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DB Baureihe 111 [ドイツ鉄道 電気機関車]

このようなサイトを運営しているとはいえ、ドイツ鉄道の車両が全て格好良いと思っているわけではない。しかし、ドイツ鉄道の車両は大抵好きだし、それぞれに思い入れもある。そんな思い入れを少しづつ書いていきたい。皆さんの思いも是非伺いたいと思う。

私は1980年末から1984年秋までEssenに住んだ。日本に戻ったのは7歳になる直前、したがってドイツ語はすっかり忘れたし、ドイツ時代の記憶も断片的、限定的にならざるを得ない。鉄道にしても同様である。
幼い頃の私にとって最大のスターだったのは、当時の花形列車TEE Rheingoldを牽引する103形であった。Rheingoldにはついに乗ることはなかったが、何度か乗ったICや、駅で眺めた雄姿を通じて、103形の印象は私の中で強く刻み込まれている。しかし、より馴染み深い存在だったのは、ルール地方のS-Bahnであった。
ドイツでは車での行動が多かったが、日本人が多く食材などが豊富なDuesseldorfには何かと行く機会が多く、S-Bahnも時々使った。ドイツに住み始めた当初は、ルール地方のS-Bahnには420形が活躍していた。420形の優しい面立ちは私好みであったが、程なく姿を消し、代わりに111形牽引の客車列車が目立つようになった。420形は当時切手の絵柄になっており、それを集めながら、420形がルール地方から姿を消したことを改めて残念に思ったものである。代わりに投入された111形も決して嫌いではなかったが、やはり420形に思い入れがあった。しかし、結果的に、DBの列車で最も利用したのは111形牽引のS-Bahnであったし、そうなると次第に親しみも沸く。帰国する頃には、ライトグレーにオレンジ色の帯が入った111形は、大好きな存在になっていた。

四半世紀を経て、ドイツ鉄道はすっかり様変わりした。103形や141形はもはや保存機を残すのみとなり、110形はすっかり数を減らしてローカル運用を中心に細々と余生を過ごしている。218形や420形も廃車が進み、403形に至ってはLufthansa Airport Expressの運行終了後は留置されたまま荒れ果て、無残な姿をさらしている。
111形もルール地方のS-Bahnの任は143形に譲った。しかし、それは古くなったからではない。111形の高性能を有効利用するためだ。現在、ルール地方では最高160km/hのREが111形の活躍の場である。それだけではない、Frankfurt - NuernbergではModus客車を牽く姿が見られるし、Muenchen近郊ではREからローカルまで幅広く活躍している。私の記憶にある車両で、111形は唯一ドイツ在住時と同様の、いや、その頃以上の活躍を見せている。2006年9月15日、Dortmundで接続するはずのICEに列車遅延で間に合わなかった時に、代わりに乗車したのが、111形に2階建て客車を連ねたREだった。力強い加速に、111形健在を実感し、本当に嬉しかった。

111photo.jpg

111形は技術的には目新しい点は少ない。むしろドイツの電気機関車発達史の中では、一つのエンドポイント、完成された姿ということが出来よう。それが高性能でありながら、安定した高い信頼性につながっているのだろうし、使いやすさにつながっているのだろう。
そして、111形は色々な塗装によく似合う。思い出のS-Bahn塗装が最も好きであるが、タルキス塗装も、Orientrot塗装も良い。LHAE塗装は103形以上に似合っていた。そして、現在のVerkehersrto塗装との相性も非常に良い。私が80年代にみた車両の中で、Verkehrsrotが似合うと思うのは111形だけである。80年代後半には一時、試験塗装が施されたが、適任であろう。
111形の活躍ぶりをこれからも見守りたい。

111photo19.jpg


111形
http://www.rig-bahn.jp/db-page/j-111.htm
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Akira

111形。何故かこのちょっと地味な機関車に惹かれています。格好良さでは、もちろんスマートな103形や120形により魅了されますが、均整の取れたスタイルとB'oB'oという軸配置のコンパクトさが無駄のない機能的な造形と相まって、程よい全体のバランスが仰るような完成形とも言えるような存在になり得たところでもありましょう。

私が気に入る111形のディテールは、全面窓。そしてサイドのルーバーとサイドの窓の関係が非常にバランスが良いこと。
ドイツの機関車にしては、造形の力で軽くなり、しかしながらドイツらしい。そんなところでしょうか。

同時期?に登場した富山地方電鉄の電車がこの全面窓の造形と良く似た形状になっていますが、これも私の気にいっている1形式です。

by Akira (2008-10-17 08:23) 

HUH

Akiraさん
111形の魅力はともかくバランスの良さだと思います。外観も働きぶりも。そして、それが故に、同時代の車両に比べても元気に活躍していることにつながっているのだと思います。本当に良い機関車ですよね。
Akiraさんはメルクリンの111形を4両所有されていたかと思います。私はフライシュマンのS-Bahn塗装1両、Verkehrsrot 1両ですが、、、、ついついメルクリンのVerkehrsrotの現行品37317を注文してしまいました。。。。
by HUH (2008-10-19 00:13) 

ZumeR

私がとりわけドイツで好きな機関車は、もうご存知でしょうけど112.1型と、そしてこの111型です。特急機も魅力的ですが、汎用機こそ最高です!
by ZumeR (2008-10-19 10:28) 

HUH

ZumeRさん、こんにちは。
112.1形も良いですよね。最近はルール地方のREにも進出していますので、いよいよ私好みになってきました。
汎用機は確かに魅力的です。ドイツに行くと、次々と入線してくるのは汎用機です。1時間もすれば、もう夢中というわけで、私のコレクションは真っ赤な機関車が増える一方。困ったことです。
by HUH (2008-10-20 00:06) 

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