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8月21日 新宮→紀伊勝浦 [紀伊半島 鉄道旅行 2008]

めはり寿司に満足して駅に戻ると、オーシャンアローを待つ人々で賑わっていた。駅弁の売れ行きも好調のようだ。ホームには283系オーシャンアロー22号京都行が既に停車していた。

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自由席は2両だけと短いこともあり、2席をゆっくり座れそうなところはあまりなかった。勝浦まですぐなので、3号車のラウンジで過ごすことにした。ラウンジは窓が大きく、海に向かって正面に座れるフリースペースで、良い設備だと思う。

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13時3分、紀伊勝浦を出発する。海岸線に沿って走りスピードは上がらないが、海が綺麗に見られるのはやはり良い。

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しかし、驚いたのは揺れの大きさである。285系は振子式であり、しかもラウンジは台車の真上にあること、さらにこの辺りの軌道の状態など悪条件が重なっているのかもしれないが、それにしてもゴツンゴツンと不快な揺れがある。285系の増備が2編成にとどまり、381系が使われ続けているのは、このあたりにも原因があるのかもしれない。13時16分に紀伊勝浦に着いた。
紀伊勝浦駅を出ると、小さな駅前広場に熊野交通バスの営業所やお土産店などが並んでいた。
ここからバスで那智へ向かうが、まだしばらく時間がある。めはり寿司と並ぶ名物であるサンマ寿司を購入し、食べながら時間を潰す。

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営業所で往復割引機ぷを購入し、13時35分発のバスに乗車する。
国道に出てしばらく走り、温泉も併設された那智駅で乗客を増やしたバスはいよいよ那智山へ登っていく。とはいっても、道は急勾配や急カーブは少なく、比較的快調な走りである。13時56分大門坂駐車場前で下車する。
大門坂は熊野那智大社や青岸渡寺へ30分ほどでたどり着くことができ、熊野古道の雰囲気を気軽に味わえることで知られている。帰りのバスの時間を考えると、ここを歩くと時間がギリギリになってしまうし、夏の暑い日にあるこうか迷ったのであるが、思い切って下車した。

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歩くことしばし、大門坂茶屋を過ぎると、樹齢800年の夫婦杉の間を通り、いよいよ深い森の中の古道に分け入っていく。石畳が整備されているが、ずっと続く登り坂はやはり辛い。登っても登っても先が見えない感覚に襲われる。時間に余裕がないので、早足で歩かざるを得ないが、それもまた辛い。そびえ立つ木々に圧倒されながら、古の人々はこのような道を幾つも超えて熊野を目指したことに思いを馳せる。陽射しが木々の阻まれるのは幸いだが、風はあまりなく、汗が噴き出す。時々人とすれ違うが、他は静かだ。

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ようやく那智熊野大社の駐車場の入り口にたどり着くと、まだ14時12分であった。20分も経っていなかったのだ。しかし、ここからも大変だった。今度は神社・お寺に向かって長い石段が続く。今度は陽射しを遮るものもない。参道沿いのお土産店をのぞく余裕もない。
それでも時々見る景色は特別だ。那智の滝が見え、そこから山伝いに視線を滑らせると海がのぞく。

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参道は静かだったが、鳥居をくぐり、最後の石段を登りきったところが熊野那智大社である。境内は参拝客で賑わっていた。

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私も参拝を済ませ、すぐ隣にある青岸渡寺へ向かう。ここは西国33ヵ所霊場の第1番にあたる。

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趣深い本堂に入り、ゆっくりと参拝する。本堂修繕費を一口寄進し住所と名前を書いていると、対応してくれた若いお坊さんが、「もしかして、湯島天神のすぐ近くにお住まいですか。」と尋ねられる。私のアパートは湯島天神から徒歩1分だ。何でもそのお坊さんの同級生が湯島天神のすぐ下にあるお寺で住職をしているらしい。そのお寺なら1週間に1回くらいは立ち寄ることがある、と話したら、湯島って環境が良いようで悪いですよね、と湯島話で盛り上がる。そうなのだ、湯島周辺には江戸情緒を感じさせる店も少なくなく良いところだ、と言いたいのであるが、ホテル街という側面もあるのだ。しかし、こんなところで湯島の話になるとは思わなかった。
お寺を出て、五重塔へ向かう。途中でソフトクリームを思わず買ってしまった。甘いものに自分から手を出すことは少ないのだが、今日は無性に食べたくなったのだ。那智の滝と朱色の五重塔と並ぶ姿は定番であるが、やはり美しい。五重塔には上がることができる、展望台で滝をしばし眺め、時を過ごす。

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バス停に向かう。しかし、バス停まですぐと油断していたが、意外と距離があり、最後は小走りになり、またも汗が噴き出す。お茶を買い、バス停の行列に並ぶと、程なく15時1分発のバスがやってきた。観光客で7割方の座席が埋まった。混雑時は臨時バスを出す用意があるようで、熊野交通の職員が乗客数を確認していたが、その必要もなさそうだ。バスはなだらかな山道を快調に下り、那智駅を経由してからは市街地を走る。紀伊勝浦駅前に15時26分に到着する。駅前でお土産を買い、橋上駅舎に向かう。
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masato-marklin

HUHさん こんにちは
 私も、仕事でよく新宮に行きます。
あの上り坂よく歩きましたね・・・・ 天気がよくてよかったですね。
私の時は、天気があまり良くなかったですから。
 温泉もいいですよ・・ 
by masato-marklin (2008-09-06 17:35) 

HUH

masato-marklinさん
こんにちは。仕事で新宮とは羨ましいです。
あの上り坂ですが、、、、天気が良いのは幸いだったのですが、暑さが身にしみました。それでも、涼しい方とのことでしたから、夏に歩くこと自体、覚悟が必要なのかもしれませんね。でも、あれだけの森を一瞬でも体験できたのは良かったです。

温泉といえば、ブログで紹介されていた湯の峰温泉は是非足延ばしたいですが、行こうとすると新宮からさらに山の中へ分け入ることになるので、時間と覚悟が必要ですね。いつかは・・・・
by HUH (2008-09-08 00:35) 

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