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8月21日 紀伊勝浦→天王寺→なんば [紀伊半島 鉄道旅行 2008]

駅前を散歩しながらお土産を用意した後、紀伊勝浦駅の売店でめはり寿司とビールを購入した。紀伊勝浦駅は狭い橋上駅舎に2面3線のホームがある。ホームで待つこと10分ほど、私が乗車する381系スーパーくろしお32号が到着した。

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最後尾1号車1番B席を予約していた。グリーン車である。新幹線・特急でグリーン車を利用したことは今まで殆どないが、今回は展望席に座りたくなり、奮発した。せっかくなので座席を転換し、最後部からの展望を楽しむこととする。

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電車は16時5分定刻に発車する。重厚感のある座席は座り心地は良く、正面の展望も広々として気持ちが良い。電車は海岸線に沿って進む。しかし、軌道は特急が走る路線としては貧弱で雑草が生え、細かなカーブも多く、スピードはせいぜい75km/hといったところだ。振子列車らしく、カーブで大きく車体を傾けるが、このスピードでは本領発揮とは言い難いであろう。しかし、車窓は素晴らしい。海側を見ると広大な太平洋、そして小さな漁村が姿を見せ、山側は紀伊山地の山々が連なり、実に印象的だ。この周辺は東京から公共交通機関で来る場合、本州で最も時間がかかる、という話を聞いたことがある。真偽はともかく、来るのは確かに容易ではないが、その価値は十二分にあることを改めて感じる。

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めはり寿司とともにビールを飲んでいると、寝不足に加え歩き疲れているのであろうか、うたた寝をしてしまった。電車は古座・串本・周参見と停車するが乗車はわずかだ。グリーン車は男性の一人客と、家族連れのみで空いている。
観光施設や商業施設、住宅などで車窓風景が賑やかになってくると、まもなく白浜との案内放送が流れた。白浜駅手前で一旦停止、6両編成で運転されているこの電車の前に、3両を増結するらしい。2回短い停車をし、慎重に連結完了、白浜に到着となる。ホームには多くの乗客と、見送る人々の姿が見られる。駅も駅前もこれまでの紀伊半島の駅に比べて賑やかで、ここがこの地域の一大観光地であることが理解できる。駅は海岸から少し離れている、温泉街の中心に向かうシャトルバスの姿も見られる。グリーン車もかなりの席が埋まった。17時35分に白浜を発車、心なしか電車のスピードも増したようだ。
10分強で紀伊田辺に到着する。紀伊田辺を出発すると紀勢本線は複線になる。電車も90~100km/hと明らかにスピードが上がる。カーブでは振子列車の本領を発揮し、なかなか気持ちの良い走りである。381系は自然振子方式でカーブに進入する際に車体が傾くタイミングが一瞬遅れるため乗り心地が言われてきた。しかし、制御振子方式が採用された283系の安定感のない台車を味わってしまうと、むしろ381系の方がどっしりとした安定感があり、私には快適だ。
電車は海岸線に近いところを走り、点在する漁村の光景が楽しめる。しかし、18時を過ぎ夕暮れとなった、次第に周囲は暗くなってきた。御坊では紀州鉄道の車両を見ることが楽しみだったが、残念ながらその姿はホームにはなかった。
すれ違う列車も増えたが、電車は相変わらず快調に飛ばす。海岸沿いに広大な工業地帯が見えると、まもなく海南に到着、ここでも乗車が多い。すれ違う列車の数もすっかり多くなった。大きな街が近付いたと思ったら18時50分和歌山に到着する。ローカル輸送には、ここまでは105系や113系の改造車が活躍していた。しかし、和歌山駅では223系や205系、103系が並び、いよいよ大阪の都市圏に入りつつあることを感じる。和歌山でも多くの乗車があり、グリーン車は6、7割の席が埋まった。18時51分に和歌山を発車、ここからは列車本数の多い阪和線を走る。和歌山からが都市区間かと思っていたが、意外と山深いところを走る。しかし、しばらくすると徐行運転となり、やはり、と思ったが、まもなく車内放送があった。天王寺で人身事故があり、ダイヤが乱れているとのことであった。りんくうタウンが遠くに見える頃、新大阪で待ち合わせをしているDさんからも丁度連絡があり、大阪環状線がかなり乱れているとのことなので、予定を変更し天王寺で待ち合わせをすることになる。鳳到着時点では5分遅れであったが、それ以後は快調な走りが続いている。天王寺に手前で信号待ちをした以外は先行列車に詰まることもなく、4分遅れの19時55分に天王寺に到着する。スーパーくろしおは京都に向け、慌ただしく発車していった。
ホームでDさんと落ち合った。食事に行く前にデジカメの電池用の充電器を探すことになり、駅ビルの電器店に向かったが取り寄せになるとのことで諦めた。食事ついでに難波にでることになり、地下鉄御堂筋線でなんばまで行く。地下道のを上がった目の前にある大型電器店で尋ねたところ、首尾よくバッテリーの充電器の在庫があった。これで明日からは心おきなく写真が撮れる。
そこからすぐの「串の坊」というお店で夕食とする。Dさんとは趣味が同じで、しかも同業なので話題には事欠かない。ドイツ鉄道やメルクリンの話で盛り上がり、お酒も串も進む。どれだけ食べたか分からないくらいであったが、特にカニの身をキスで包んで揚げた串は絶品であった。二人でワインを一本空け、お腹は満腹、ほろ酔い加減となり店を出た。もう22時を優に過ぎている。散歩がてら日本橋の駅まで歩く。それにしても大阪には美味しそうな店が多くて目移りがする、あれだけ食べたばかりなのに。
日本橋駅でDさんと別れ、私は近鉄難波線に乗る。ホームに降りると奈良行のアーバンライナーPLUSが通過していった。追いかけるように5820系と8000系を連結した10両の奈良行快速急行が到着、5820系はLCカーであるが、この時間はロングシート配置となっていた。立客も多く、なかなかの混雑である。私は一駅目、上本町で下車。今夜は駅のすぐ近くのホテルに宿泊する。
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コメント 2

klaviermusik-koba

スーパーくろしお、いい経験をされましたね。だいぶん以前に私ものったのですがいつのまにか塗色がかわりましたね。私は逆方向、京都からこの1号車に乗ったことがありますが、なかなか快適でした、というより面白かった。みどころは、新大阪から貨物線(単線)をのろのろ走り、環状線に抜ける部分ですが、「はるか」などずいぶん増発されているのにこの区間が単線なのはネックです。
by klaviermusik-koba (2008-09-14 18:31) 

HUH

スーパーくろしおは確かに楽しい経験でした。貨物線も楽しみにしていたのですが、電車が遅れていてどうなるか分からない状況でしたので、天王寺で下りてしまいました。
国内の振子電車というと、私は他には383系ワイドビューしなのとE351系スーパーあずさに乗っただけで、しかも展望席ではありませんでした。今回、381系スーパーくろしおに乗って感じたのは、ドイツとの振子電車投入の目的の微妙な違いです。ICE-Tの走る路線は高速新線に比べればはるかに劣るものに線形はそんなに悪くありません。感覚的には140km/hでしか通過できない路線を160km/hで、160km/hでしか走れないところを200km/hで、というのがドイツでの目的だとすれば、日本は本当に山の中や海沿いの急曲線を少しでも速く通過することが目的、という印象でした。
中央線もそうですが、振子電車の走る路線はどこも車窓が美しいです。
by HUH (2008-09-15 00:49) 

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