぱぱさん、そうなんです。ICE 3の疾走は素晴らしいんです。いつも共感していただいて、本当に有難うございます。

フランクフルトは市内から空港が近いし、鉄道も選択肢が二つあるので、何かトラブルがあっても大丈夫という気になれます。それにフランクフルト空港は便利ではありますが、長時間いて面白いわけではないです。自然に、列車に乗って街へ!ということになるのです。
ちなみに、ICE 3でケルンへ往復してしまおうと一瞬考えてしまったことは秘密です。。。。
by HUH (2008-12-20 00:44) 

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